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ACT.39 雨原とウメ

 夜12時の赤城山。静寂なるこの深夜の山道に2台の車が走る。

 前にいる1台は色は黒色でエアロはつけておらず、フルノーマルに近い外観だ。ただし、ホイールは黄金色の5スポークに交換されている。車体のデザインはリトラクタブルのヘッドライトに、形はFRポルシェのような3ドアハッチバックタイプのクーペ、リアのナンバープレートはテールランプに挟まれている。その車とは、JZA70型トヨタ・スープラだ。

 後ろの車は青色のボディーカラーに、白いラインが巻かれている。それはすぐわかる、雨原のFD3Sだ。


 JZA70型スープラとは、サクラの乗るJZA80型スープラの先代に当たり、日本向けスープラの初代にあたる。

 スープラの先代となる車は日本では「セリカX(ダブル)X(エックス)」、北米では「セリカスープラ」という名前で販売されていたが、弟分のセリカがFF化するとそれぞれ「セリカ」という名前が消え、日本では「XX」から北米で名乗っていた「スープラ」という名前に改名した。

 セリカXXよりスポーツ色を強くし、キャッチコピーは「TOYOTA 3000GT」と伝説の車こと2000GTの再来を目指し、トヨタのクルマでは2000GT以来となる4輪ダブルウィッシュボーンを採用する。ボディーや足まわりはヨーロッパレベルを目指し、ドイツのアウトバーンで高速走行のテストを行った。

 1990年に登場した2.5リッター直列6気筒ツインターボの1JZ-GTEを搭載したモデル、「2.5GTツインターボR」は当時の自主規制ギリギリの280馬力を達成する。これは当時の280馬力の車としては一番排気量が少なかった。

 

 前を走るJZA70に乗っているのはサクラの母・葛西ウメだった。後ろに雨原が走っている。ウメと雨原の関係は何かあるんだろうか?

 

 2台は頂上の駐車場に着く。

 駐車場に着いた2台からドライバーが降りる。

「今のDUSTWAYはヤバいって聞いてるけど、どれぐらいヤバい?」

「ああ、ヤバいぜウメさん。あんたの長女は無免許に負けるし、あるメンバーはあんたの長女を馬鹿にして独立し、独立したメンバーはうちのチームを潰すと言っているよ。どんどんDUSTWAYがヤバくなってる……」

 サクラの敗北、サクラの信用低下、谷村のチーム独立、谷村のDUSTWAYを潰す宣言とか、雨原とウメが言うようにDUSTWAYの状況は深刻となっている。


 ちなみに雨原とウメは師弟関係に当たる。

 雨原は走り屋を始めた頃からウメに色々とお世話になっているそうだ。

 ウメは雨原に走りのすべてを教えて人だ。


「サクラが無免許16歳の走り屋・大崎翔子に負けたことをヒマワリから聞いたことはビックリしたよ。サクラが弱かったのか、相手が強かったのか、あの大崎翔子という

走り屋ってどんな奴か教えてほしいかな」

 翔子について教えてほしいとウメは言う。

「大崎翔子という走り屋はまだ無免許だが、とっても速いよ。サクラが負けたことのないサクラゾーンで大崎はサクラを追い抜いて勝っちまった。その後大崎は隣のWHITE.U.F.Oのメンバーにも勝利していった。サクラが弱いから負けたんじゃあなく、相手が強いから負けたんだよ」

「あのサクラゾーンで勝った……? サクラが一度も負けていないサクラゾーンで勝った……!?」

 翔子のすごさについて聞いたウメの目つきが変わる。まるで衝撃的な光景を見たような目つきになっている。

 娘が一度も負けたことないサクラゾーンで負けてしまったことを聞いて、翔子のすごさにビビってしまった。

「聞いた話によると、大崎はあなたのライバルこと坂下智の弟子っぽく、走りについては坂下智からすべて教わっているそうッスよ、ドリフトも、コーナーの攻め方、車の運転の仕方などを教わっています。さらには自動車学校で学ぶ車のルールも坂下智から教わっているんですぜ。容姿については16歳より幼く見えて、髪の色は赤色のロング、緑のリボンを付けて、いつも黒いタイツを履いている」

