*第三章第二節 相続分:第九百条 法定相続分
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
同じ順位の相続人が複数人居るときは、その相続分は、次の各号の定めているとおりとする。
一 被相続人の子どもと配偶者が相続人であるときは、子供の相続分と配偶者の相続分は、それぞれ2分の1ずつとする。
二 配偶者と被相続人の直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2として、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3として、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子供か直系尊属または兄弟姉妹が複数人居るときは、それぞれの相続分は、それぞれ等しいものとする。ただし、異父兄弟姉妹または異母兄弟姉妹の相続分は、父母双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
ここでは、同順位の相続権を有している相続人が複数人居るときについての規定なんだ。
昔は、4号但し書きに非嫡出子と嫡出子を区別して相続分を設けるという規定があったんだ。非嫡出子相続分規定事件という名前でよく知られているんだけど、簡単にいえば、結婚していて生まれた子供―嫡出子のこと―の相続分と、結婚せずに生まれた子供―非嫡出子のこと―の相続分について、嫡出子の半分の相続分しか非嫡出子は受け取れないとした規定についてなんだ。この規定は、差別的であり憲法違反だという判決が、ちょっと前に出たんだ。たしか、2013年9月4日の最高裁決定だったかな。
(著者注:平成25年9月4日、『遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件』の最高裁判所大法廷決定についての判決文が読みたい方は、
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02
へどうぞ。)
その結果、今ではその規定は消されたっていうわけだ。