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民法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第二章第七節第二款 賃貸借の効力
1037/1107

*第七章第二節第二款 特別の方式:第九百七十六条 死亡の危急に迫った者の遺言

第九百七十六条  疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。

3  第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。

4  前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

5  家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。



疾病(しっぺい)その他事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとする時は、証人3人以上の立ち会いをもって、証人のうち1人に遺言の趣旨を口授して、遺言をすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、口授の内容を筆記して、遺言者および他の証人に読み聞かせ、または閲覧させ、それぞれの証人が描かれた内容が正確なことを承認した後、遺言に署名し、印を押さなければならない。

2、口がきけない者が第1項の規定によって遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳によって申述して、第1項における口授に代えなければならない。

3、第1項後段の遺言者または他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口述または申述を受けた者は、第1項後段に規定している筆記した内容を通訳人の通訳によって遺言者または他の証人に伝えて、第1項後段の読み聞かせに代えることができる。

4、第1項から第3項の規定によって行った遺言は、遺言の日から20日以内に、証人の1人または利害関係者から家庭裁判所に請求して確認を得なければ、その効力は発生しない。

5、家庭裁判所は、第4項の遺言が遺言者の真意に出たものであるという心証を得なければ、遺言を確認することができない。


疾病というのは病気だということだね。

第1項後段というのは、『この場合においては』の後の文章のことを指すんだ。

病気で死にかかっていたり、老衰などで死にかかっている状態の人なら、この条文など、死ぬ直前や特別な場合によって遺言を行うことができるんだ。このような遺言の方式のことを、危急時遺言というんだ。特に、この条文のような遺言の方式は一般危急時遺言ということがあるよ。

一般危急時遺言である場合は、証人3人以上の立ち会いが必須で、証人のうち1人が遺言をする人が言う事柄を書いて、遺言とすることになるんだ。この時、遺言者が口がきけない場合は、通訳人を介して口授とする必要があるわけ。そして、書き終わったら、証人に読み聞かせたり見せたりして、ちゃんと正しいということを承認してもらう必要があるんだ。この承認の時に、遺言者自身や証人が耳が聞こえない人であるならば、通訳人の通訳によって読み聞かせの代わりとすることができるんだ。これらが終わると、遺言に署名したうえで、印を押す。これで遺言書の完成。

遺言書が書き終わると、20日以内に家庭裁判所に請求して確認を得る必要があるんだ。この時の請求者は証人か利害関係者かどちらかね。ただし、家庭裁判所は遺言者の真意であるという心証がなければ、遺言の確認は出来ないんだ。

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