ACT.38 智とウメはライバル
午前9時、前橋の屋内プール。
プールといえば夏のイメージが強いが、この屋内プールは夏じゃなくても営業している。
屋内プールの中に水着を着た人ごみの中に翔子と智の姿があった。
翔子の水着は小学生の時に着ていたと思われる紺色に無地のスクール水着に、その下になぜか黒タイツを履いている。智の水着は黄緑色のビキニ姿で、翔子と違いタイツを履いておらず、生足だ。
「水着着てもタイツ履くんだな。プール入ったらタイツが濡れるぞ」
「濡れても平気です。おれはタイツが好きだから水着を着てても大丈夫です」
翔子のタイツについて智は聞く。
大のタイツ好きな翔子は水着を着てても、濡れても構わないというほどタイツを履く。
「じゃあプールに入るぞ」
「はーい!」
「せーので、行くぞッ!」
「3,2,1、GO!! 」
(ザンバンッ!)
2人はプールに飛び込む。
「じゃあ潜るぞッ!」
そして潜るッ!
(パクパクパク……)
2人は頭まで潜っている。
顔が出るまで数えよう。
1、
2、
3、
4、
5、
6、
7、
8、
9、
10……。
「ぷはァッ!」
2人は顔を出す。
「気持ちよかっただろ?」
「気持ちよかったですッ!」
「私も気持ちよかったと思う」
プールの水の中に入って気持ちよかったと2人は言う。
夏じゃなくてもプールは楽しいもんだ。
「──あの深緑色の髪の女は斎藤智……ッ! このプールに着てたんだね──」
このプールに誰かいる。髪は黒髪ロングに姫カット、水着は青のビキニ。身体のボディラインはモデルのように良く、96cmの巨乳を持つ。
彼女はそう、葛西サクラの母・葛西ウメだ。
彼女も翔子たち同様プールに来てたようだ。
「1回上がるとするか」
「そうですね」
翔子と智の2人はプールから上がる。
2人の正面に葛西ウメが来る。
翔子は正面から来る黒髪の女性がサクラの母親・ウメだと知らず、
ウメは正面から来る赤髪の少女がサクラに勝った走り屋・大崎翔子だと知らない。
「あっッ! ごめん(あの人きれいなひとだなァ……)」
「──こちらこそ、すまないね……(あの女の子はかわいいね)」
「!?」
互いを知らないがすれ違うとき、2人の身体がぶつかるッ!
ぶつかった2人は互いに謝る。
2人がぶつかったと同時に、智がウメを見るッ!
「あいつ……見たことある走り屋だ……ッ!」
「ひぇえ!?」
翔子とぶつかった女性、葛西ウメのことを見たことのある走り屋だと智は言う。
「智姉さん……あの人知っているんですか? おれとぶつかった人のことを……」
あの人を知っているですか?
と翔子は訪ねる。
「ああ、知っている。彼女は有名な走り屋だ」
智は葛西ウメのことを知っている。
ウメは有名な走り屋だと言う。
「この話はプールに入ってしよう」
再び2人はプールに入る。
「彼女の名前は葛西ウメ、葛西サクラの母親だ。彼女は元赤城最速の走り屋であって、現赤城最速の走り屋の雨原芽来也の師匠でもある」
「あの人は葛西サクラのお母さんなんですかァ!? すごく若く、すごくキレイでしたよォ! お姉さんっぽかったとおもいますッ!」
「若く見えるが、こう見えて46歳だ」
ぶつかった女性のことを葛西サクラの母親・葛西ウメだと、翔子は初めて知った。
彼女がキレイすぎて40代に見えなかったが、46歳の母親だと聞くと驚いた顔をする。
「ウメは13歳の時にMA60型セリカXXでサーキットのレースに参戦し、若くして功績を残した。22歳に公道レースに転身し、JZA70型スープラに乗って赤城山を駆け抜け
赤城山最速の走り屋となった。後に自分のメカニック(婿養子)と結婚して走り屋を引退し、3人の娘をもうけるものの、31歳の時に夫に先だたれて未亡人になる。その後は走り屋としての活動するが、40歳に2度目の引退して、今は娘や後輩の走り屋の走りを鍛えることに専念している」
ウメの経歴について智は語る。
レースデビューしたのは13歳の時で、21歳で走り屋に転身する。
後にメカニックの男と結婚して走り屋を引退し、3人の娘を産むものの、31歳の時に結核で夫を亡くす。
その後は走り屋を活動を再会したものの、40歳の時に2度目の引退をする。
今のウメは娘や後輩の走り屋の走りを鍛えることをしている。
「ウメと私はライバル同士だった。私がウメと初めて戦った時、ウメは復帰したばかりだったらしい……」
「ふぇえ? 智姉さんって──あの葛西ウメとライバルだったんですか?」
智は葛西ウメとはライバル同士の関係だったらしい。
「赤城山に行ったらあいつと勝負になった。あいつは年齢が私より倍以上年上で、最初バトルしたときは怖かったが、私が勝利した。その後も赤城山に来るとウメと勝負し、あいつとの戦いのほとんどは私が勝利している」
智が赤城山に来ると必ずウメと勝負になった。
ウメとは智の年齢より倍以上年上だったらしく、年上のウメと勝負することはベテランと勝負することだったため、智は最初バトルした時は怖かったと言ったものの、勝利している。
その後、赤城山に来るたびにウメと勝負するになったらしい。
お知らせですが、次回(9月4日)は休載します。
次回の投稿は9月7日です。




