ACT.24 オオサキ、戸沢にバトルを挑む
「た、戦ったの?」
「はい。昨日、戸沢とバトルしました」
熊九保は昨日の4月14日、戸沢とバトルした。
マシンの性能(FR、ターボ)から自信満々の熊九保だったものの、
マシンの性能をなめてしまい、腕の差で敗北する。
「どんなバトルだったのォ? 教えてェ?」
熊九保がどんなバトルをしていたのか、翔子は聞きたい。
「教えますよ。おらはくにと川畑と一緒に赤城山を走っていました」
さっそく言い始める。
昨日の夜9時、熊九保は、小鳥遊と川畑と一緒に赤城山を走っていた。
「頂上には戸沢がいて、大崎さんが言ってとおりなのか、おらはあいつが大崎さんとバトルできるほどの実力があるだろうと思い、バトルを挑みたいと考えました」
頂上で戸沢と遭遇し、サクラや柳田に勝った翔子と戦えるほどの実力がある走り屋か確かめるために勝負を挑んだ。
「バトルは挑んでくれましけど、相手の実力は本物で、ヘッドライトを消す走りを使ってきて抜いてきました。おらは敗北しました」
「へ、ヘドライトを消す走りィィ!?」
ヘッドライトを消す走りをしてきたと翔子に伝える。
「おらは距離を離していたと思っていましたが、それは相手はヘッドライトを消したからです。これのせいでおらは油断し、抜かれたんです」
戸沢のライト消し走行は距離を離したように見せることもできるため、相手を油断させることもできる。
これに熊九保はやられたんだ。落とし穴に落とされたみたいに。
「本当に抜かれたんですよ。こっちはFRのターボなのに……相手はFFのノンターボ、性能が下の車に抜かれたんですよ。あいつ──腕は本当だったらしいです。FFのくせにFRを倒して──さすが榛名最速チームのリーダーの走り……」
戸沢も恐ろしい走り屋だ。
ノンターボで非力なFF車でハイパワーターボのFR車を倒せるほどの腕を持つ……。
ライトを消して走る──。
恐ろしい……。
「大崎さん、このおらの話──どう思いますか?」
「う~ん……戸沢は本当に強いね──。おれも戸沢にビビったよ」
熊九保の話を聞いて、戸沢の強さを改めて感じた。
翔子も戸沢の走りにビビった。
しかし、
「けど──この話を聞いて……ますますやる気がでたよ。バトルする気になったよ。おれ──戸沢とバトルするよッ! 絶対バトルするよッ! かかってこい戸沢ッ!」
この話を聞いたおかげで翔子にはバトルをする気になった。
バトルする気になった翔子は「戸沢かかってこい」とバトルへの意欲を出す。
(おらの話で大崎さんをやる気にした。やっぱこの話のおかげなんだ……。大崎さん頑張ってください、戸沢というFF乗りを倒してください)
話をしてくれてよかったと熊九保は考える。
と同時に戸沢と勝負する気になった翔子に心からエールも送った。
2時間後……智の家の前に何か車が来る。
戸沢のDC5だ。。
「大崎という奴の家はここか……俺はあいつと親戚や親友じゃないが、もうあいつの家の位置を覚えたぜ」
戸沢が降りる。
もう智の家の位置を覚えたようだ。
来てすぐ家に入る。
「誰か来ましたッ!」
家のインターホンに熊九保が反応する。
「昨日俺に負けたC33ローレル乗りの熊九保か……。なぜいる?」
なぜ、熊九保が智の家にいるのか、戸沢は疑問に思う。
「それは大崎さんに会いに来てるからですよ」
熊九保は大崎に会いに来てるからここに来る。
これを見ている君たちも知ってるだろう。
「大崎はどこだ? バトルを申し込みに来た」
「今来たよ」
翔子が玄関に来る。
「熊九保さんを破ったって、彼女から聞いたよ」
「そうだ。だが、大した相手じゃなかった」
「バトルを挑みに来たよね」
「ああ、そうだ」
戸沢がバトルするために来ていたのは翔子も分かっていた。
「バトル、本当に受けるか」
「これが本当の答えだよッ! 受けるッ!」
本当の答えは元から決まっている。
さっきで「バトル受ける」と決まっていた。
「そうか、前言っていた「本当の答え」は「受ける」だな。決まったぞ、バトルは受けるんだな。決まりだ。じゃあ4月19日の夜11時45分に来いよ」お前との挑戦、楽しみにしてるッ!
