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ACT.44 後攻を選んだ緑の太陽の花(ヒマワリ)

 2回戦もモミジとDUSTWAYの勝利に終わる。


 ゴールしたモミジは姉とメンバーのいる駐車場へ着く。

 着くと同時に車から降りる。

「2連勝やったなッ!」

 ヒマワリはモミジの勝利を祝福する。

「──モミジ……2連勝おめでとう……」

 サクラも祝った。

「祝ってくれてありがとう。あと、サクラ姉ちゃんとヒマワリに言うけど、ふもとに大崎翔子がいたよ。斎藤智もいたよ……」

 ふもとに翔子と智がギャラリーしていたことをモミジは言う。

「それは本当かッ! 大崎がいるって本当なのか、モミジィッ!」

 本当なのかってヒマワリは聞く。

「本当かもしれないよ──小さな身体、赤くて長い髪、灰色の瞳、緑のリボン、「疾風」と書かれたTシャツ、白いホットパンツ、そして黒のタイツ──あれは大崎だよ、サクラ姉ちゃんに勝ったワンエイティもあった……。これは本当だよ、ボクはそれを見たんだ」

 赤い髪、小さな身体、黒タイツといった特徴から翔子じゃあないかと言う。

 モミジは言っていることは本当だ。

 本当に翔子は来てるんだ。

 

 同じく頂上、

 第2戦後のスタート地点。

「もうあたし1人しかいない。雨原ァッ! 次もモミジで行くんかァ?」

 これでアース・ウインド・ファイヤー側は後1人、谷村しかいない。

 対するDUSTWAY側は2戦連続モミジを使った。

 次もモミジを使うのかァ?

「次はモミジでいかない」

「じゃあ誰で行くゥゥ!?」

 次もモミジで行かないと雨原は言った。

「次は──モミジの双子の姉、ヒマワリで行く」

「ヒマワリで行くのか──あのスピンしやすい車に乗っている奴か」

 次のバトルではヒマワリで行くと雨原は言う。

 ヒマワリはモミジの双子の姉だ。

 3姉妹で唯一FRを操っていない。

 ミッドシップはとても滑りやすく、初心者に扱いづらい。

 この点からヒマワリの愛車・SW20型MR2を谷村は馬鹿にする。


 一方、ふもとの翔子は──。 

「葛西モミジはおれのことを見てきましたッ……! どうしましょう、智姉さん

ッ!」

「あいつは姉のサクラがお前に負けたことが気に入らず、仇を取ろうと考えている」

 葛西三姉妹が知らないうちにに、モミジに(にら)まれたことについて翔子たちは話す。

 モミジが睨みつけたのは姉の仇打ちをしてやると言っているんだと智は説明する。

 果たして、智の説明は当たっているのだろうか……。


 再び頂上──。

 スタート地点には谷村の86(右)とヒマワリのSW20(左)が並んでいる。

「予告するよ、あたしはお前を倒してやるよッ! あんたなんてスピンして負けるよッ! SW20はとってもスピンしやすい車、あのドリキンでも操縦できなかった車なんだよッ!」

「イラつく説明だぜェッ! ドリキンが操縦できなかったのは初期型の話だろォッ! オレのSW20は98年式の最終型だァッ! 足まわりはちゃんと熟成されているぜェッ!」

 SW20といえばスピンしやすいことで有名だ。

 SW20は重量バランスが悪く、足まわりは貧弱で、LSDがなく、走り始めたらスピンをしてしまい、あのドリキンさえ簡単に操縦できなかった。危険な車だった。

 これは初期型の話で、ヒマワリが乗っているのは最終型98年式。初期型から10年近く経過して、初期型より足まわりは遙かに良くなっており、初期型のスピンしやすさはほとんど消え、ピュアスポーツカーらしい走りに仕上がっている。最終型はリアウイングが変わったことによりリア剛性が強化された。

「もう一回言っておくぜッ! オレのSW20は最終型だッ! 絶対にスピンさせたりしないッ!」

「スピンさせないッ!? スピンさせないならスピンさせずに走って見ろよ、近くで見守ってやるぜ」

 スピンさせずに走って見ろよと谷村は挑発する。

 ヒマワリのSW20は最終型。初期型と違い滑りにくくなっている。

 ヒマワリのSW20はスピンせずに走りきるのだろうか?

 雨原がヒマワリのSW20の前に来る。

「カウントはあたしがやるぜ」

 このバトルは雨原がカウントを行うと言う。

 雨原がスタートラインに立って、カウントダウンを始める。

「カウント行くぜェーッ! 10ッ! 9ッ! 8ッ! 7ッ! 6ッ! 5ッ! 4ッ! 3ッ! 2ッ! 1ッ! GOッ!」

 雨原がカウントを終えると2台は一生にスタートする。

 先に出たのは黒の86、谷村だ。

 蛍光色の緑色をしたSW20に乗るヒマワリは後を走る。

 谷村の86は最高出力250馬力、トルク25kg・m、車重は1220kg、エンジンは水平対向4気筒自然吸気のFA20、駆動方式はFR。

 ヒマワリのSW20は最高出力350馬力、トルク41kg・m、車重1200kg、エンジンは直列4気筒シングルターボの3S-GTE、駆動方式はMRだ。

 これらの駆動方式を含む性能からヒマワリSW20が有利だが、なぜかヒマワリは後攻になってしまった。

「──ヒマワリはわざと後ろに入って相手の様子を見る気か……」

 相手の様子を探りながら走るためにヒマワリは後攻を取ったとサクラは見る。

「ヒマワリは、先行で勝つだけじゃあつまらないから、あの技を使うために後攻を走ったかも知れないよ」

「──モミジの言うことも……後攻を取った理由になるな──」

 モミジは「先行で勝ったらつまらないと思ったから、技を使うために後攻とった」と説く。

 この理由としたら、ヒマワリはどんな技を披露するのか、我々も気になる。

 現在2台は直線に入っている。後ろのヒマワリは現在追い抜こうと考えている気配はしない。


 バトル中の2台は最初のヘアピンに入る。

 ここを2台はドリフト走行で抜ける。

 次のコーナーは2台ともグリップ走行で通過した。

 ついにアース・ウイングfファイヤーはあと1人になりました。

 葛西三姉妹の次女・葛西ヒマワリのSW20対アース・ウィンド・ファイヤーのリーダー・谷村のZN6ッ!

 勝つのはどっちでしょう?

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