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*第三編まとめ
俺は、すっかりと夕暮れになりつつある空を見ながら、六法を閉じる。
「これで、民法第3編債権は終わり。どうだったかな」
「やっぱり債権は、契約、事務管理、不当利得、不法行為が中心なんだね」
「それは仕方ないね。事務管理はあまり行われていないけど、ほかの3つ、契約、不当利得、不法行為は、当然のように今でも行われているものだから、これらは必ず覚えるように」
俺は彼女にそう言って、注意をした。
「わかったー」
彼女は、短く返事をした。
それから俺は家へと帰ろうとした。
「帰るの?」
「まあな。次は第4編親族についてだけど、それはまた後日でいいだろ」
「今日は遅いからね。次はいつしてくれる?」
「そうだなぁ…家族法も時間かかるだろうから、たっぷりと時間が取れる時と言えば、やっぱり土曜とかになるかな」
俺が彼女に言ったら、だったらと前置きをしてから。
「次の土曜日でどうかな」
「両親に話はちゃんとつけておけよ」
「分かった」
俺は彼女の家を、それだけ言ってから出た。
幼馴染夫婦は、俺が教えている間に別のところに買い物に出たということで、出迎えは無かった。