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ACT.9 最速の美少女

※注意!


 この作品はフィクションです。これらに登場する人物は実際に存在しません。

 この作品は公道レースを題材にしている作品ですが、公道でレースやドリフトをするのは危ないのでサーキットでやってください。

 後、車を運転する時はシートベルトをしっかり締めて、安全運転でお願いします。

この作品は16歳の人間が車を運転しているシーンがよくありますが、実際に車を運転できるのは免許を持っている18歳以上の人間です。


「JZA80スープラ――国内スープラにおいて2代目、セリカXXから数えれば4代目にあたる……」


 翔子は80のノートを読む。


「サスペンションは4輪ともダブルウィッシュボーン。さらには国産車として初めてとなる6速マニュアルトランスミッションを採用した……。へえ、6速ミッションは80スープラが最初なんだァ」


 実は日本車の6速ミッションは80スープラが最初だ。

 この80から6速ミッションは日本のスポーツカーに伝わっていくのだ。


「搭載エンジンは2JZ-GTE、これはアリストに搭載されたものだ。ライバルは日産のRB26DETT……」


 80のエンジン、2JZ-GTEの項目を見る。

 2JZ-GTEはトヨタのエンジンで、JZシリーズとしては1番ハイパワーなエンジン。排気量は3000cc、過給器はツインターボ。

 主な搭載車はJZA80スープラ、S147型&S161型アリスト。

 日産のRB26DETT(翔子のワンエイティに換装しているエンジン)とともに国内最強のエンジンと飛ばれている。

 2.5リッターの1JZもあるが、2JZは1JZをベースに作られたものだ。

 RB26より低速トルクが太く、日常の足としても使える。

 ライバルのRB26同様、チューニング業界を代表するエンジンでもある。

 ちなみにほとんどのターボエンジンはNAより燃費が悪いが、2JZ-GTEはNAの2JZ-GEより燃費が良い。


「先月のドリヘブンは2JZ特集だったね。80のエンジンがどれぐらいすごいか見てみよう!」


 80のノートを読むのをやめて元の場所に戻し、代わりに先月号のドリヘブンを取り出す。

 ドリヘブンとは山陽書房から発売されている日本唯一のドリフト専門誌だ。

 兄弟誌にチューニング雑誌のオプイチ、オプニイなどがある。


「うわぁ~すごいなーッ! ビーエムのM3(5代目のE92型)やゼロクラ(11代目クラウンの愛称)にも載せてドリフトしてるゥゥゥ!」


 ドリヘブンに載っている2JZを載せたチューニングカーを見て驚く翔子。

 2JZはこれぐらいすごいのだ。

 しかし、翔子が1番驚いたのはこれではない……。


「タイのドリフターはA31セフィーロに2JZを載せてドリフトしてるよ。しかも……1000馬力ィィィ!?」


 翔子を驚かせたのはタイのドリフターがA31セフィーロに1000馬力にチューニングされた2JZを載せてドリフトしている一面だ。

 2JZはRB26同様に頑丈なため、チューニング次第では1000馬力を超すこともできる。


「2JZをすごさを見た後はまた80のノートを読もう……」


 ドリヘブンを読み終え、元の場所に戻した。

 ふたたび翔子は80のノートを取り出し、読み始めた……



 午後5時の赤城山……。


(ウオン、ウオオオオオン!)


 80スープラが赤城道路を登っていく……。

 サクラが練習走行をしていたのだ。来週のバトルで翔子に勝つために……。



「サクラさーん!」


 WINDSONICのメンバー(髪の色は紺色・髪型は2本結び)が来る。


「――なんのようだ……? オレは今……練習走行をしている……」


 呼びかけに応じて、車を止める。


「私を車に乗せてェ! 間近でドリフトしている姿が見たいッッ!!」


 サクラの80に載せてほしいとと頼む。


「――分かった。乗せてやるぞ……」


 メンバーの頼みを聞き、助手席に乗せる。


(グオン、グオンッ!)


