表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/67

ACT.7 ドリフト走行会

※注意!


 この作品はフィクションです。これらに登場する人物は実際に存在しません。

 この作品は公道レースを題材にしている作品ですが、公道でレースやドリフトをするのは危ないのでサーキットでやってください。

 後、車を運転する時はシートベルトをしっかり締めて、安全運転でお願いします。

 午前6時10分、赤城山。


「よ~し、行くぞッ!」


 翔子はワンエイティと共に赤城山のヒルクライムを攻めていた。


「と、その前にゆっくりコースを見ようッ!」


 だが、その前に車のスピードを50km/hに落としてコースの確認だ。

 まずは5連続ヘアピン。ヒルクライムの最初のコーナーで、ダウンヒルの最後のコーナーだ。

 次は蛇行路型の高速セクション。この蛇行路が終わると、ヘアピン蛇行路交互エリアに入る。

 その次は長い高速セクションを通り、コーナーを2つ抜けてまた高速セクション、これを抜けたらここから道路は高速コーナーが連続だ。

 連続高速コーナーが終わったら、長い直線が続く。この向こうにはヒルクライムではゴール、ダウンヒルではスタート地点がある。


「頂上に着いたけど、すぐ行くよォ!」

 

 翔子のワンエイティは頂上に着いた後はすぐUターンしてダウンヒルを開始した。まずは直線を通り、ヘアピンをドリフトで攻める。次に連続高速コーナーを通り抜けて、高速セクションへ。


「行け行けッ!」


 高速セクションを抜け、右コーナーに入る。ここは葛西サクラとのバトルで翔子スピンしてしまった場所だ。


「このコーナー、クリアしてやるッ!」


 今日の朝にスピンをしたコーナーを、翔子は攻めるッ!


「うわあァァァ!」


 だが、今日の朝同様スピンをしてしまった。冷静にはなれなかった……。


 (ふもと)の駐車場……。




(んゥ……そうすれば冷静に走れるだろうォ……)


 ワンエイティの中で瞑想(めいそう)をしているような座り方をしながら、冷静に走る方法を考える。


(すうゥ~はあァ~)


 ワンエイティの窓を開け、深呼吸をした。深呼吸の後はワンエイティの外を出る。


「葛西サクラァ! おれは君言われた通りに練習しているよォォッ! 絶対に……強くなってみせるからァァァッッ!」


 葛西サクラへのメッセージを叫んだ。絶対に勝ってやるという宣言をしたのだ。


(ブオン、ブオオオオオオオンッ!)


「さあァ、落ち着いて走ろう」


 翔子は再び走り出した。全力でヒルクライム開始だッ!


「ワンエイティ、行くよォ!」


 最初のコーナー、5連続ヘアピンを抜ける。抜けた後は蛇行路ヘアピン交互エリアに入る。


「行くよ、行くよ、行くよォォォォォォ! おれのコーナリングは完璧ッ!」


 エリア最後のヘアピンに突入ッ! 


「ダメだッ! 曲がれないィィィィィ!」


 蛇行路ヘアピン交互エリアの最後のヘアピンでスピンしてしまった。練習走行で冷静になれないのかァァ!?


 練習走行は5時間も続いたが、翔子は未だに落ち着いた走りは出来なかった。


 -------------------------------------------


「智の姉さんいないけど、ただいまァ!」


 午前11時30分、翔子は智の家に帰った。帰ってきてすぐリビングへ行く。


「ふあァ~!」


 リビングに行ってすぐソファーへ座る。両手をあげてリラックスをする。


(グウゥ~)


「お腹空()いたなあァ……」


 翔子の腹の虫が鳴った。お腹が()いたらしい。お腹の空いた翔子は今日の昼ご飯がテーブルに行く。テーブルの上には紙が置かれていた。


「紙は何て書いているかな『今日の昼ご飯はカップヌードルとココアコーヒーだ。智より』」


 智が書いた紙を読んだ。昼ご飯はカップヌードル(シーフード味)とココアコーヒーだ。


(コーヒーの絵に葛西サクラが……ッ!?)


 ココアコーヒーに描かれている美少女は、ヘアスタイルは一本結びにした長い黒髪で、右目は隠れ、釣り目な青い瞳、美人のように整った顔立ちからまるで葛西サクラにそっくりだ。


「葛西サクラァ──おれは超えてやるゥ……。その前に、カップヌードル食べよゥッ!」


 カップヌードルを食べる。まるでグルメファイターのように早く食べている。

 このカップヌードルをわずか1分で食べ終えてしまった。


「次は葛西サクラ、お前を飲み干してやるゥ!」


 カップヌードルを食べ終えた次は缶に葛西サクラ似の美少女が描かれた缶コーヒーを飲み始める。ゴクゴクと一気飲みだ。


「へえェ……どうだ葛西サクラァ、参ったかッ!」


 ココアコーヒーも飲み終え……。


「智姉さんごちそうさまでした」


 昼ご飯はこれで完食だ。

 昼ご飯を食べ終えた後は洗面所に行く。歯磨き、うがい、そして洗顔をする。洗面の後に鏡を見ると、翔子に脳裏(のうり)に閃光が光るッ!


