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ACT.46 顧問はおれなの?

 朝7時、智が家の外に出てポストを開く。

 そこには手紙があった。送り主は熊九保宣那だった。

「大崎ッ! 熊九保から手紙が来たぞッ!」

 手紙が来たと翔子を玄関へ呼ぶ。

 その手紙を翔子と智は一緒に読んでみた。


  "智さん、大崎さんへ

 午後の5時ぐらいに大学に来てください。

 自動車のサークルで待っています"


 手紙の内容は大学に来てほしいという内容だった。

「熊九保が大学へ来てほしいと言っている。行くか?」

「うーん──。行ってほしいと言われているから行ってみましょうよ。熊九保さんは自動車のサークルに入っているようですね。サークルにはどんな人が入っているのでしょうか、おれは気になります」

 手紙が行ってほしいと言うなら、5時には大学へ行こうと言う。

「じゃあ決まりだッ! 午後5時には大学へ行こうッ!」

 決まった。

 午後5時には大学へ行くことに決定した。


(葛西モミジ──)

 それと同時に翔子の脳裏にモミジのことを考えている……。

 1台のアルテッツァが走っていたのが見えた。

 日曜日に行われるモミジとのバトルで頭がいっぱいかもしれない──。


 午後5時、前橋の大学。

 その中にある自動車のサークルの部室。

 この部室には熊九保、川畑、小鳥遊のRB20三人衆のほか、2人の生徒がいた。

 1人は金髪のロングヘアに身体は長身で、もう1人は青緑色のセミロングで身長はやや低めだ。

 顔つきは金髪がツンデレ美少女風のつり目に、青緑が気弱そうなたれ目だ。

 金髪の女性の服装は白いTシャツに青い長ズボン、

 青緑のほうの服装は緑色のセーターに黒いスカートだ。


 熊九保が1人、部室から出ようとする。

「熊九保、どこに行くの?」

「外を見に行くよ、末永さん」

 外を見にいくと言って席を立つ。

 熊九保の言葉から金髪長髪の女の名前は末永という名前だ。

 深緑の髪の女も末永といい、金髪が姉で、深緑が妹だ。


「あの女の子って──」

 熊九保が見る廊下には1人、少女が歩いていた。

 オレンジ色のツインテール、それを結ぶ2つの黄色いリボン、150cmを下回る低身長、オレンジのTシャツ、赤いタイツ。肩には(かばん)を掛けている。

 これらの特徴を持っている女の子──それは……。

「葛西モミジッ……!?」

 そう葛西モミジだ。

 彼女も熊九保同様にこの大学の生徒だ。

 モミジはどのサークルにも所属しない帰宅部だ。

 現在彼女は大学を出て家に帰ろうとしているのだ。

(モミジもこの大学に通っていたんだ──)

 モミジが自分と同じ大学に通っていることを熊九保は知った。

「熊九保、外を見て何があったのよ」

「いや、何もなかったよ」

 熊九保よ、モミジがいたじゃあないか。

「実は今日、おらの友達が来るんだよ。おらより年下だけど峠では速いんだべ」

 今日翔子が来る予定だと末永姉に話す。

 すると同時にエンジン音がゴーンゴーンと鳴り響く。

(来たべ……来たべ)

