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閑話1「枝番号」
「そういえば、気になってたことがあるんだけど…」
彼女が、説明をしている俺に聞いてきた。
「どうしたんだ」
説明をしている手を少し止めて、彼女に聞き返す。
「たとえば、第32条の2みたいなものってあるじゃない。あれって、どういうことなの?」
「ああ、それはな、最初はなかった条文なんだ。後で、これが必要だろうと思って挿入したんだよ」
「他にもあるの?」
「当然。"地方自治法"には"第二百五十二条の十七の九"みたいなものもあるよ。これは、最初に第252条があって、その後に第252条の17を入れ、さらに第252条の17の9をいれたんだ」
「でも、どうしてこんなことをするの?そのまま条数を変えていけばいいんじゃない?」
「後々が大変になるよ。条文数が膨大になってくると、後ろのほうの条数を決めることも難しくなるんだ。だから、こうやってごまかしみたいな感じで入れるんだよ」
「ふーん」
彼女は、なんとなく納得したような顔を見せた。
「じゃあ、次にいくかい?」
「うん」
次は、第1編第3章、法人についてとなる。