(やっぱおれ、焦りながら走っているかも。それと冷静になろうという気持ちを表を出すより、楽しく走ったほうがいいかも。そうすれば冷静に走れる)


 冷静に走る方法を思いついた。楽しさを感じながら走ったほうが冷静になれると思った。

 家を出てすぐ、再び赤城へ向かった。


 ------


 午後12時15分、赤城山。


 翔子の再チャレンジが始まった。

 まず、最初の5連続ヘアピンに入る。この5つすべてドリフトで抜ける。

 次は蛇行ヘアピン交互エリアに入る。連続するヘアピンと蛇行路を抜け、エリア最後のヘアピンへ突入ッ!

 このヘアピンではスピンしてしまった。翔子はリベンジに挑戦ッ! ヘアピンを攻める、攻めるゥゥゥゥゥ!


「行くよおれッ! 曲がるんだおれとワンエイティィィィィィ!」


(キュイイイイイイイイインッ!)


 ヘアピンをドリフトで攻める。時速150km/hの高速ドリフトだッ! この高速ドリフトで、翔子は今日スピンしたコーナーをリベンジしたッ!


(楽しい……楽しいから冷静になれるんだ)


 自分は楽しいから冷静になれていると翔子は思う。

 ヘアピンをリベンジした後、高速セクション、連続高速コーナー急ヘアピンをクリアする。


「コーナーを攻める感覚が気持ちいいィィ……ッ!」


 今の翔子はとても走るのが楽しくなっている。だからコーナーを落ち着いて走れている。

 午前とは違い、スピン数ゼロでヒルクライムを完走。次はUターンしてダウンヒルへGOだッ!


「行くよゥ、おれとワンエイティッ!」


 自分とワンエイティに話し掛けてやる気を高める。

 最初の直線を通って、ヘアピンを抜ける。連続高速コーナーを130km/hほどの平均スピードで抜け、高速セクションへ行く。

 高速セクションの向こうには何回か翔子がスピンしたコーナーがある。それをドリフトで攻める! 攻める! 攻めるゥゥゥゥゥ!


「行けええええええええ」


 バランス良くコーナーを――攻め、攻め、攻めて! そして……スピンしたコーナーをクリアしたのだッ!


「やった……クリアできた。おれはこの何回もスピンしたコーナーをクリアしたんだ! 後はダウンヒル完走だ」


 何回もスピンした翔子にとってこのコーナーをクリアした達成感は高い。

 その後翔子は完走を目指してダウンヒルを攻め続けた。




 午後8時、智の家のリビング。


「智姉さん、ごちそうさまでした」


 智の作った晩ご飯を食べ終えた。


「智姉さん。おれは今夜のために練習したんです! 冷静なドライブができるようになったと思います。今すぐドリフト大会に行きます!」


ドリフト大会に行くため、翔子は外に行こうとしたが……。


「私も連れて行ってくれ。ワンエイティの助手席に座り、同行するぞ。お前はドリフト大会に行ったら大勢の前だから緊張かもしれないからな」


智も同行すると言い始めた。

2人はワンエイティに乗る。翔子が運転席で、智が助手席だ。


「さあァ、行きますよォ!」


(ブオオオオオオオン!)


 赤城山へ出発進行だ。翔子のワンエイティは爆発音のようなエンジン音を立てながら家を後にした。




 赤城山の5連続ヘアピン……。


「うわあァ……両脇に人がいっぱいだ」


 ふもとの駐車場はギャラリーと走り屋たちの車でいっぱいだった。道の両脇は人がゴミのように集まっている。


 

 頂上……。


「──雨原さん。始まるのはいつだ……?」


「そうだな……もうすぐ始まるぜ」


 WIND SONICの雨原とサクラはドリフト大会がいつ始まるのかについて話していた。


(ブオン! ブオン!)


 RB26DETTの音が聞こえてきた。翔子のワンエイティが頂上に来たのだ。

 ワンエイティから翔子と智が降りる。


「葛西サクラァ! おれは君に言われた通りに練習してきたよ! 絶対、君に勝つッ!」


 翔子はこれのために練習してきたんだ。絶対に失敗は許されない。


「──お前ェ……これに参加するのかァ……?」


 サクラは翔子がドリフト走行会に参加するのかは分からなかった。

 ここで参加するのかを聞く。


「参加するよ! 君に負けたくないからねェ!」


 翔子は答えた。サクラには負けたくない気持ちが強いから参加したのだ。


「大崎、緊張していないか?」


 智は緊張していないか聞く。


「していますけど、頑張ります!」


 と答え、緊張がをしているものの自信満々の翔子だ。


「もうすぐ始めるぞォ! 行くぜェェェェェェェェ!」


 ドリフト走行会がついにスタートしたァ! トップバッターは雨原芽来也ッ!