 サクラの80はUターンして、下りを出発。


「――行くぞ……!」


 序盤の連続するヘアピン、2つの高速セクションを抜けていく。


「――ここからはオレの得意なコーナー……ここの走り屋たちからはオレの名前から取って、サクラゾーンと呼ばれている場所だ」


 第2高速セクション後のコーナーに入る。

 ここからは『サクラゾーン』と呼ばれている場所だ。名前の由来は得意な場所だから。

 サクラはこのサクラゾーンでは一度も負けたこともない。


(ヒュウウウウン!)


 サクラゾーン最初のコーナー、蛇行路後の右コーナーに入る!


(うわぁ、速い! ここなら勝てるッ! 絶対にここならッッ!)


 このサクラゾーンでは勝てると、WINDSONICのメンバーは感じる。

 そう、ここはサクラの得意なコーナーだ。大崎翔子は勝てないだろう……。


(グオオオオン!)


 次々とコーナーが差し掛かってきて、抜けていき……、

 ゆるやか左コーナーに入る。これがサクラゾーン最終コーナーだ。


「――ここを攻める……!」


 時速150km/hほどのスピードで左コーナーを攻めていく……。

 サクラゾーンはこれで終わりだ。


 頂上……サクラの80が戻ってくる……。


「――オレの走りはどうだったか……?」


 2人はサクラゾーンでの走りについて話していた。


「すごかったよ。今度のバトルでは、あのゾーンまで前に出たら絶対に勝てると思うよ!」


 翔子とのバトルでは、このサクラゾーンまで先行できれば勝てると言う。


「――オレもそう思う……。あいつぐらいなら……あのオレの得意なゾーンまで先に走れば負けないだろう……。

 じゃあ……オレはまた走りだすぞ」


 そう語った後は、サクラはまた80に乗り、練習を再開した……。




 場所は戻って、智の家……。


「帰ってきたぞ」


 智が仕事から帰ってきた。


「大崎を見に、私の部屋に行こう」


 2階にある自分の部屋に行く。

 だが、そこには衝撃的な光景があった……。


(ぐうゥ……)


 翔子が寝ていたのだッ!

 80のノート出しっぱなしで……。


「大崎ィィ、どうしてここで寝ているんだ!?」


 寝ている翔子を見て、智はビックリ!


「けど、寝顔がかわいいな。起きるまで見てやろうか……」


 翔子の天使のような寝顔の可愛さから、智は起きるまで見守ることにしたが……、


(グウゥ~)


「お腹減ったな……もうご飯の時間か」


 智の腹の虫が鳴った。

 もうご飯を作っても可笑しくない時間だ。

 起きるまで見守りたかったが、腹の虫を治ませるためにご飯を作ることになった。


「晩御飯を作るぞ」


 1階に降りて、リビングの台所に行き、料理を作り始める。


「ムニャムニャ……なんか匂いがする……」


 翔子が起きだす。

 智の作っている料理の匂いに反応かもしれない。

 翔子もリビングへ行く。


「起きたのか、大崎。もっと寝ても良かったのにな……私が起こしてあげるはずだったぞ」


「エへ……智姉さんの料理を作っている匂いに気がついたからです」


 やっぱり……智の料理の匂いで起きたのか……。

 翔子がリビングに来た理由は本当だった


 晩ご飯は完成し、2人はテーブルに座る。


「朝の続きだ。葛西サクラについて話すぞ」


 今日の朝話していた、サクラの話が再開だ。


「今日、ノート見ました。JZA80スープラのスペックは……エンジンは3リッター直列6気筒DOHCツインターボの2JZ-GTEで、最高出力280馬力、最大トルク46kgです。全長は4520mm、全幅は1810mm、全高1300mmでした」


 翔子が今日ノートで分かったJZA80のスペックを言う。


「サクラの80はチューニングされていて、最高出力は380馬力、最大トルクは56Kgに上がっている。エンジンはツインターボから大径シングルターボに交換しているぞ。ブレーキキャリバーはUCF30型セルシオのものを換装している」


