自動車用語
作中に出てきた自動車用語を紹介していきます。
・エンジン
日産・RB26DETT(読み:あーるびーにーろくでぃーいーてぃーてぃー)
日産自動車が製造していたエンジン。第2世代のGT-R(BNR32~BNR34)に搭載された。ステージアの限定モデルにも搭載されたこともある。
名前の由来は「レスポレンス(R)・バランス(B)・2.6リッター(26)・DOHC(D)・エレトリックガスインジェクション(E)・ツインターボ(TT)」の略。
元々レーシングシーンで活躍をにらんで開発されたエンジンのため、市販状態でも700馬力のハイパワーにも耐えるほど頑丈。1000馬力を超える場合もある。
このエンジンと同程度のチューニング容量を持つエンジンはトヨタ・JZエンジンであり、そのエンジンと並んでチューニング業界を代表するエンジンだ。
排気量アップで「RB27」「RB28」「RB29」「RB30」とあったが、最近では3.1リッターの「RB31」が開発された。
エンジンのスペック(BNR34型を参考)
生産期間:1989年~2002年
排気量:2.6リッター
エンジンのタイプ:直列6気筒DOUC 24バルブ
内径x行程:86.0×73.7mm
過給器:あり(ツインターボ)
圧縮比:8.3
最高出力:280馬力
最大トルク:40.8kg
先代:S20型エンジン(実質上)
後継:VR38DETT
搭載されたクルマ:スカイラインGT-R(BNR32~BNR34)、ステージア260RS(WGC34)
日産・VR38DETT(読み:ぶいあーるさんはちでぃーいーてぃーてぃー)
日産自動車が製造していたエンジン。R35型GT-Rに搭載されている。欧州ジュークの特別モデル、「ジュークR」にも搭載された。
名前の由来は「V型エンジン(V)・R35用(R)・3.8リッター(38)・DOHC(D)・エレトリックガスインジェクション(E)・ツインターボ(TT)」の頭文字からとったもの。
今までのGT-Rは、S20、RB26といった直列6気筒エンジンを搭載してきたが、世界一の動力性能を手に入れるためには60kg以上の高トルクとエンジンの軽量化が必要だったため、GT-Rのエンジンとして初めてのV型エンジンとなった。
排気二次エアシステム及び左右併せて4つの触媒により、ハイパワーターボエンジンとしては異例の平成17年基準排出ガス50%低減レベル(3つ星)を達成している。なお、2011年のマイナーチェンジでは超低貴金属触媒やマイコン搭載のECM(Engine Control Module)の採用により平成17年基準排出ガス75%低減レベル(4つ星)達成となった。環境性能にも適したエンジンでもある。
現行エンジンの中では1番最高出力が高いエンジン。
エンジンのスペック(2007年モデルを参考)
生産期間:2007年~現在も生産中
排気量:3.8リッター
エンジンのタイプ:V型6気筒DOUC 24バルブ
内径x行程:95.5×88.4mm
過給器:あり(ツインターボ)
圧縮比:9.0
最高出力:480馬力
最大トルク:60.0kg
先代:RB20DETT
搭載された車:GT-R(R35型)、ジュークR(F15型)
トヨタ・2JZ-GTE(読み:つうじぇいぜっとじーてぃーいー)
トヨタ自動車が製造していたエンジン。アリストとスープラのターボモデルに搭載された。
日産のRB26DETTと並んで国産最速、世界最強のエンジン。
RB26DETTは高回転重視なのに対し、こっちは低中回転重視のエンジンであり日常の足としても使える。
基本的には非VVT-iの前期型とVVT-i採用の後期型で仕様が分かれ、細かい所を言うと電子制御システムが一弁式が変更されたり、セミダイレクトイグニッションになったりと、前期と後期では本当に必要な機能を加え、さらにコストダウンするといった切り詰めも見られた。
RB26DETT同様にエンジンが頑丈であるため、チューニング次第では1000馬力を超すこともある。ただし、RB26と違い、80スープラのレースシーンにおいてはSW20型MR2やST205型セリカに搭載されている3Sエンジンに換装されている。
エンジンのスペック(※後期型VVT-i付き)
生産期間:1991年~2005年
排気量:3.0リッター
エンジンのタイプ:直列6気筒DOUC 24バルブ VVT-i
内径x行程:86.0×86.0mm
過給器:あり(ツインターボ)
圧縮比:8.5
最高出力:280馬力
最大トルク:46.0kg
先代:7M-GTE
後継:2GR-FSE
搭載された車:スープラ(JZA80型)、アリスト(JZS141型、JZS161型)