「──坂下智の弟子……。大崎という奴は坂下智の弟子か。速いのは坂下智の走りを教わったものなんだァ……。(んッ! 今日プールに行った時、坂下智と一緒にいた赤い女の子にぶつかった……あの女の子は大崎翔子かもしれないよッ!)」

 智の弟子のような感じだと翔子のことを雨原は説明する。

 それを聞いたウメは朝のプールのことを一瞬思い出した。

 翔子にぶつかったことを思い出す。

「今日プールで大崎っぽい人に会ったよ。赤髪ロングに小学生みたいな身体の女の子って大崎か?」

「そうだよ。あの娘が大崎だぜ、ウメさん。赤髪のロングヘア、小さな身体、”疾風”のTシャツ、黒いタイツの女の子が大崎だよ」

 ウメは朝のプールで翔子に会ったことを雨原に話した。

「話は変わるけど、アース・ウィンド・ファイヤー戦ではヒマワリとモミジを主戦力に行かせるよ。ヒマワリは車はミッドシップだから加速もハンドリングもとても速い。腕も良く、必殺技の「オーバー・ザ・レインボウ」はとても強力な技なんだ。モミジはとても頭が良く、敵の様子を掴みながら走り、大崎の走りから作った必殺技「低速ドリフト」は名前に反して完璧な技だ」

「この2人は私が育てたよ。免許取得2ヶ月にも関わらずとっても上手い走りを見せるよ」

 アース・ウィンド・ファイヤーとの対決では、ウメの娘でサクラの妹のヒマワリと

モミジを使う予定だ。

 2人の技、SW20に乗るヒマワリの「オーバー・ザ・レインボウ」、翔子の「高速ドリフト」を真似た、アルテッツァに乗るモミジの「低速ドリフト」についてはまだ詳細は不明だが、雨原曰わく「強力な技」だと言う。


 さらに1時間が経過し、ウメと雨原が消えた赤城の山──。

 LFAのようなエアロパーツを付けた黒いZN6型86、赤いマッドフラップと4連ヘッドライト、ENKEI製の白いホイール、ES-グラベルを履いた金色のスタリオン、IS-Fのようなパンパーを付けた銀色のレクサスIS350、それら3台が赤城山を登っていく。

 黒い86はその前を走る白い86を豹のごとく睨みつける。

 その赤い86を閃光の如く追い抜いた。

「遅いよッ! 馬鹿がッ!」

 黒い86に乗るのはアース・ウィンド・ファイヤーの谷村だった。

 谷村は追い抜いた赤い86にこんな言葉を吐く。

 谷村の86に続き、金色のスタリオン、銀色のISも赤い86を追い抜く。

 谷村の86は、次は白いV36型スカイラインクーペをターゲットにする。

「こいつを抜いたら、49連勝だッ!」

 と、言いながら、谷村の86はV36を追い抜く。

 これにも後ろの2台も続いた。

 

 頂上の駐車場──。

 3台がここに止まる。

 3台から、86に乗っていた黒髪ツインテールの谷村を初め、スタリオンから金髪セミロングの堀内が降り、ISから銀髪2本結びの矢沢が降りる。

「あたしたちアース・ウィンド・ファイヤーは走り屋2台に勝利して49連勝だ。あと1勝で50連勝……。結成してすぐ色々な走り屋を倒していき、成績を作ったんだッ! おい、雨原ッ! あたしたちは現在負けなしだッ! このあたしに掛かってこいよッ!」

「DUSTWAYを脱退したうちらは変わったんや、車も腕もパワーアップしたんやでッ!」

「雨原ッ! 今のアース・ウィンド・ファイヤーにあんたは負けるわよッ!」

 現在負けなしのアース・ウィンド・ファイヤー。

 DUSTWAY時代より車も腕もパワーアップした。

 3人はパワーアップした車と走りの腕、良い成績と自信満々だ。

 最初は2000字で終わらせるはずでしたものの、

 短く終わらせるはずには行かないと1000字増やしました。

 

 PS:なぜか速く次が書きたい件

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