ACT.プロローグ 大崎翔子16歳。無免許の走り屋
※注意!
この作品はフィクションです。
作品登場する出来事や人物は実際に存在しません。
後、車を運転する時はシートベルトをしっかり締めて、安全運転でお願いします。
──公道ォ……それはレーサーたちにとって、第2(だいに)のサーキットだ。公道のレーサーこと走り屋は公道である高速道路や峠ェ、港などでレースをしていた。
けどォ、公道は普通の人も走る道。公道で走ることはサーキットとは違って違法でェ、警察に捕まる人が続出したァ……。
しかしィ! 2000年、交通の発達により、日本中のほとんどの峠が廃道になる。このことをきっかけに走り屋たちが峠に大勢集まってくるッ! その一つの峠、群馬県赤城山で走り屋たちはドリフトしていたァァァッ!
2015年3月7日 午後10時、ここは赤城山━━。
赤城山は群馬県にある山で、日本百名山、日本百景に登録されている。
同県の妙義山、榛名山と共に「上毛三山」と呼ばれている。
この山の道は普段は穏やかだが、よるになると変わるッ!
1台の青い車が赤城山の下りを攻める。赤城山下り最終コーナーの5連続ヘアピンに突入する。
車種はFD3S型RX-7で、ボディー全体に白いストライブパイナルが貼ってある。エアロはRマジック製のボディキットで、ウィングは外されている。ヘッドライトはノーマルのリトラクタブルのままだが、カバーはカーボンになっている。
運転をしているのは長身で茶髪のロングヘア。スタイル抜群、20代なのに高校生に間違えてしまうほどの美貌の女性だ。
彼女の服装は青いジャケットに灰色のTシャツ、黒いスカートに100デニール以上ある茶色のタイツを履いている。
雨原の愛棒、FD3S型RX-7こと「FD」は初代RX-7から数えると3代目に当たり、この代からサバンナRX-7という名前からアンフィニRX-7、のちにマツダRX-7と名前が変わった。また、開閉式のヘッドライトことリトラクタブルヘッドライトを採用した日本車ではこの車が最後だ。
この青いFD3Sは最終型で、グレードは生産終了記念に数千台の限定発売された、特別仕様車のスピリットRタイプAだ。
生産終了から10年が経過しているものの、まだまだ人気が高い。
(ブオブオ、ブオオオオオンッ!)
5連続ヘアピンに青いFDは入った。
5連続ヘアピンの道路に、ラリーを観戦しているみたいにガードレールからはみ出してバトルをギャラリーが数人もいる。ここにいると危なそうだが……。
「雨原芽来也さんのFDが来るぞォ! 道を開けろッ!」
FDを運転している女性の名は雨原芽来也という。変わった名前だが、本名ではない。
エンジン音を聞いて、車が来ることを知り、ギャラリー達はガードレールを乗り超えて、道の側に戻る。
「行くぜェ!」
雨原のFDが、5連続コーナーの1つ目に攻めだすッ!
入る準備として車をスライドさせる!
(ブオブオ、ブォオオオオオオオオンッ!)
「すごいィッ! FDのドリフトってこんなにすごいんだァッ!」
FDのドリフトにギャラリーたちは大興奮しているッ!
テンションはすでにトップギアだッ!
えっ? ドリフトを知らないィィィ!?
じゃあ説明しよう、ドリフトとは車を横に滑らせて曲がる(スライドさせる)ことだ。英単語の"drift(漂う)"からきている。
本来は自動車ラリーなどの競技でカーブをカーブを曲がる際にできるだけスピードを落とさずに自動車の向きをすばやく変える事が目的の技法だったが、しだいにこれ自体を目的として楽しむ人が増えてきた。
一部ではプロ化され、ますます盛り上がっている。
「つぎも行くぜッ!」
(ヒュウウウウウンッ!)
次々と迫ってくるコーナーを雨原は攻めていく……。
2つ目、3つ目、4つ目ッ!
「うわあァ……すごいィィ……はあァ……ッ!」
5つ目も攻める!
