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ACT.40 いよいよ当日ッ!

 そして4月26日──。新たな週の月曜日となった。

 人も、家も、車も、空も目覚め出す朝6時。

 智の家のリビングで朝ご飯を食べながら智と翔子が何か話している。

「大崎、今日は何の日だと思う?」

 智は翔子に今日は何の日なのか聞く。

「なんの日ですかって……聞きますよ、今日の夜はDUSTWAYとアース・ウィンド・ファイヤーがバトルする日ですッ!」

「その通りだ。今日はDUSTWAYとアース・ウィンド・ファイヤーがバトルする日だ。時間は夜10時に行われる」

 そう、今日は夜10時に赤城山でDUSTWAYとアース・ウインド・ファイヤーが行われる。翔子はそれを答えて当てた。

「今夜、私と一緒に行かないか?」

 その今夜行われるバトルに、行かないかと智は誘う。

「行きますッ! 智姉さんが誘うなら今夜行きますッ! おれはそのバトルを楽しみにしておりますッ!」

 さすがに智のことがすごく好きな翔子は、その誘いに乗って「バトルに行く」と言う。

「言うと思ったぞ。じゃあ、今夜の9時に家を出るぞ」

 決まり、今日の9時には出発開始だ。


 そして夜9時──出発の時間が来る。

 翔子と智は外に出ていた。

「じゃあ、行くぞ。お前の車で赤城に行く。お前は無免許だから赤城以外の道路を運転すると、K察(ケーサツ)に捕まるぞ」

 赤城に行くための車は翔子のワンエイティだ。

「赤城(廃道なので許される)以外を走ると無免許運転でK察に捕まる」という理由で翔子ではなく智が運転する。

「あと大崎、お前が助手席にいると目立ってしまう。目立たないように後部座席に載せよう」

 翔子が助手席にいると目立ってしまうので、後部座席に座らせると言って智は翔子をお姫様だっこで持ち上げる。

「うわァ、わッ! けど、お姫様だっこは気持ちいいですゥ……」

 突然、身体を持ち上げられたことに翔子は驚くものの、

 お姫様だっこは気持ちいいと言う。

 智は翔子を持ち上げながらワンエイティの後部ドアを開け、その中に翔子を丁寧に入れる。

 入れた後、智は運転席へと座る。

「じゃあ出発だ」

 智が運転するワンエイティは家を出て、出発を開始する。

 家を後にしたワンエイティは赤城山へと向かった。


 赤城山の頂上……。

 ここにはRB20三人衆がいた。

 3人の愛車、C33ローレル、HCR32スカイラインセダン、A31セフィーロもある。

「もう開始まで1時間だ……。もう待ちきれないべッ!」

「くにちゃん、バトルが楽しみッ! 楽しみすぎてオシッコがでそうッ!」

 熊九保、川畑、小鳥遊の3人はずっと前から赤城山に来ていた。

 彼女たちは今日のバトルをワクワクと楽しみにしている。

「ギャラリーの人数は大崎はんのバトルより多いかもしれんな……」

「そうだね。くにちゃんも多いと感じるよ」

 ギャラリーの数はとても多い。

 うじゃうじゃ、うじゃうじゃと赤城山が埋まるほどたくさんいる。

「ん……?」

 なぜか熊九保は駐車場のほうを見る。

「駐車場になんかいんべ──ティアナッ!? おらはティアナは嫌いだッ! ティアナはクズだッ!」

 駐車場にいたのは──熊九保の嫌いな車、日産ティアナだ。

 この赤城山に止まっているティアナのモデルは初代で、色はサファイアのような藍色をしている。

「おらはここは離れるだんべ、駐車場に行くべ」

 駐車場に行くと言って熊九保は川畑と小鳥遊と離れる。

 理由は言っていないが、駐車場にいるティアナに文句を言うためにここを離れるのだ。

「おいッ! ティアナッ! 前輪駆動のくせに「ローレルの後継車」と名乗るのをやめてくいちょッ! この「ローレルの後継車」という称号はV35型スカイラインセダンにあるんだべッ! カスタム人気も、走り屋人気もないティアナには「ローレル後継」を言う資格はないべェッ!」

 駐車場に止まっているティアナに「ローレルの後継車と名乗る資格」はないと説教をした。

 さらに、

「スポーティーじゃないし、前輪駆動のティアナにはこんな罰を与えるべッ!」

 罰を与えると言い出す。

 どんな罰なんだろう?