日産・VQ35DE(読み:ぶいきゅーさんごーでぃーいー)
日産自動車が生産しているエンジン。
大排気量ならではのトルクや素性の良さで駆動方式を問わず、グローバル戦略車に多く搭載され、日産の看板エンジンとなっている。2000年に登場したエルグランドで初登場した。
当初、チューニング業界ではマイナー寄りのエンジンだったものの、ティン・スーパーレーシングや6連スロットルといったパーツの発売をキッカケにチューニング用でも人気になる。
現在生産しているスポーツカーのほとんどはHR系に移行したものの、エルグランド用やムラーノ用でもVQ35DEが搭載されている。
エンジンのスペック(03年式Z33型を参考)
生産期間:2000年~現在も生産中
排気量:3.5リッター
エンジンのタイプ:V型6気筒DOUC 24バルブ
内径x行程:91.5×81.4mm
過給器:なし
圧縮比:10.0
最高出力:280馬力
最大トルク:37.0kg
先代:VG30DET、VE30DE、RB25DET
後継:VQ35HR、VQ37VHR
搭載されたクルマ:フェアレディZ(Z33※07年モデルまで)、スカイライン(V35)
ホンダ・K20A(読み:けーにじゅーえー)
本田技研工業が生産していたエンジン。
B型エンジンとF型エンジンの統合後継にあたる直列4気筒16バルブエンジン。
回転方向は従来と異なり逆時計回りで、 次世代に向けて環境性能に配慮しながら、走る楽しさとの高次元での融合を目指したエンジンをホンダは「i-シリーズ」と称し、そのK20AをはじめとするK型エンジンはその第1弾だ。
インテグラタイプR、シビックタイプR向けのエンジンはR-SPECといい、エンジンを高回転化と高出力化を重視している。
日本仕様においては、フリクションの低減のためにバランサーを廃されている。
K20Aのスペック(05年式DC5型を参考)
生産期間:2001年~2010年
排気量:2.0リッター
エンジンのタイプ:直列4気筒DOHC 16バルブi-VTEC
内径x行程:86.0×86.0mm
過給器:なし
圧縮比:9.8
最高出力:220馬力
最大トルク:21.9kg
先代:B16B、B18C、F20C
後継:K20Z、R20A
搭載されたクルマ:インテグラタイプ(DC5)、シビックタイプR(EP3、FD2)など
日産・RB20DET
日産のL系エンジンの後継にあたる。最初にこのエンジンが搭載されたのは5代目ローレルことC32型ローレルだ。
名前の由来は「レスポレンス・バランス・2.0リッター・DOHC・エレクトリック・ターボ」の略から。
スカイラインGT-Rに搭載されているRB26DETTとは名前から同系統のエンジンだが、あっちのほうはGT-Rのための専用設計に近く、かなり性格が違うエンジンになっている。
しかしRB20/25用のオイルパンがRB26にボルトオン出来る、またはその逆と、 補機類単位では互換性が保たれている。
また、ライバルのトヨタ・1G-GTEが「レーザー」と呼ばれたのに対し、RB20DETは「プラズマ」と呼ばれた。
エンジンのスペック(90年式C33型ローレルを参考)
生産期間:1984年~1994年
排気量:2.0リッター
エンジンのタイプ:直列6気筒DOUC 24バルブ
内径x行程:78.0×69.7mm
過給器:あり(シングルターボ)
圧縮比:8.5
最高出力:205馬力
最大トルク:27.0kg
先代:L20ET
後継:RB25DET、VG30DETT、VQ30DE
搭載された車:ローレル(C32後期~C33型)、スカイライン(R31~R32型)
・駆動方式
FR(読み:えふあーる)
エンジン・駆動レイアウトの一つ。「フロントエンジン・リアドライブの」略。後輪駆動(RWD)とも言うが、後輪駆動という言葉はMRやRRも含めて呼ばれる場合もある。
エンジンを前方に縦に置き、駆動を後輪に置いている。
乗り心地を優先する高級セダンや速さを優先する一般のスポーツカーに採用されやすい。
昔の車はこのFRが主流だった。しかし、開発時のコストの安さ、室内スペースを広くできるというメリットからFR方式をやめ、FF駆動に移行する車が増えた。
FRの長所
・エンジンのパワーをリアに伝えているため、ハンドリングが良く、ドリフトしやすい。
・駆動がリアにあるため、フロントのスペースが余裕ができ、排気量・気筒数の多いエンジンを積みやすい。
・重量配分が良い。
・加速が良い
・4WDに及ばないが、乗り心地が良い
FRの短所
・フロントがやや軽いため、FFや4WDに比べると悪天候や荒れた路面に弱い。
・雪道では他の駆動と比べてスリップしやすく、トランクに重い物を積ませるドライバーも多い。
