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第百九十条 悪意の占有者による果実の返還等
第百九十条 悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
2 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
悪意の占有者は、果実を返還し、なおかつ、すでに消費し、過失によって損傷し、もしくは収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
前項の規定は、暴行や脅迫や隠匿によって占有をしているものについても準用する。
これは前条と対になっている条文なんだ。
例えば、善意の占有者であるAと本権の訴えを起こしたBがいるとするよね。そして、この2人の間には、争いの元となっているリンゴ農園の甲がある。
Aが善意の占有者である間は、甲で収穫したリンゴを好きなようにできるんだ。でも、Bが勝訴した途端に、Aは悪意の占有者として、訴えられた時からの果実の代価をBに支払うことになるんだ。
仮に、Bから暴力や脅迫などで無理やり甲の占有権をとったり、占有をしているのも秘密にしているような状態であっても、悪意の占有者と同じように扱われるんだ。