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民法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第五章第三節 代理
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第百十七条 無権代理人の責任

第百十七条  他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

2  前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。



他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明できず、なおかつ、本人の追認を得ることができなかった場合は、相手方の選択に従い、相手方に対して履行や損害賠償の責任を負う。

前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が無権代理であることを相手が知っていた時か、過失によって知らなかった時、または他人の代理人として契約をした者が行為能力がなかった時は、適用しない。


この条文は、無権代理人を本当の代理人だと信用して契約をした相手方を保護するための規定なんだ。

第1項は、代理人だと称して契約をした場合、自分がちゃんと代理権があるということを証明できず、さらに本人の追認が受けられなかった時、相手方の選択によって、相手方に履行か損害賠償をする責任があるということだね。

ただし、第2項にその例外が書かれてあって、無権代理人だと相手方が知っていて契約をした場合、相手方が過失によって無権代理人だと知らなかった場合、それか、代理人と思っていた者が行為能力者ではなかった場合は、適応されないんだ。


例えば、Aさんと、Aさんの代理人であるBさん、そしてAさんとAさんが持っている別荘甲がほしいCさんがいたとするよ。

この場合、CさんがBさんを信頼して甲の売買契約をしたんだけど、Aさんがそのことを追認せず、さらにBさんがAさんから代理権を与えたもらったと証明ができなければ、CさんがBさんに対して、履行か損害賠償をするという責任が発生するんだ。

ただし、この時に、Bさんが無権代理人であることをCさんが知っていた場合、Cさんが過失によってBさんが無権代理人であることを知らなかった場合、Bさんが行為能力者ではなかった場合には、CさんがBさんに対して履行か損害賠償をする責任を問うことはできないっていうことだね。

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