第一条 基本原則
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。
第1項については、私権っていう、一般人が持っている人権でも、公の規則に対しては従うことになっているっていうこと。
例えば、契約で、"いかなる場合にも情報を開示しない"という文言を入れたとするね。
それでは、行政機関から情報開示請求に対してこの契約の文言が適応されるかといえば、そうじゃないんだ。
それが、『公共の福祉に適合』していないという理由だからだよ。
で、第2項について、『信義に従い誠実に行わなければならない』っていうのが、いわゆる『信義則』とか『信義誠実の原則』言われているもので、これは、あまり使われないところだな。
平たく言えば、"約束を守ろう"って言ったところで、一度合意したものは、互いに守る義務が生じるって言ったところだな。
あまり使われないのは、こればかりを言い続けていると、他の法律なんか一切不要になっちまうことなんだ。
それで、あまり使われることはないな。
でも、他のどんな法律を使ったとしてもどうしようもなくなったときに、この条文を使うことはある。
詳しくは、ググッてくれ。
第3項については、第2項と一緒に考えられることが多いな。
こいつは、自分がいかに権利を持っていようが、それを使いまくっちゃ行けないっていう話だ。
有名な判例に『宇奈月温泉事件[昭和9年(オ)第2644号妨害排除請求事件、大審院昭和10年10月5日判決民集14巻1965頁]』があるな。
この事件は、富山に宇奈月温泉っていう温泉があって、その源泉の黒薙温泉からお湯を引っ張ってくるために木製の管を通したんだ。
もちろん、その管を通すための権利取得はしっかりとしておいたんだが、その管が運悪く、利用権を受けていない急斜面の土地2坪を通してしまったんだ。
その2坪は隣接している112坪の土地と一緒に別の人のものだったんだが、最初は黙認してたんだな。
だけど、赤の他人がその土地を買って、周辺の土地を含めた3000坪を法外な値段で売りつけたんだ。
それを突っぱねたら、2坪のところを通っている管を撤去しろという請求を裁判所に申し立てたんだ。
そして、当時の最高裁である大審院において、買えと要求した人については、なんの利益もない土地だが、もしも請求を認めたとしたら、宇奈月温泉に致命的な損害をもたらすとしたんだ。
そのような請求は所有権の目的に反するとして、権利濫用に当たるとしたんだ。
まあ、詳しくは学校で聞いてくれ。
多分、民法で真っ先に習う判例だから。