 サクラの80の改造点を語る。

 大径シングルターボとは過給開始回転数を上げるため、タービン自体を大きくする手法である。これはツインターボでは難しいため、名前に「シングル」が付いている。

 サクラの80にはUCF30純正ブレーキキャリパーを装備していると言っているが、これはチューニングの定番の一つでもある。


 2人の話は夜遅くまで続いた。



 日々は過ぎていき、バトル前日の夕方……。

 前橋の某レストランで雨原とサクラが話していた……。


「明日のバトルはどうなんだ?」


 雨原が聞く。


「━━自信はある……。だが、負ける可能性もある……そのために練習をしてきた……。勝てる確率は80%だ……」


 サクラには自信がある。

 しかし、勝つだけでなく、負けることも想定していた。


「そうか……。サクラァ、あいつはこの前のドリフト走行会で一番盛り上げたと言っても、無名で素人の走り屋だぜ。絶対勝てるぞ、負ける可能性はないィ、サクラッ!」


 雨原はサクラにエールを送った。

 絶対に勝てるぞと……。



 そして、バトル当日の朝……。

 翔子が下に降りてくる……。

 しかし、いつもの翔子じゃない。今日はバトル当日であり、緊張した表情を見せている。


「おはようございます……」


 翔子のあいさつは元気のないあいさつだった。

 緊張をしていたからだ。今日はいつもの明るい翔子じゃない。


「元気がないぞォ、緊張しているのかァ?」


「おれは今日のバトルが怖くて、逃げたくなる気持ちです……昨日の夜はベッドに入ってから3時間も眠れませんでした」


 バトル当日の緊張で、弱音を吐いてしまった。

 さらに、緊張に襲われて3時間も眠れなかったという。


「ドリフト走行会で盛り上げた走り屋が怖いと言って、どうする!? 怖いと言ったら勝てないぞ。逃げたら笑い者だぞ。自分は勝てると思って行け。お前は……自分を最速の美少女、大崎翔子だと思って走るんだッ!」


 バトルで緊張する翔子を励ます。

 怖さなんて見せるな、自分は勝てると思えと。


「智姉さん……おれ、この言葉を聞いて頑張りますよッ! おれ、絶対勝ちます! おれは負けませんッッ!」


 励まされ翔子は元気が出たそうだ。

 緊張がほぐれ、元の明るい翔子に戻った。


「おれは練習してきます! 今日のためにィッ!」


 家を飛び出し、ワンエイティに乗って赤城山へ行く。

 今日のために練習するためだッ!


 家を出て、15分後……。赤城山に到着した。

 まずは上りを通って、Uターンをして下りに入る。


「行くよォワンエイティッ! おれは最速の美少女、大崎翔子なんだァッ!」


 智の言った言葉「最速の美少女、大崎翔子」を叫ぶ翔子。

 朝の緊張をしていた翔子から一変、明るくて熱い翔子に変わったようだ。


 最初の連続ヘアピン、第1高速セクションを抜け、第1高速セクション後のコーナーに入る。ここはこの前のサクラとのバトルでスピンした場所だった。しかし、練習を繰り返してドリフト走行会では盛り上げることのできたコーナーになった。

 翔子にはもうこのコーナーに対する恐怖心はない。


「突っ込むよ! ワンエイティッ!」


(ブン! ブオン!)


 今回は楽々とクリアをすることが出来た。

 ここなんて怖くもないさ。


「ワンエイティ、おれは頑張るから、君も頑張ろう! 頑張って……葛西サクラに勝とうよォッ!」


 ワンエイティに話しかけ、頑張ろうと誓う翔子。


 この1人の少女は、今夜ここでトップクラスの実力を持つ走り屋と戦うのだ。

 最速の美少女オオサキ、最速伝説の序章がこれから始まるッ……!

予定より2日速いですが、完成しました。

この前、間違えて投稿してすみません。これからは気を付けます。


さて、今回はタイトルである「最速の美少女オオサキ」をかなり言っています。メインテーマっぽいものをセリフにすればいいと考えていれました。


次回からバトルです! お楽しみに~!

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