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最速の美少女オオサキ ~幼い美少女ドライバーと赤城の山~  作者: まとら 魔術
キャプター2「となりの白い未確認飛行物体」
32/67

ACT.27 ミッドナイト・ドライブは防がれる

 第1高速セクションと第2高速セクションの間のコーナーで戸沢を追い抜き、先行になる。

 翔子は“終盤まで抜かない”と決めてたが、約束を破り抜いてしまった。

「抜かないと決めていたのに、どうして抜いたんですかッ!?」

 約束したのになぜ抜いたのか熊九保は聞く。

「おれが抜いたんじゃない、あいつが抜かせたんだ」

 自分は抜いてない、相手が抜かせたと答えた。

「どうして相手が抜かせたと思っているんですか?」

 なぜ翔子は相手が抜かせたと言ってるのか熊久保は気になった。

「それは──戸沢は無灯火走行を使わせたいからわざと抜かせたんだ」

 翔子の答えはこれ。

 戸沢は無灯火走行を使いたいため、わざと後攻に行ったと考える。

「つまり、おれを無灯火走行で倒そうとしている。熊九保さんのC33を倒したみたいにこの技でおれを倒そうとしているんだッ!」

 熊九保同様、無灯火走行で倒そうと考えてると翔子は思う。

 同じ手で倒そうとしているのかァ?

「後攻へ行ったのは無灯火走行が使いたいからだ。無灯火走行で大崎を倒すッ!」

 翔子の読みは当たった。

 戸沢は無灯火走行を使いたいから戸沢は翔子の後ろに後退したのだ。

 後ろに後退した戸沢は無灯火走行をどう仕掛けてくるのか──。


 ふもと、智が翔子を応援するために観戦に来ていた。

「大崎は無灯火走行と戦えるだろうか……あれは熊九保を破った技なんだ」

 智は翔子が無灯火走行に勝てるのだろうかと心配する。

「この技をどう戦うのか気になる。大崎は葛西サクラをSAKURA(サクラ)ZONE(ゾーン)で倒し、柳田のサイドブレーキのみのコーナリングにはタイヤを温存する走りをして勝った。戸沢の無灯火走行にはどう戦うんだろう──」

 サクラをSAKURA・ZONEで倒し、

 サイドブレーキドリフトを使う柳田にはタイヤを温存しながら走って倒したんだ。

 戸沢にどう戦うんだろうかと気になる。


 高速セクションを終え、バトル中の2台はSAKURA・ZONEの最初のコーナー、右ヘアピンに突入した。

「ここで無灯火走行を使う」

 DC5のライトを戸沢は消す。

 翔子の後ろには光が消えた。

 戸沢得意の無灯火走行が出るッ!

「ついに来たァーッ! 無灯火走行ッ!」

「おおォーッ! 待っていたぜェーッ!」

 無灯火走行を使い出したことにギャラリーたちは大興奮状態ッッ!!

「離していると思えば──来ましたよォーッ! 戸沢の得意の無灯火走行ッ! 気づいてますかァーッ!」

「ついに来たねェーッ! 無灯火走行ッ!」

 戸沢の無灯火走行が来たことに熊九保は見たッ!

 負けているだけであって、見るのが早いッ!

 直線を抜けて、左U字ヘアピンに入る。

「ここで攻めてやるッ! 勝つのは俺だッ! 大崎翔子ッ! 前倒したオレンジのローレル乗りの女みたいにやっつけてやるぜッ! 必殺ッ! ミッドナイト・ドライブッ!」

 このヘアピンで戸沢は攻めに入った。

 熊九保を倒した必殺技、ミッドナイト・ドライブが炸裂ゥゥ!

 パンチのような、FF車の追い抜きが赤白黒のFR車に襲いかかるッ!

「後ろの車が攻めに掛かりますッ!」

「抜かせないよッ!」

 インから来る戸沢の攻撃をブロックしに行くッ!

 翔子のドリフトが攻撃するグリップ走行を防ぐッ!