雨原のドリフトの凄さに、失神して倒れる人が出てしまった。
「うますぎる……ッ! 進入角度、スピード、バッチリとできている……」
彼女のドリフトは完璧すぎる。
進入の角度も、スピードも良いからこんなドリフトが得意なんだ。
5連続コーナーを終え、麓の駐車場に着く。
「──どうだったか……雨原さん」
雨原がFDから降りると、黒いJZA80型スープラ乗りのの女性に話しかけてくる。
彼女は漆黒に染まる長い髪を青い布で一本にストレートに結んでいる。瞳は海のように青い。前髪が長く、顔の右半分は隠れているほどだ。そのせいで顔のほとんどは見えないが、顔つきは整っていて色白であり、黒髪と色白く整った顔から和風美人と言える容姿の美しさを誇る。
服装はTRD(トヨタ・レーシング・ディベロップメントの略、トヨタテクノクラフトのレーシングカー開発部門)のロゴが描かれた黒いTシャツに青いショートパンツ、120デニールほどの黒いタイツを履いている。
JZA80型スープラはトヨタの名車・スープラの2代目に当たり、海外でスープラと呼ばれていたセリカXXと合わせれば4代目に当たる。デザインは流面型のナローボディから肉体派でマッチョなデザインに変わり、イメージが一新した。また、日本車として初めて6速マニュアルミッションを搭載している。
搭載されている2JZ-GTEはチューン次第で1000馬力を越えるハイパワーエンジンだ。
黒髪ロングヘアの女性のJZA80は、マイナーチェンジでVVT-i(可変バルブ機構)を搭載し、トルクを向上させた1997年式だ。
ホイールはレイズのグラムライツ57Cのシルバーを装備、外装パーツはほとんどヴェイルサイド製だ。
「本当はもっとやりてえェッ! ギャラリーをこんなに喜ぶ顔を見ればすごくやりたくなるもんだなッ! もっと楽しみたいぜッ!」
走行後でも雨原の熱さは冷めない。本当はもっとやりたいらしい。
しかし、走行会はここまでだ。
「やっぱ雨原さんのFDのドリフトは最高だッ!」
「もっとやってくれッ!」
「また見たくなったぜッ!」
「私、女の子だけど━━雨原と結婚したいッ!」
雨原のドリフトに対するギャラリーの熱い興奮は最後まで燃え尽きなかった。
「━━オレたちは赤城山最速のチーム、DUSTWAYのメンバーだ……。誰も先に道を行かせない」
JZA80乗りの黒髪は女性だが、一人称は男が使う「オレ」だ。
「あたしもそうだ。あたしは赤城最速、誰もあたしより先に行かせねーぜッ! あたしは17の無免の時から愛車FDと共に赤城山を攻め、19で最速になったんだッ! 最速の走り屋になって2年、その間は1人も先に走らせたことがないぜッ!」
男っぽい一人称のサクラとは逆で、雨原の一人称は女性が使う「あたし」だ。
この雨原は赤城山最速の走り屋で、19歳の若さからこの称号を得ている。
雨原が走り屋を始めたのは法律上免許が取ることができない17歳からで、この時から愛車はFDだ。
雨原は最速になって2年間負けたことはない。
雨原の夜は熱く熱くなり続けるうちに幕を下ろした。
ここまでが物語のプロローグだ……。
最速の物語のエンジンがスタートするのはここからだ。
今日の日付はは3月14日……今の時間は15時30分。
静かなる山道……ここは群馬県の赤城山。7日のような熱狂は消えている。
赤城山の道に1台、赤いトヨタ86が止まっていた。
この車に運転しているのは1人の青年だ。
「来たぞ、後ろから1台が来たッ!」
青年はバックミラーを見る。
後ろに写ったのは上から赤、白、黒の3色ツートンの派手なカラーリングをしている流面形の形のスポーツカーで、その車は後ろにC-WES製TのGTウイング(レースカーのようなリアウイング)を付けている。その車のメーカーは日産製だ。
ボディ全体にD-MAX製エアロを付け、 ヘッドライトはリトラクタラブルから固定式の平たいヘッドライトに交換され、テールランプはORIGIN製に交換されていたあ。ホイールはYOKOHAMA製の5スポーク、アドバンレーシングのゴールドを履いている。
エンジン音はスカイラインGT-Rに搭載されているエンジン、RB26DETTの音をしていた。RB26DETTを搭載されている車はスカイラインGT-Rとステージア260RSだけだが、その車にRB26を積んでいることはエンジンを喚装しているかもしれない。
その86を追いかけている車とは──そう、日産180SXという車だ。 180SXはS13型(5代目)日産シルビアの兄弟車として1989(平成元)年発売されたスポーツクーペで、そのS13型シルビアのハッチバック版でもある。北米では「初代(S30型)フェアレディZの再来」と言われてヒットし、当初は日本国外輸出向けの車だったが、日本でも販売されて兄弟車のシルビアと共に大ヒットした。シルビアがS14にフルモデルチェンジした(180SXの型式はS13のまま)後も販売され、シルビア2代分を生きた名車となった。
1998(平成10)年には生産を終えたが、生産終了から15年以上迎えた後も現在数少ないFRの小型車ということで、主にドリフト楽しむ人からとても人気が高い。
1代のみで終わった車だが、年を重ねるごとに改良されていき、2回も顔面整形を行った。今走って いる180SXは2回目の顔面整形をしたモデル(後期型)だ。
「SX」の部分を抜いて180(ワンエイティ)と呼ばれていることが多い。
「来いよッ! 俺の実力で勝負してやるッ!」
ワンエイティが青年が運転する赤い86のすぐ後ろに来ると、
青年の86はすぐ走り始めた。
「ん? 後ろのワンエイティに乗っている奴……。こんな奴が運転していいのかよッ!