・スピンしやすく、初心者に向いていない。
・車内スペースが狭い。
主なFR車
・日産180SX
・トヨタスープラ
・日産フェアレディZ
・マツダRX-7
・日産ローレル(※C34型以降は4WDも用意されている)
・日産スカイライン(※R32以降は4WDも用意されている)
など
4WD(読み:よんだぶるでぃー)
駆動式の一つ。「フォー・ホイール・ドライブ」の略。AWD、4輪駆動とも言う。SUVはこの4WDという名前で呼ばれる場合もある。
エンジンのパワーを4輪にすべてに伝えている。
当初はジープをはじめとするオフロード用クロスカントリーSUV向けに採用していたが、最近は日産GT-R、イタリアのランボルギーニ・ガヤルド/アヴェンタドールなどの高性能スポーツカーにも採用されている。
フルタイム型とパートタイム型などの種類が存在している。
大半はエンジンはフロントに置いているが、一部の車はそれをミッドシップやリアに置くこともある。
4WDの長所
・2輪駆動に比べると、4輪が駆動力を発揮するため、タイヤのグリップ力より上回り、坂道や悪路での走行性能が高い。
・走破性が高く、悪路走行性のほか、高速直線安定性も優れている。2輪駆動よりスタートダッシュも速い。
・スピンしにくく、初心者にやや向いている。
・乗り心地が良く、すべての駆動のなかでは良い。
4WDの短所
・2輪駆動に比べると車重が重く、そのため燃費が悪い。
・価格が高い。
・騒音が酷い。
主な4WD車
・日産GT-R
・日産スカイラインGT-R
・ランボルギーニガヤルド
・ランボルギーニアヴェンタドール
・三菱ランサーエボリューション
・スバルインプレッサWRXSTI
など
FF(読み:えふえふ)
駆動式の一つ。「フロントエンジン・フロントドライブ」の略。FWD、前輪駆動とも言う。某RPGゲームの略称や某格闘漫画(第6部目)に登場する女性キャラの名前とは関係ない。
エンジンのパワーを前輪に伝えている。
昔は前輪駆動は技術的に作りづらく、そのためほとんど後輪駆動だった。しかし、
フランスのメーカー・シトロエンが1934年にトラクシオン・アバンを発売したことで世界で初めて前輪駆動を成功させたものの、当時パワーステア(略してパワステ)がなかったのでハンドリングは重く、ジョイントの消耗が激しく耐久性が低いという欠点があった。
が、イギリスのBMCが1959年にミニを発売すると世界の自動車メーカーは小型車を中心に前輪駆動を採用していった。日本のメーカーが前輪駆動を採用したのはオイルショックが起きた1970年代以降だ。トヨタからターセル/コルサ、日産からチェリー(後にパルサーに改名)、三菱からミラージュといった前輪駆動車をそれぞれ発売されている。
80年代にはトヨタのカローラ&コロナ、日産・サニー&ブルーバードといった小型FR車が相次いでFFに変わっていったもののトヨタ・クラウンのような乗り心地を重視した大型高級車や日産・フェアレディZのような走りを重視したスポーツカーはFRのままだ。
エンジンは横置きが中心だが、FRのように縦置きの車も存在する。
FF車は中古車市場においてスポーツカー以外の車は不人気車になることが多い。
FFの長所
・床面は低く平らで、内装を広くできる
・横置きは全長を短くできる
・縦置きは低重心にできる
・直進安定性に優れ、スピンしずらい
・悪路と段差に強い
・小回りが利く
・パーツが少ないので他の駆動より軽くできる、
FFの短所
・エンジンも駆動も前にあるため重量バランスが悪くてフロントヘビーが酷い、さらには操舵も行うので走行中の負担が大きくなる。
・ 駆動力が伝わりにくい状況下では挙動にクセが出る。
・ハンドリングが重いためドリフトしずらい。
・加速力が悪い
・他の駆動より乗り心地が悪い
・ハイパワーな車は出力を伝えることが難しい。(280馬力規制がなくなった今でも280馬力未満の車が多い)
・スペースに余裕がないので直列6気筒やV型8気筒のような大型エンジンを積みづらい。
主なFF車
・ホンダインテグラタイプR
・ホンダシビックタイプR
・ホンダアコード
・ローバー(またはオースチン)ミニ
・三菱FTO
・マツダアクセラ
・走行スタイル
ドリフト
車を横に滑らせて、コーナーを攻めること。英単語の"Drift"(漂う)からきている。
かつては自動車ラリーなどの競技でスピードを落とさず曲がることが目的だったが、今はそれを楽しむ人が増えてきている。
アンダーステア
自動車がコーナーを曲がる際、アウト側に行ってしまう現象。
フロントタイヤのスリップが原因で起きやすいが、クルマやバイクがこの特性を持っている。
ドリフトの失敗原因&事故原因の1位でもある。