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民法私的解釈  作者: 尚文産商堂
閑話
402/1107

閑話8「根抵当権」

「結局、根抵当権ってなんなの?」

一通り終わってから、彼女は俺に聞いてきた。

「じゃあ、普通の抵当権と比べてみよう。この、普通の抵当権のことを通常抵当権ということもあるよ。これは、根抵当権と比べての話だけどね」

再び六法を開き、その横には辞書も用意する。

「そもそも、抵当権というのは第369条によって『債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産』に対して設定することができるようになっているんだ。この権利を設定することによって別の債権者よりも先に弁済を受けるようにできるんだ。根抵当権は抵当権の一種だけど、第398条の2によって『一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するため』の抵当権のことを指すと定義されているね」

彼女は、うなづきながら俺の話を聞いている。

「で、抵当権というのは、設定行為によって決められた債権のみを担保するんだ。でも、これでは不都合なこともある」

「どういうこと、債権ってそう変わらないでしょ。だから、抵当権だけでいいんじゃないの?」

「そうでもないんだ。例えば、大規模な商社と銀行を思い浮かべてみよう。大規模になれば、当然扱う金額も増えるよね、でも、手持ちの資金が足りない時には、銀行から融資を受ける。その融資は、受けては返し、返しては受けるの繰り返しなんだ。こんなふうに、日常的に債権がかわっていくと、膨大な担保が必要となってしまう。その取引ごとに設定することになるからね」

なんとなく彼女の顔が、分かったような表情を浮かべている。

「つまり、債権債務の関係がいつも変動をしているから、その都度に抵当を設定していると、面倒だっていうことね」

「そういうこと。そこで出てきたのが根抵当権なんだ。これは、極度額という、ここまでなら担保の目的物の範囲とする金額を設定しておけば、根抵当権の元本が確定してから普通抵当権と同一のものとして扱うことができるんだ。元本が確定するまでは、根抵当権はそのままの効力を維持するんだ」

「ということは、根抵当権は、元本が確定できたら抵当権にかわるっていうことね。じゃあ、いつになったら元本が確定するの?」

「期日を決める場合は、5年以内に設定する必要があるんだ。でも、期日を決めていなくても、根抵当権設定者なら3年後、根抵当権者ならいつでも、元本を確定させるための確定請求ができるんだ」

「そういえば、そう言ってたわね」

あっさりと忘れていたように、彼女は俺に言った。

「おいおい忘れるなよな。まあ、根抵当権というのは、あまり詳しくは教えない範囲だから、あまり授業では気にする必要はないと思うね。まあ、そんなところかな」

「うん分かった。ありがと」

彼女はそう言った。

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