後ろにいるワンエイティを見て、青年は笑いはじめる。
なぜワンエイティを見て笑ってるって━━それはワンエイティではなく、ワンエイティの中身にいるドライバーで笑ってるからだ。
ワンエイティのドライバーは、普通なら運転できないはずの11~12歳ぐらいの幼い少女が運転していた。アニメとかゲームとに出てくる二次元キャラで言えばロリと言える。
146cmぐらいの低身長に、子供っぽくて可愛らしい童顔、目は穏やかで可愛らしいたれ目に灰色の瞳、髪型は腰まで伸びる長い赤髪を緑のリボンでハーフアップ(ポニーテールとストレートロングを合わせた髪型 )に結んでいる、瞳の色はグレー、体型は小さい体でありながら胸は大きい。服装は「疾風」という白い文字が書かれた赤いTシャツ、白いショートパンツに、黒いタイツ、黒のスポーツシューズを履いている。
「この子供相手なら絶対勝てるぜッ! 走り屋に子供なんていない、子供の走り屋なんておかしーだろッ!」
青年はワンエイティのドライバーを見て、笑いながら5連続ヘアピンに突入する。
このコーナーは赤城山ダウンヒル最後のコーナーだ。
「よし、行くぜッ! 俺について来いよガキッ! ついてこれないと思うけどなッ!」
86は1つ目のヘアピンを攻めるッ!
ワンエイティのドライバーに対してついて来れないだろと馬鹿にする。
しかし、
「何だァ? ガキのワンエイティが俺を睨みつけてきたッ!」
子供が運転するワンエイティは5連続コーナーの1つ目を攻め、青年が乗る86を狙う。
ワンエイティは青年の86についてこれたのだッ!
「子供なのについてこれるって有り得ねーよッ!」
自分に着いて来るワンエイティのを見て、青年は驚く。
あのワンエイティ乗り、子供なのにすごいッ!
「する気はないけど、追い抜くよッ!」
ワンエイティ乗りの少女は幼い体とは思えないほど、鬼のように鋭いテクニックで青年の86を追い詰めるッ!
「やば。いッ! 子供相手に抜かれるッ!」
ワンエイティに睨みつけられた青年は追いつめられるッ!
「イケイケイケイケッ! 140km/hの高速ドリフトォォォ!」
5連続ヘアピンの3つ目、ここでワンエイティの少女は高速ドリフトで攻めるッ!
高速ドリフト──ワンエイティに乗っている少女の必殺技の1つ。 名前の通り、車を高速(130km/H以上)でスライドさせてコーナーを攻める技だ。 高速ドリフトしているワンエイティの速度は彼女の叫ぶスピードで決める。今回は140km/hだ。
「クソッ! 供相手に抜かれるとは……ッ!」
少女のワンエイティは86を追い抜いたッ!
すごい……ッ!
子供なのにすごいッ!
「ドライバーの見た目でおれに勝てると思っているなんて……ウェヒヒ、10年早いよ」
幼い見た目とは裏腹にかなりのテクニックだ。
彼女がどうやってそんなテクを身につけられたのかは分からない。
ちなみに彼女の一人称は、女性だが「おれ」さ──。
青年が乗る86を追い抜いたワンエイティに乗る赤髪の少女の名は大崎翔子。幼い見た目だが、年齢は高校生ぐらいの16歳だ。
と言っても、それでも免許が取れる年齢には達してはいないが、年齢にも関わらず運転はすごかった。大人が乗る86をコーナーで追い抜いたんだ。
そしてドリフトも見せてくれた。この年齢ながらドリフトも披露するなんてすごいことだ。
この物語は無免許で幼い少女・大崎翔子がワンエイティと共に最速の走り屋を目指す、最速の物語だ──。
午後16時、翔子は家に着いた。
この家の 札には斎藤と書いている、斎藤とは誰だろう──。
家に着いた翔子はここの中に入った。
「智姉さんただいまです」
「おかえり、赤城山のドライブは楽しかったか大崎」
智姉さんという名の16歳の少女、フルネームは斎藤智だ。
16歳と言っているが、これは外見年齢だ。正確な年齢は不明で、少女より女性と言ったほうがいいだろう。
翔子同様に顔は童顔で、目はたれ目で瞳の色は湖のようなブルー。髪は上下にボリュームを取り中央に分けた長い前髪が特徴な鴬色のストレートのロングヘアだ。それに灰色のカチューシャをしている。瞳の色はブルーだ。
服装は黒色のセーターに茶色のスカート、黒のタイツを履いている。
「楽しかったですよ~♪」
それを言いながら翔子は智に抱きつく。
翔子と智は同じ女性だが、実は恋人同士で同性カップルだ。
翔子は抱きつくほど智のことが好きなようだ。 この関係は2年前から続いている。
プロローグを作りました。