ACT.31 ボウリング対決&RB26の話
ここは前橋のボーリング場。
翔子たちはこのボーリング場に着いた━━。
4人はボーリングのレーンに並び、ボーリングゲームを始めようとしていた。
「じゃあ、これは大崎さんのボールです。身体が小さいから軽いボールにしておきました」
身体の小さい翔子に気使い、熊九保は軽量なピンク色のボールを渡そうとしたものの、
「いやァ、軽いものじゃなくてもいけるよ。おれ、こう見えてすごく力あるし」
小さい身体の割には力があると言って、ボールをもらうのを拒否した。
変わりに黄緑色のボールより重いオレンジ色のボールを手に持つ。
他に熊九保は赤色、小鳥遊はピンク、川畑はオレンジのボールを持っている。
「じゃあ始めるよッ! まずはおらの番だッ」
ボーリングゲームが始まった。
まずは熊九保からだ。
「いっけえェェェェェェェェェェッ!」
熊九保がボールを投げる。
投げられたボールは遠くへ吹っ飛び、素早く転がる。
(バァンッ!)
「良しッ! ストライクだあァッ!」
熊九保の投げたボールはピンをすべて倒す。
ストライクだッ!
ゲームは始まったばかりだが、いきなり熊九保はストライクを取ってしまった。
「すごォォいッ! 熊九保さんッ!」
「やるやんッ!」
「いきなりストライクなんてすごいねッ!」
1級目でストライクを取った熊九保に賞賛の声があがる。
「ウェヒヒ━━今日の朝、家でボーリングをしていたからだよ。次、くにちゃんがやってよ」
「2番目はくにちゃんだねッ!」
上手いのは家で練習したからだと熊九保は語る。
次は小鳥遊の番だ。
「くにちゃん、行くよォォォォォッ!」
小さな身体の小鳥遊からボールが投げられた。
ボールの動きはちょっと不安定だ。
「行けッ! 行けッ! 行けッ!」
(ガァンッ!)
不安定な動きをするボールは溝に落ちた。
ガーターだ。
「あーん! ガーターだよ━━」
ガーターに入ったことで落ち込む。
溝に落ちることをボーリングのプレイ用語でガーターという。
ガーターを取るとポイントはゼロだ。
ガーターにボールを入れてしまった小鳥遊はポイントを取ることができなかった。
「ドンマイ、くに。次はうちの番や」
落ち込んだ小鳥遊をドンマイと慰める。
小鳥遊の次は川畑だ。
「行くでッ!」
川畑のボールが投げられた。
投げられたボールは前に進みながら左へ向かっている。
(バタンッ!)
ピンは3本倒れた。
「次も行くでッ!」
川畑は次も投げる。
ボーリングは、1セットは前半と後半に分かれており、前半ストライクやガーターではなかった場合、後半も投げることになる。
川畑の投げたボールは真ん中まで転がる。
(パン!)
川畑のボールは真ん中のピン1つ倒す。
「前半3本、後半1本やけん、4ポイントか」
前半3本倒し、後半1本倒したので川畑は4ポイントだ。
「次はあんたの番やで」
「おれの番が来たッ!」
翔子の番が来る。
ボールを持って、レーンへと向かう。
レーンに来ると、ショートパンツのポケットから智の写真を取り出し、
「智姉さん、おれのプレイを見てくださいね。チュッ♥」
自分のプレイを見てほしいと智の写真にキスをする。
キスした後は写真をポケットの中に戻し、
「じゃあ行くよッ! おれのボールッ!」
翔子は重いボールを軽々と投げる。
投げられたボールは真ん中を狙って転がる。
「イケイケイケイケイケイケッ! ストライクを狙って、行ってッ!」
バトル同様にイケイケを連呼した。
そのままストライクで倒してほしいとボールに言うが━━。
(パン!)
