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*第四編まとめ
「さて、どうだったかな」
俺は、ちょうどキリがいい第4編の終わりのところで、パタンと六法を閉じて彼女を見た。
「親族の関係って言っても、すごくいろいろあるんだね。生きている間に」
「そうだな。確かにややこしかったかもしれないけど、生きている間は、特に法律に縛られて生活をしているんだ。特に家族になるというのは、それだけで権利義務がかなりの数になる。子供や夫婦関係になってきたら、ややこしいこと極まりない」
「でも、これがあるおかげで、どうにかなってるっていうことね」
彼女が言っているのは今見てきた第4編の話だろう。
「そういうことだな。さて、今日はもうこのあたりでいいだろう。今日は土曜日だし、明日も休みなんだろ」
「学校は休みだね」
「なら、第5編は明日でいいかな」
「分かったー」
彼女は元気に返事をして、俺に答えた。
そして、事務所を出ていく彼女の背中を見届けると、仕事の残務整理をしていた。