第二百四十六条 加工
第二百四十六条 他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
2 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。
他人の動産に手を加えた者 (この条では加工者と呼ぶ)がいる時は、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって発生した価格が材料の価格を大きく超える時には、加工者がその加工物の所有権を取得する。
第1項の規定で、加工者が材料の一部を提供した時は、その価格に対して工作によって発生した価格を加えた者が他人の材料の価格を超える時に限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。
加工者が加工したとはいえ、材料を提供したのは材料の所有者ということになるから、加工者が作っても材料の所有権となるんだ。ただし、加工者によって創られた価値が提供された材料よりも著しく高いと、加工者が所有権を取得することになるんだ。
加工者が材料の一部を提供した時に加工者が加工物の所有権を取るためには、提供した材料の価格に加工者によって作られた価値を足したものが、材料の価格を超える時だけになるんだ。
例えば、地金を加工して指輪を作ったとする。
地金の価格より、指輪の価値が高ければ、加工者の所有物。指輪より地金のほうが価値が高ければ材料を提供した人の所有物となるんだ。
でも、指輪の装飾品として銀を加工者が付け足したとすると、その銀の価格と指輪の価値を足したものが地金よりも高くないと、加工者の所有物とはならないんだ。