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ACT.43 オーバーロード

 頂上。

 サクラとヒマワリが妹のバトルのことで話をしていた。

「サクラ姉ちゃん──モミジが矢沢に離されてるよ……」

 モミジが矢沢に離されてる所を見て、ヒマワリは不満を感じる。

「──相手はモミジの(アルテッツァ)を馬鹿にしていたな……。けど、相手は自分の車の欠点と相手の車の長所を分かっていない……オレはそう考えている──あいつは知らないのか? ISがアルテッツァより良くても、欠点があると……」 」

 アルテッツァを馬鹿にするアース・ウインド・ファイヤーを見て、あいつは車のことを分かっていないとサクラは考える。


 サクラゾーン──。

 矢沢のISがここに入る。

「矢沢のISが入ってきたッ! 後ろにモミジがいないぞッ!」

「やっぱ新しいほうが速いのかなァ」

 矢沢の後ろにはモミジがいなかった。

「モミジが来たぞッ!」

 モミジがサクラゾーンに来る。

 ここは姉が得意としていたコーナーだ。

「アルテッツァは軽いから曲線が速いッ! 」

 軽いアルテッツァのほうが曲線が早く、ISとの距離をやや縮めていく。

 しかし、その成果は次のゾーンで消えることになる。

 サクラゾーンは終わり、次は第2高速セクションに入る。

「ヤバいィィッ! モミジが離されるゥゥッ!」

 パワーの高いISがアルテッツァを離していくッ!

「葛西モミジ、これ以上離せば私は勝つわ」

 と距離を離せば勝つと思って、ISパワーでモミジのアルテッツァとの差を広げていく。

 第2高速セクションが終わるとコーナーに入る。

「コーナーで距離を縮めても、ISが勝つわッ!」

 と矢沢は、もしコーナーで縮められても、次の直線で離せると余裕の表情を見せる。

 モミジも遅れてコーナーに入る。

「食いついてやるよッ!」

 アルテッツァはタイヤを鳴らしながら、ドリフトを決めて、抜ける。

 このコーナリングをしているアルテッツァのスピードは速く、矢沢のISよりすごく速いものだった。

「ここで離せば、私の後ろにいなくなるッ! もう勝ったわッ!」

 矢沢はもう勝利を確信した。

 がッ!

 後ろに──。

「ゲッ! モミジのアルテッツァッ! こんな所にィ!?」

 気づけばモミジアルテッツァがいた。

 そのアルテッツァはスリップストリームでパワーのあるISの背中に着いていく。

「君は先行を走ることの責任に負けている。2つ目は相手を分かっていない、ボクは相手のことを分かって走っているよ。3つ目は車の真の長所と短所を知らない──」

「ヤバいわッ! 離したくても離せないわァァ!」

 モミジは見抜く。

 矢沢には内心に先行を走ることのプレッシャーがあることを見抜く。

「コーナー予言をしよう。次のコーナーを時速100km/hでアウトにグリップ走行で入るッ!」

 姉のサクラが翔子戦で出した技「コーナー予言」をモミジは使う。

 これはその通りになり、次のコーナーで矢沢のISは時速100km/hでグリップ走行をしながらアウトに寄る。

「アルテッツァの真の長所はFRセダンなのに車体が小さいことだッ! これを利用した追い抜きを見せてやるッ!」

 と言い、追い抜きの姿勢に入る。

「ボクの必殺技ッ! 「オーバーロード」ッ! ジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストジャストミィィィィィィィトォォォォォ!!」

 モミジの技「オーバーロード」が炸裂するッ!

 

 オーバーロードとはモミジの必殺技で、時速140km/h以上のドリフト走行かグリップ走行でコーナーを攻める技だ。

 相手をインで抜くと、その抜かれた相手はバランスを崩す。


 モミジはその「オーバーロード」で矢沢を追い抜く。

 追い抜かれた矢沢は「オーバーロード」でインに抜かれたのでバランスを崩す。


 頂上。

「こちら高速セクション後の連続コーナー。アルテッツァがISを抜きましたッ!」

「モミジが抜いたァ……!?」

 頂上にモミジが追い抜いたことを報告される。

「やったぜッ! もうすぐ勝てるぜッ!」

 これに雨原は大きく喜んだ。 

「キィィィィ!! 矢沢が負けたあとはあたし1人ィィィ!?」

 一方で谷村は悔しがった。


「サクラ姉ちゃん、モミジが追い抜いたよッ! イィーネッ!」

 モミジが追い抜いたことにヒマワリは喜ぶ。

「──オレの思った通りになった……モミジは自分と相手の車を分かってたからな──」

 モミジの追い抜いたことはサクラの思った通りらしい。

 モミジの勝因は車を分かってたからだ。

 

 視点を戻そう。 

 矢沢を追い抜いたモミジは差をどんどん離していく──。

 追い抜かれた矢沢はフラフラとバランスを崩しながら直線を走る。

「くそだわァァァッ!」

 そして次のコーナー。

 バランスを崩しながら走る矢沢はスピンをした。


 一方のモミジは連続コーナーを終え、ヒルクライム最終コーナーのヘアピンを抜けて、長い長い直線を通り抜けてゴールしたッ!

 この新型が有利だと思われた新旧レクサスIS対決は旧型を操るモミジの勝利に終わった。


 この勝利にDUSTWAY側から喜びの声が上がる。

「やったぜェーッ! あと1人倒せばDUSTWAYの勝ちだッー! イィーネッ!」

 妹の勝利にヒマワリは大きく喜ぶ。


 頂上になにか報告が来る。

「こちら高速セクション後の連続コーナー、矢沢がスピンしたそうです」

 矢沢がスピンしたことが報告される。

「くっ、もうあたし1人か──」

 アース・ウインド・ファイヤー側は谷村1人しかいない──。

 モミジの技「オーバーロード」を強くしすぎたなァ……。

 まあ、いいか


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