ACT.45 ボクと勝負してください
バトル終了後、熊九保はまだ帰らず、頂上にいた。
まだティアナの上に乗っていて、
「F*ck You!! F*ck you!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!! F*ck You!!」
と言いながら、ティアナの屋根をドンドンと叩く。
「バトル終わったよ、熊九保さん」
「もう終わったで」
熊九保が屋根に乗るティアナの近くに小鳥遊と川畑が来る。
来てすぐ、
「ティアナなんて糞だよッ! こんなものに乗ってどれが楽しいィ!? ローレルやスカイラインに乗ったほうが楽しいよッ!」
「FFッ! スポーツ性の無さッ! 地味ッ! こんな車のどこがいいんやッ!? ティアナ嫌いッ!」
と前のティアナを馬鹿にし始めた。
さらにッ!
「川畑はん、くにちゃんのデジカメ貸すから、それを撮ってッ!」
短パンのポケットから自分のデジタルカメラを取り出してそれを川畑に渡す。
「川畑はん、写真撮ってッ!」
「はーいッ!」
小鳥遊はデジカメを持つ川畑に声を掛ける。
「行くでェーッ! 3,2,1──」
川畑は写真を取ろうとする。
だがッ!
「さて、帰ろう。うッ!」
ティアナ乗りと思われる青年が来るッ!
自分の車の上に3人の女が乗っていることに驚愕するッ!
「これ、自分の車なんですけど……。」
「いや、T○itterに写真をアップしたいだけなんですよォ──」
熊九保はちょっと冗談を言う。
(ヤバいで──。人が来たで──)
(帰らないと……)
(そうだべ──)
小鳥遊と熊九保は車から降り、
川畑と一緒にそのままティアナから立ち去る。
3人は、裸のままティアナに乗る写真を撮り終ったら、それをネットにアップしようと考えていたが、撮影が中止により、失敗に終わった。
翌日、4月26日から4月27日になった朝の赤城山。
エネルギー研究所前の駐車場には翔子と智、180SXとR35がいる。
「昨日の話をしようか。昨日のDUSTWAY対アース・ウインド・ファイヤーの対決はどうだったか?」
「面白かったです。葛西サクラの妹も、とっても速いですね。姉のDNAを受け継いでいるかもしれません」
昨日のバトルについて、2人は話していた。
「そうだろ。私も面白かったぞ。あいつらは走り屋をやってまだ2ヶ月なのに運転が上手なんだ」
「まだ2ヶ月なのに上手いんですか?(おれはまだ無免許なのに運転がうまいけど)」
「彼女たちもサクラや雨原同様に、母親から基本を教わっている。他にも車と免許を持つ前にバトルへギャラリーしてきて、走りの勉強をしたらしい」
それだけではない。
モミジは現役大学生であり、頭脳は良くて、成績は学年のトップクラスだ。その頭脳を使った駆け引きが得意だ。相手の分析をすることも得意で、翔子も必殺技<高速ドリフト>の反対にした<低速ドリフト>を生み出した。
ヒマワリのほうは姉同様にカートをやっていたらしく、それから得たミッドシップのドライブテクニックは一流だ。谷村戦では荷重移動を上手く利用したドリフトを披露した。
サクラの2人の妹もとても凄腕の走り屋だ。
「あと、バトル終了後、葛西モミジがバトルを申し込んで来たのですが──モミジって<低速ドリフト>を使いますね? おれの<高速ドリフト>を研究して作ったと言われています」
バトル終了後にモミジがバトルを申し込んで来たことについて話す。
モミジが翔子の必殺技を研究して作った必殺技<低速ドリフト>について気になるようだ。
「モミジの<低速ドリフト>はお前の<高速ドリフト>と違って、ブロック用の技だ。低速だから、攻撃には使えない」
<高速ドリフト>は攻撃用で、
<低速ドリフト>は防御用だ。
「モミジの<低速ドリフト>は堀内を倒した。結構強力な技だ。あっちは低速と言っても下手したらこっちの高速が負けるかもしれない。モミジにはもう1つ得意技がある。それは<オーバーロード>だ」
「あれは──インで抜くと相手のバランスを崩す技ですね。この技は強力すぎますッ!」
「そうだ。140以上のスピードでコーナーを攻め、相手を追い抜くときはインで抜くと相手のバランスが崩れる。バランスを立て直すことができるのは彼女の姉と雨原以外にいない」
こんなに強力な技だった。モミジの<オーバーロード>は智が語るのに強力な技らしい。
これの攻略法を知っているのは2人の姉と雨原のみ。
同じ頃、葛西三姉妹とその母親の家
パジャマ代わりに裸でいるウメとサクラだが、今回はすでに服を着ているようだ。
家族全員、リビングに来る。朝ご飯はすでに作られていた。
4人が一斉にテーブルに座る。
「バトルに勝ててよかったね。モミジ」
「DUSTWAYは全勝、負けたアース・ウインド・ファイヤーはその後どっか行っちゃったよ」
モミジは昨日のバトルで勝ったことを伝える。
「お母さん──実は」
「何、モミジ?」
「バトルが終わった後、大崎翔子にバトルを申し込んだんだ。日は次の日曜日、時間は夜10時に赤城山に来てほしいと伝えたんだ」
こん翔子にバトルを申し込むことも言った。
「──バトルか……いいじゃあないか……オレはするなと言わない──。しても構わないぞ……。ただし相手はオレを1回黒星を付けた強敵だ──」
「分かってるよ──相手は分析してるから」
姉を倒した強敵と分かっていても、モミジは挑む気だ。
「モミジッ! 今週のバトル、勝ってくれよッ!」
「勝つよヒマワリ。必ずサクラ姉ちゃんの仇をボクが取るからッ!」
バトルは日曜日に行われる。
冒頭の熊九保さんのシーンなんですが、これは前話で入れ忘れたシーンです。
ちなみに今日10月2日……ずぶん、魔虎魔術18歳の誕生日ですッ!
いやァあっと言う間で18を迎えるとは──人生って速いものです。