 熊九保はバンパーに足を置き、もう片方の足もバンパーに置いて車を登り始める。

「おらは厨二病だッ! おらは厨二病だからティアナを荒らして来るべッ!  こないだ車の上に乗って逮捕された人がいたんだけんちょ、これみてーにしてやるべッ!」

 自ら“厨二病”を称してティアナの屋根に登ったッ!

 熊九保は何をしたいのだろうか?

「あんたがッ! 後輪駆動にッ! なるまでッ! 降りるのッ! やめないィィィィ!!

 某人気漫画みたいなセリフを吐き、ティアナから降りる気なんて全然ない。

「前輪駆動」「前輪駆動のくせにローレルの後継車」「スポーティーじゃない」「おばさん臭い」というのが無くなったら降りてやると言う。


 ふもと。智が運転するワンエイティがやってきた。

「おお!! ワンエイティが来たぞッ!」

「かっけーな……連勝中だからすげーな」

「この車を運転している奴って子供だろ? すげーな

 大勢のギャラリーがそれを注目する。

「智姉さん──ギャラリーたちがおれの車を見ています……目立ってしまいました」

「すぐ目立ってしまうとは仕方ない……大崎のことを知らない奴はほとんどいないようだな──」

 翔子のワンエイティは目立ってしまったようだ──。

 翔子の活躍がすごすぎて、彼女のバトルを見たことのない人でも翔子とその愛車のことなら知っている人が増え、ここ赤城山ではワンエイティの無免許少女のことを知らない人がほとんどいなくなった。

 ギャラリーたちが視線を集まる中、ワンエイティは駐車場へ止まる。

「着いたぞ」

 運転席から智、トランクから翔子が降りる。

「すごい数ですね──これぐらい注目されてるんですか」

「DUSTWAYのバトルはこんな感じでギャラリーが集まる。しかし、今日は特別に多い。DUSTWAYが負けたら潰されるかもしれないからこんなに集まっているんだろう」

 ふもともギャラリーがゴミのようにたくさん集まる。

 智曰く「DUSTWAYのバトルはこれぐらい集まる」と語る。

 しかし、今日はDUSTWAYの潰れるか生き残るかが決まる運命の日だからこんなにたくさん集まっているかもしれない。


 再び頂上、ダウンヒルのスタート地点にはDUSTWAYとアース・ウインド・ファイヤーのメンバーが集まっている。

 右にはDUSTWAYのメンバーの乗る車、左にはアース・ウインド・ファイヤーの乗る車がある。

 互いのチームのリーダーが話していた。

「おいッ! 雨原ァ! DUSTWAYが負けたら、チームを解散して走り屋を引退しなッ!」

「そんなことはさせねーよ。勝手に脱退してチームを作った奴にはこんなこと言われたくないぜッ!」

 アース・ウインド・ファイヤーのリーダーこと谷村がDUSTWAYのリーダーこと雨原芽来也を挑発する。

 それに対し、雨原は「そんなこと言われたくない」と返した。

 現在午後9時20分、

 バトルまで40分ある。

 次の話ではいよいよバトルに入ります。

 果たしてどちらが勝つんでしょうか?

 

 一方、熊久保さんはティアナが嫌いっぷりが過去最強の嫌いっぷりを見せています。

 車の上に乗ってどうすんねんwwwwww

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