「くっ……ッ! 防がれたッ!」

 戸沢の攻撃、ミッドナイト・ドライブは防がれたようだ。

 ブロックされたことにより、コーナーの後戸沢DC5は反射的にスピードを落としてしまった。

「戸沢の追い抜きが失敗したッ!」

「さすがワンエイティッ! 隣町の強敵の攻撃を防いだァーッ!」

 追い抜きを失敗したことにギャラリーたちは驚く。

 熊九保をやっつけた技を翔子は防いだのだ。

「やりましたねッ! 戸沢の技を防ぎましたッ!」

「防いだけど、また来るかもしれないよ。戸沢も攻める気らしいからね」

 技は防いだが、翔子には満足できる暇はない。

 また来るかもしれないと警戒している。



 左U字ヘアピンの後のゆるやかなヘアピン、

 ガードレールの先には2人の少女がいる──。

 ここには小鳥遊と川畑がギャラリーしていた。

「大崎ちゃんは勝っているね」

「さっき戸沢の攻撃を防いだだけでギャラリーたちは大騒ぎらしいで」

「戸沢ザマーミロォォォーッ! これが大崎ちゃんの実力だよッ!」

 うちの翔子の実力はすごいんだと小鳥遊たちは言う。

「けどォ、相手はWHITE.U.F.Oのリーダーということ忘れてへんけェ?」

「わ、忘れてないよ!  ほら、大崎ちゃんがくるよォォォ! うわああああ!!」

 小鳥遊の余裕すぎる発言で戸沢がWHITE.U.F.Oのリーダーを忘れてしまったかもしれないと川畑は聞いてきた。小鳥遊は忘れてないと答える。

 2人の前にワンエイティとDC5が通った。先を走るワンエイティは2人の前をガードレールギリギリの豪快なドリフトで駆け抜けていく。

「やっぱ大崎ちゃんは速いね~! くにちゃん、痺れたよ」

 豪快なドリフトを見て、小鳥遊は痺れたようだ。

「戸沢は次の動きはなんやろうか……。わざと抜かせたり、ヘッドライトを消す──大崎はんに対してどう仕掛けてくるのか」

 戸沢の走りは翔子に対してどうするんだろうかと冷静に川畑は見る。

 

 川畑の期待する変化は今すぐ起ころうとしていた。


 ワンエイティは2連続コーナーの前半、

 右ヘアピンに入る。

(いつ来るんだろうか……)

 後ろから来る戸沢の様子をドアミラーから翔子は見る。

「後ろを見ないほうがいいですよ。後ろはおらが見ますから」

「熊九保さんが見てくれるのか。後ろの様子についてはおれに言ってね」

 その翔子を見て、"後ろは自分が見るから"と熊九保は掛ける。

 それを聞いた翔子は"後ろから見た様子を言って"と言った。

「前の攻撃で終わりだと思っていたのかッ!」

 翔子がコーナーに入ってすぐ戸沢もヘアピンに入る

 ブロックから生まれた反射により差を広げてしまったが、その差を縮めていた。

 ハンドルを曲げ、それと同時にアクセルペダルから足を離す。

「侵入口はここだッ!」

 インをターゲットにすると足をアクセルペダルに戻す。

 ドリフトのようなコーナリングをしだした。

 翔子のワンエイティにふたたび攻撃を仕掛けるッ!

「戸沢が来ますッ」

「ブロックだよワンエイティ。ドリフトで防いでやるッ!」

 熊九保は戸沢が攻めていことを見る。

 それを知った翔子は前同様にドリフトブロックを仕掛ける。


 が、


「防げないッ!」

 ドリフトブロックは貫通された。

 戸沢は翔子を追い抜き 先に立つ。

「早い……あれなんなの?」

 戸沢の早すぎる追い抜きは翔子を唖然(あぜん)させてしまった。


「今使った技はミッドナイト・ドライブ・タックインだ。ミッドナイト・ドライブのタックイン版だ」

 翔子を追い抜いた技はミッドナイト・ドライブ・タックインというものだ。

 この技はヘッドライトを消しながらコーナーをタックインで攻める技なんだ。

 

 タックインとはFF車用のテクニックのことを言う。

 コーナーを全開走行中アンダーステア気味になったらアクセルを離し、 前加重にななってオーバーステア気味に変わり、より車がコーナーの内側を向く。


 タックインで翔子を抜いた後、戸沢は次のヘアピンに入る。

 そのコーナーもタックインで抜け、翔子との距離を離していく。

「速い──ッ! 目から消えた」

 翔子の前から戸沢のDC5は消えてしまった。

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