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― アース國、西の荒野 ―
未だ煙の立つ戦場跡地に、1人の女性が地面に膝を付いていた。
彼女の前には数時間前まで一緒に楽しく話をしていた、数分前まで一緒に戦場を駆けていた、数舜前まで生きてていた、自身の半身ともいえる存在の『彼』が手にしていた血塗れのコンバットナイフ。
傍に転がる、血塗れの『彼』だったモノを前に、彼女は魂が抜けたかのようにそれらを見ていた。
彼女の後ろには、彼女と『彼』が属する隊の仲間が各々俯いたり、泣いて居たり、視線を逸らす様に目を瞑って居たりする。
「にぃ・・・」
彼女の実の兄であった『彼』は、敵の大将と共に手榴弾で心中したのだ。
妹をしつこく付け回すソイツを道連れにする覚悟と共に、『彼』は最期に彼女にへと、ある意味では『呪い』を掛けた。
自分がいなくなった後も、彼女がちゃんと生きて行けるように一言、「お前は死ぬな」と。
「・・・にぃ、そろそろ次に移動だよ・・・早く、起きて・・・?」
答えないと、もう動かないと頭では分かっているのに、彼女の口からはそんな言葉がもれた。




