第百九条 代理権授与の表示による表見代理
第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
第3者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内において、代理人が第3者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第3者が、その他人に代理権を与えられていないことを知っていたり、過失によって知らなかった時は、この限りではない。
"第3者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者"というのが、これまで言ってきた"本人"のことだと思えばいいよ。
本人が代理権を与えた他人というのが、任意代理人のことになるから、任意代理人がしたことについては、本人も責任を負うということが書かれている条文だということが分かる。
但し書きについては、第3者が、代理人のような感じにふるまっている人が、本当は代理人ではないことを知っていたり、過失によって知らなかったという時には、本人は責任を負わないということを決めた条文になるんだ。
ちなみに、ぱっと見で本当は代理人じゃないのに、代理人のようにふるまっている代理のことを、"表見代理"というんだ。
後で、表見代理についてはいくつか出てくるから、その都度詳しく説明することにするよ。