倒れたのは一番右の1本だけだった。
「くそォッ! けどッ! まだ後半があるッ!」
ストライクを取れなくてもくじけず、後半があると翔子はやる気満々だ。
「今度は左の端から投げよう」
後半は左の端から投げると言った。
左の端から中心のピンを狙い、スペアを取ろうと考えてるはずだ。
「スペアを狙うよッ! イケイケイイケイケッ!」
スペアを狙うと言いながら、ボールを投げる。
左の端から投げられたボールは真ん中のピンを狙って転がり始める。
「行けッ! 行けッ! イケイケイイケイケイケイケイイケイケイケイケイイケイケッ!」
スペアを取って欲しいとボールにイケイケの声援を送る。
(バタッ!)
ピンが倒れる。
ボールは次々とピンを倒していくものの、
1つだけ倒せなかった。
翔子のスペアへの挑戦は終わった。
前半1本と後半8本、合わせて9ポイントだ。スペアは取れなかったものの、1位の熊九保と並んで2位だ。
1セット目は終了した。
その後、2セット、3セット、4セットを行い、トップはそれらのゲームでストライクを取った熊九保だ。
トップを走る熊九保、
しかし、熊九保がとんでもないことをしていたことが発覚する……。
それは5セット目に入ったこと。
「5セット目もストライクを取るべッ!」
5セット目もストライクを取ろうと思い、ボールを投げたッ!
「待ってッ! なんか怪しいッ!」
熊九保を投げる姿を見て、なんか怪しいと翔子は考える。
「熊九保さん、はみ出してるよ」
「あッ! 連続ストライクの秘密がバレたッ!」
なんとッ! 熊九保はレーンに足を入れてやっていたッ!
つまりズルだッ!
熊九保はズルをしていたのだッ!
翔子はそれを見抜いたッ!
「くそッ! 大崎さんに見抜かれるとは……。レーンからはみ出さないようにやります」
レーンから足を出してやっていることを見抜かれた熊九保は仕方なく、レーンからはみ出さずにボールを投げることにした。
レーンからはみ出さないボール投げはピンを5つ残す。連続ストライクは終わった。
レーンをはみ出さなくなった後の熊九保のボール投げは1度もストライクを取れず、第9セットではガーターを出して翔子に追い抜かれてしまい、勝利を逃してしまった。
ボーリングを楽しんだ後は、ボーリング場を後にし、熊九保のC33に乗って、レストランへ移動した。
ここのレストランで4人は昼食を取る。
「ボウリングでずズルなんてやめてほしいよ」
「ウィヒヒ、たまにいいでしょうか」
ボウリング対決での熊九保のズルについて話している。
これに熊九保はたまに使っていいかもと笑った。
「ズルはだめだよ、熊九保さん。もう2度と使わないでよ。これがギャンブル漫画だったら負け確定だよ」
「はいはい。もうズルはしません」
もうボーリングでズルなんてしないことを熊九保は心から誓った。
「話は変わりますけど、大崎さんのワンエイティってRB26DETTを積んでますね」
「そうだけど。おれのワンエイティはRB26搭載だよ」
話は変わり、翔子のワンエイティに積まれているRB26DETTの話をする。
「このRB26をどうして積んでいるですか? ノーマルで積まれているSR20DETでも十分いけますけど……。このエンジンをどうして積んでいるのか教えてください」
熊九保の言うSR20DETはワンエイティがノーマルから積んでいるエンジンで、
ワンエイティ以外にも、ブルーバードSSSやパルサーGTI-R、兄弟車のシルビア(S13後期以降)にも搭載された。スカイラインGT-Rに積まれているRB26DETTとスカイラインターボやローレルクラブSに搭載されるRB20~RB25の弟分にあたる。
排気量は2.0リッターで、パワーは205~250馬力、トルクは28~9kg・mある。
チューニング用のエンジンとしては人気が高く、特にドリ車に搭載させられるエンジンとして人気が高い。
また、兄貴分のRB26DETT同様に頑丈であり、500~600馬力のハイパワーチューンにも耐えることができる。