 翔子と智が来たようだ。


「熊九保さん、来たよ」

「お前が手紙で来てほしいと言ったので、そのとおり来たぞ」

 翔子、智の2人がサークルの部室に入ってきた。

「大崎ちゃん、智さん、熊九保さんの手紙のとおりに来たんだね!」

「大崎はん、いらっしゃい」

 小鳥遊と川畑は翔子と智にあいさつする。

「大崎さァァァんッ! よく来てくれましたァァァ!!」

 熊九保は翔子に抱きついてきた。

「離してよッ! 熊九保さァァんッ!」

 しかし、翔子は嫌がった。

 翔子が嫌がったので熊九保は翔子を離した。

「紹介しますッ! この炎の髪の毛をした娘が大崎翔子さんですッ!」

「始めまして、大崎翔子です……。年齢は16、好きなものは智姉さんと──愛車のワンエイティです」

「銀髪の女の人が智さんです」

「私の名前は斎藤智だ、元々走り屋だったが今は引退をしている。大崎の世話をしているぞ」

 2人は自己紹介を始める。

「大崎さん、智さん、あの2人は末永姉妹です」

「大崎ちゃん、始めまして、私は末永の姉よ」

「私は末永の妹です」

 末永姉妹も紹介する。

「大崎さんと智さんは自動車部の顧問です」

「えッ!? おれが自動車部の顧問なのォ!? そんなの聞いていないよッ! 聞いていないよッ! 聞いていないよォォォォォォ!!」

 熊九保は翔子と智を自動車の顧問に指名した。

 それには翔子はビックリする。

「智姉さんは仕事で大学には行けないし、おれは智姉さんがいなくなるとおかしくなるし──」

 智には仕事があり、

 翔子は智がいなくなると失神する──。

「大丈夫ですッ! 智さんが仕事だったら来なくていいですッ! 智さんが休みなら、智さんと一緒に来てくださいッ! たまにでもいいですから来てくださいッ!」

 サークルにはたまにでもいいから来てほしいと言う。

「智姉さんが行くなら行くけど、行かないなら行かないよ」

 智が休みなら行く。

 休みでも智が行かなかったら行かない。

「あと、大崎さんって熊九保が言うのに無免許なのに運転うまいって本当なの?」

「本当だよ。DUSTWAYとWHITE.U.FOのメンバーに勝ったけど、智姉さんと赤城最速には叶わないよ──」

 末永(姉)が翔子ってすごいのかって聞いてきた。

「大崎さんはすごいに決まってるよ。熊九保さんを追い抜いたから」

「それ、おらが言うはずだったのに──」

 末永(妹)に取られてしまった……。

「今度バトルするよね」

「そうだよ」

「今度の相手ってこの大学に通っている人でしょ。オレンジ色のアルテッツァに乗っている女の子なのよね」

 今度翔子がバトルすることを末永姉は知っていた。

 それは熊九保から聞いた話だ。

「オレンジ色のアルテッツァって葛西モミジ?」

「そうよッ! 大崎さんは葛西モミジと戦うのよッ!」

 対戦相手も葛西モミジということも知っている。

「あ、今日見たべ。葛西モミジを見たべッ! 末永さん、おらが部室の外を見たとき、葛西モミジを見たべッ!」

 葛西モミジの姿を見たことについて熊九保は言う。

「熊九保、葛西モミジを見たのォ!?」

「そうべ、帰宅しようとする葛西モミジをおらは見ただッ!」

「葛西モミジって熊九保さんと同じ大学に通っているのォ? おれ、初めて知ったよッ!」

「知らないんですか? 葛西モミジはこの大学に通っていて、しかも成績がいいんですッ!」

 モミジは成績が優秀な生徒だ。

 1年生でトップクラスを誇る。

「成績の良さから分かるように今日教えたとおりに、葛西モミジは頭脳戦が得意って分かるだろう」

「モミジは頭脳戦が得意で、下手するば負けますよ」

 改めて言うが葛西モミジは頭脳戦が得意だ。

 相手を良く分析し、翔子を倒すために<低速ドリフト>を生み出した。

「しばらく葛西モミジの話になってしまったが、今日から大崎とともに自動車部の顧問を務める。私が仕事を休んだら来るが、仕事があったら来ないぞ」

「くにちゃん、智さんが来ることを楽しみにしてるよッ!」

「休みには来てくれやッ!」

 仕事が休みなら、智と翔子は来るつもりだ。

 こうして、翔子と智は大学の自動車部の顧問に就任したのだった。

 やっぱネタ切れは怖い……。

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