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民法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第二章第七節第二款 賃貸借の効力
1036/1107

第九百七十五条 共同遺言の禁止

第九百七十五条  遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。



遺言は、2人以上の人が同じ証書で行うことができない。


遺言というのは、1人1つの証書で行わなければならないんだ。これは、共同遺言の禁止と呼ばれる条項なんだ。

共同遺言というのは、2人以上で1通の遺言書を作る遺言のことをいうんだ。これには判例がいくつかあって、有名なところでいえば、昭和56年9月11日最高裁判所第2小法廷で行われた遺言無効確認訴訟について。これによれば、『同一の証書に二人の遺言が記載されている場合は、そのうちの一方に氏名を自書しない方式の違背があるときでも、右遺言は、民法九七五条により禁止された共同遺言にあたる』、とされたんだ。つまり、1通に連名や自筆証書遺言以外では有効となるような別人の遺言が書かれていた場合、それは今見ている第975条によって無効とされると言うことになるんだ。

他にも、平成5年10月19日最高裁判所第3小法廷で行われた遺言無効確認訴訟があるな。これは、『本件遺言書はB五判の罫紙四枚を合綴したもので、各葉ごとにDの印章による契印がされているが、その一枚目から三枚目までは、D名義の遺言書の形式のものであり、四枚目は被上告人B名義の遺言書の形式のものであって、両者は容易に切り離すことができる、というものである。右事実関係の下において、本件遺言は、民法九七五条によって禁止された共同遺言に当たらないとした原審の判断は、正当として是認することができる』ということだったんだ。これによって第975条においては、容易に切り離すことができ、それぞれの名義がしっかりと分かるような場合であれば、共同遺言にはあたらないということになるんだ。


(作者注:判例について、以下を参照しました。

・昭和54()1208 昭和56年9月11日最高裁判所第二小法廷判決

 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53351&hanreiKbn=02

・平成4()818 平成5年10月19日最高裁判所第三小法廷判決

 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=73150&hanreiKbn=02

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