「どうしてRB26を積んでいるかって……この話をするとおれの辛い話になるけどいいの? 覚悟はできてる?」
どうしてRB26を積んでいるかって熊九保は教えてほしいと頼む。
が、翔子はその話が“辛い話になるから、覚悟がいるよ”って言う。
「辛い話になるけど、構わないです。ぜひ聞かせてくださいッ!」
「では、聞かせるよ」
辛い話でも構わないから聞くと熊九保は言う。
それに答え、早速翔子は話を始めた。
「━━それは3年前、おれが智姉さんに会う前のこと。おれは栃木のもみじラインを本拠地にするチームに預かりという形で入っていた」
そのことは2年前のこと。
この当時、翔子は栃木・もみじラインの走り屋チームに入っていた。
「おれとワンエイティの付き合いはこの頃だけど、ワンエイティの心臓はまだSR20DETだったんだ。チームに入った最初、他のメンバーは先輩らしくおれに優しく接してくれたんだ」
ワンエイティとの付き合いはこの頃からだ。
この時のワンエイティのエンジンはSR20DETを積んでいた。
チームに入ったばかりの頃、他のメンバーは先輩らしく翔子に優しく接してくれた。
「だが、優しかったメンバーたちは突然おれをいじめるようになった。悪口を言われたり、具体的には死ね死ねと言われ、ワンエイティのバンパーを蹴られたりもした。バンパーを蹴られたワンエイティもすごい辛かったんだろう……。あの時を思い出すと嫌だよ……」
ある日突然、優しかったメンバーは急に翔子をいじめるようになる。
“死ね”とかの悪口を言ってきたり、ワンエイティにバンパーを蹴るなど、翔子へのいじめはとても酷いものだった。
「いじめは日に日にエスカレートし、おれを一番いじめていたチームリーダーのパ 失 ルサーGTI-R乗りは車のエンジンが壊れ、代わりとなるエンジンが欲しいという理由でワンエイティのSR20を盗み、そのエンジンを愛車に搭載させてしまった。あのことはチームにいた頃の中で最悪の出来事なんだ……トラウマだよ」
いじめは日に日にエスカレートとして、翔子を特にいじめていたパルサーGTI-R乗りのリーダーはエンジンが壊れ、代わりのエンジンを欲しいという理由でワンエイティのエンジンを盗み、それに搭載させた。
あの出来事は翔子にとってはトラウマで、最悪の出来事だ。
「けど、おれに希望をくれた人がいる。愛車エンジンを失ったおれを助けてくれたのが、走り屋のカリスマと呼ばれた智姉さんという女性だ。智姉さんはエンジンをったワンエイティに部品工場から持ってきたRB26DETTを搭載させてくれたんだ。さらにおれをいじめたGTI-R乗りを退治してくれた。これがワンエイティにRB26を積んだきっかけだよ」
いじめがエスカレートする翔子だが、希望はあった
伝説の走り屋の智に出会う。
智はエンジンを失った翔子のワンエイティに部品工場から持ってきたRB26を搭載させる。
さらには翔子をいじめたGTI-R乗りをバトルでやっつけたのだった。
「話はこれで終了だよ。いじめを語る辛い話だったけど、どう思ったのォ?」
話は以上だ。
話を終えた翔子は話の感想に着いて、どう思ったのか熊九保らに訪ねる。
「本当に辛い話でした……。大崎さんにはこんな過去があるなんて信じられませんでした……」
翔子にはこんな過去があるとは信じられないと熊九保は翔子の話を聞いてそう思った。
「あのリーダー、本当にクズだよッ! 大崎ちゃんをいじめるなんて許せないッ!」
「うちも許せん、あのリーダーは人間のクズやッ!」
翔子の話を聞いて、その話に出てきたGTI-R乗りを許せないと考える
「感想をありがとう。当時は辛かったけど、今は大丈夫。智姉さんや熊九保さんたちがいるから大丈夫ッ!」
「そうですね。大崎さんは明るいから大丈夫だと思います 」
あの時は辛かったものの、今は智姉さんとRB20三人衆がいるから翔子は大丈夫だ。
「じゃあ昼食食べたら出発しますよッ!」
昼食を食べ終えたら出発だ。
昼食を食べ終えた4人は熊九保のC33に乗って、次の目的地へと向かった。
くっ……。
3日で投稿したけど、完成が間に合わなかったZE……。




