表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
民法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第一編まとめ
143/1107

第一編まとめ

「…どう?」

俺は、彼女に聞いた。

「分かったことはただ一つ。なんでこんな難しい規定を創ったの?」

「仮にさ、岩子(いわね)がお小遣いを母親から前借していたとするだろ。そしたら、一定期間が経ったらそのお小遣い分を返還することも無くなるんだ。必要だろ」

「うーん…それは重要かも……」

彼女はそう言って、考え込んでしまった。

俺はそこですかさず聞いてみる。

「それで、第1篇をまとめてみると、どんな感じになる?」

「え?えっと……」

彼女は考え込んで、俺に言った。

「法的な人とは何か、住所はどうやって決められるのか、契約をする時にどうしたら向こうや取り消しができるのか…かな」

「お前、民法音読100回してこい」

冗談のつもりで言ったら、すぐにそのことが分かったようで、壁にかかっている時計を見て立ち上がった。

「もうそろそろ帰らないと。お母さん心配してるかも」

「送って行こうか。俺も帰る時間だ」

午後7時。

俺以外には所長が一人でコーヒーを飲んでいるぐらいだった。

「所長、帰りますけど大丈夫ですか」

カバンに必要以外の書類が入っていないことを確認しながら、聞いた。

「ああ、大丈夫だ。気をつけてな」

「はい、失礼します」

所長に軽く会釈をしてから、事務所から出た。


自動車で家まで送っていく道すがら、俺は彼女に聞いてみた。

「それで、第2編以降はどうするつもりなんだ」

「明日…とかは?」

明日は土曜日で、俺は久しぶりのオフだった。

「…仕方ないな。後進を育てるとするか」

「いいの?!」

「事務所は締まっているだろうから、俺の家か、岩子の家のどっちかだな」

「じゃあ、小父さんの家で」

「いつ?」

「午前10時は?」

「午後からがいいんだがな」

「じゃあ午後1時ぐらい?」

「それでいこうか」

「分かった。じゃあ、お母さんにも言っておくね」

「俺からよろしく言っていたと伝えておいてくれ」

「分かった」

彼女は、うなずきながらカバンから携帯を取り出してメモをしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