(ペペペペッ、パァーンパァーンッ!)


 雨原のFDが主走開始。下りを滑るように走り抜ける。

 雨原のドリフトは、コーナーへの侵入がとてもアグレッシブで、駆け抜ける車は景色になりそうなほど美しかった。


「すごいぞォ! さっすが赤城山最速の雨原はダテじゃないなァ!」


 このドリフトにギャラリーたちは大喜びと興奮に包まれたッ! ギャラリーへのアピールポイントは高いィィ!

 赤城山最速の女はさすがだァァァァァ!

 雨原は上りに入る。


「行くぜ、行くぜ、行くぜェェェェェェェェ!」


 上手くマシンをコントロールさせ、コーナーを抜ける。上りでも雨原のFDはかなりのパフォーマンスだ。

 雨原が走り終え、次は雨原とチームを同じとする葛西サクラの番だ。


「──行くぞ……」


 サクラの80がスタート。コーナーに入り、1400kg未満に軽量化させた80の大きな車体をスライドさせる。

 

(キャアアアアアアアア!)


「おおォ! サクラさんのドリフト、カッコいい! さすが俺の将来の結婚相手だ! 俺の心にサクラ(・・・)咲くッ!」


 雨原とは変わらず、ギャラリーは大興奮状態。雨原も、サクラも、両方ともギャラリーを興奮を限界まで高めたからWINDSONICの実力は改めて高いと言える。

 だが、その興奮は後に水の泡と消えてしまう。

 サクラが頂上に着いた後、赤いV36型スカイライン乗りの女が挑戦した。しかし!


(キュアウウウウウン)


「何だよ! 何だよ! スピンしやがって……ッッ!! 雨原さんとサクラさんみてぇなドリフトしてくれると思ったのにッ!」


 彼女のV36はスピンしてしまったのだァ! スピンした場所は最初のヘアピン後の高速連続コーナーッ!

 これに呆れたギャラリー達は帰って行く。

 次に挑戦したのは銀のC33型ローレルの少女ォ!

 

「痺れる憧れるドリフトを決めようかな」


 そう言いながらC33を滑らせた。

 しかし、高速セクション前のコーナーでスピンしてしまう。

 V36の女に続き、スピンしてしまったC33乗りを見てギャラリー達は、


「またスピンかよ、チッ! つまんねー」

 

 と言い出す。帰宅者がさらに増えていく。

 V36乗りとC33乗りのスピンにより、帰宅していくギャラリーが出てしまったせいで、


「ヤバい……ドキドキする……」


 翔子の緊張は徐々に強くなり、身体は氷のように固まってしまった。

 

「緊張しているのか……大崎」


 緊張している翔子に、智は話しかける。


「無理しなくてもいいぞ。焦らず、楽しく走ってくれ」


 智は翔子を励ます。

 智の励ましで、氷のように固まるほどの翔子の緊張が消えてやるきになり、


「智姉さん、おれはやりますッ! 頑張って、帰ろうとするギャラリーを喜ばせますゥ!」


 と言って、ワンエイティの運転席に座り、スタート地点へ向かう。


「ワンエイティ、頑張ってギャラリーを喜ばせるドリフトをしようね。葛西サクラにおれの成長を見せてやろうよ!」


この走行会を頑張ろうとワンエイティに話しかける。


「――あいつは練習をしたと言っていたが……果たして朝よりうまくなっているのか……?」


サクラは翔子を見て、朝よりうまくなったか、練習の成果を見てやろうと言い出す。

翔子は出発した。


「来たぞ! 今度は誰が来るのかァ? なんだ、見たことのない走り屋か……」


 連続高速ヘアピンに突入。

 まだ翔子は見たことのない走り屋だったのでギャラリーの反応は良くない……。


「行くよ……焦らないでね、おれとワンエイティッ!」


 連続高速ヘアピンを終え、高速セクションを走り出す。その向こうのコーナーは翔子にとってクリアしておきたいものだ。

 葛西サクラとのバトルでスピンして敗北し、午前の練習でもスピンした。しかし、午後になるとクリアすることが出来た。

 このドリフト大会ではこのコーナーをクリアすることができるのか……。またはスピンをしてギャラリーたちの笑い者になってしまうのか………ッ! 

 今回は内容より展開の早さを優先して描きました。

 暇人さんのアドバイスで文章を多くし、セリフを減らしています。

 

 終わらせ方は次回が楽しくなる終わらせ方にしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