承諾されたバトルの時は4月19日の夜11時45分だ。
戸沢はそれを楽しみにしながら家を去った。
戸沢が去った後、変わりに小鳥遊と川畑の2人が智の家に来る。
「家に戸沢が来たって!?」
「うん、そうだよ」
2人は戸沢が家に来たが気になる。
「じゃあそれを教えてや」
それについて教えてほしいと言う。
これを翔子と熊九保はリビングで話す……。
「へえェェ! 戸沢とのバトルを受けたのォォォォォ?」
戸沢とバトルをすることを翔子は小鳥遊たちには伝えたのだった。
「戸沢って、熊九保はんを破ったDC5乗り……しかもこの前倒した柳田マリアが所属するWHITE.U.F.Oのリーダーや。そんな強敵が大崎はんに挑んできたんか」
「おらの話をやる気になったんだよ。仇を取る勢いで──」
翔子が戸沢とバトルする気にしたのは熊九保の話だ。
それを川畑に伝える。
「そんな奴に勝てるんやろうか……隣のチームのリーダーに──」
「うーん……あのヘッドライトを消す走りに勝てるのなら──大崎さん、これに勝てる作戦はありますか?」
「まだ考え中だよ。ヘッドライトを消す走りに勝てる作戦、なんかあるのかなァ──?」
勝てるための問題はヘッドライトを消す走り……。
これに勝てるための作戦を考えねば行けないのだ。
午後6時、レストラン──。
ここにはWINDSONICの雨原がいる。
「ガラ姉ッ! ニュースが飛びこんで来たぜッ!」
「なんのニュースなんだ?」
雨原にニュースが飛びこんでくる。
それを報告してきたのは緑髪の少女だった。
髪型は腰まで届くライトグリーンの長い髪に、それをポニーテールに結んでいる。瞳の色は山吹色だ。身体は小さく、中学生に見えてしまうものの胸の大きさは身体の割にはやや大きめだ。服装は髪色と同じライトグリーンのTシャツで、胸元には白い字で「C.K.B」と書かれている。下半身は白いホットパンツに、靴下はライトグリーンのカラータイツを履いている。
身長は小さいため中学生に見えてしまうが、顔つきは整っていて、すごく可愛らしい。アニメに出てきそうなほど可愛らしい。
彼女の名は葛西ヒマワリ。WINDSONICのメンバーの葛西サクラの妹で、顔つきの良さは姉譲り。ヒマワリも姉同様にWINDSONICのメンバーで年齢はサクラより2つ下だ。
「戸沢が大崎とバトルするらしいぞッ! さっき聞いてきた話なんだッ!」
「戸沢が大崎に挑むゥゥゥ?」
そのニュースとは戸沢が翔子にバトルするということだ。
「今日、戸沢が大崎の家に来て、バトルを申し込んだんだ」
もう1人の少女も報告してくる。
少女の髪はオレンジ色の尻まで長い髪を黄色いリボンでツインテールに結んでいる。頭のてっぺんには触覚のようなアホ毛は生えている。瞳の色はダークグリーン。ヒマワリ同様、身体は小さく、ヒマワリより2cm小さい。しかしヒマワリ同様胸は身体の割には大きめだ。服装は黄色いTシャツを着ており、そのシャツの胸元には「BITE THE DUST」と白い字で書かれた文字がある。下半身のほうはグレーのホットパンツに赤色のカラータイツを履いている。
顔立ちはヒマワリ同様に整っているものの、ちょっと幼めだ。だがそれでも美人のほう。
彼女の名は葛西モミジで、ヒマワリと同じくサクラの妹で、ヒマワリとは二卵生の双子に当たる。ヒマワリが姉で、モミジが妹だ。
2人の姉同様にWINDSONICのメンバーでもある。
「彼は自分のチームのメンバーである柳田のバトルを見て、勝った大崎の実力にビビったから挑む気になったらしいんだよ」
モミジは戸沢が翔子にバトルを挑むまでの過程を言った。
ヒマワリのほうは姉と逆で、ちょっと乱暴で荒っぽい喋り方であり、
モミジは姉に近い落ちついた喋り方だ。
「彼の実力はすごく高いぜ。昨日大崎の親友と名乗るC33ローレル乗りを倒したんだってなッ!」
ヒマワリは熊九保が戸沢に負けたことも知っていた。
これをどこで知ったんだ?
「あたしも戸沢が強いってことを分かっているぜ。あいつは隣峠最速チームのリーダーだからなッ!」
WINDSONICのリーダーで赤城最速の雨原は戸沢の強さを分かっている。
「あいつの走りはヘッドライトを消すのが特徴だ。それを使ってC33乗りをカモっちまった。大崎はどう勝つんだろうな?」
「あたしもそう思うぜヒマワリ、あのヘッドライトを消す男にどう勝つんだろうな……。それが問題だ」
「ボクもそう思う。大崎はヘッドライトを消す男の走りにどう戦うんだろう」
RB20三人衆と翔子の言っていたことと同様、ヘッドライトを消す走りとどう戦うか課題になる。
レストランにいる3人もそう考えているようだ。
今回は家族と徳島に言ってたのであんまり書けませんでしたorz
(魔術)




