表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
只人の『召喚魔法』運用法  作者: 上昇線


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/32

5

その長剣は、装飾などもなくシンプルな造りだった。

遺物は手にすることで、その効果を()()することができる。


媒体は長剣。

効果は「およそ2割程の筋力向上」。


魔法が使えるような劇的な効果ではないが、実直で腐らない効果だ。

一般的には「当たり」の部類だろう。――俺以外には。


しかし、初めての「実戦」での遺物獲得だ。

嬉しくないわけがない。

売れば幾らになる? オークション形式なら30〜50万といったところか。

この遺物を自己強化にあてても階位の昇格が出来るとは思えないので、持って帰って売る金策用とする。

背嚢からはみ出してしまっているが、持ち帰れれば問題はない。


火火猿の魔石を全て吸収しても、階位の器は体感1割といったところだ。

単純計算、今の戦闘をあと9回行えば昇格出来る。

――たった9回だ。簡単だ。

手の震えは、決して恐怖からではない。

黒馬は完璧だった。俺がヘマをしなければ死ぬ事はない。


探索を続けると、山肌に横穴が開いているのを見つけた。

黒馬を先行させて突入させる。中で短い戦闘音があり、入るとガマグドリの死体が二つ転がっていた。

穴はそれほど深くなく、一時の拠点にするには丁度いい。入り口に黒馬を見張りとして立たせる。


ダンジョンでの休憩や寝泊まりで召喚生物に見張りを任せるのは、最も一般的で支持されている方法だ。

召喚生物には疲労がなく、長時間の運用では集中力が途切れやすい人間よりも重宝されるからだ。


ん?

洞窟の奥。

ガマグドリの死体を超えた先の岩肌に、不自然にナイフが突き刺さっている。

触れずとも、遺物だと直感した。


幸運だ。

魔物を殺したドロップ品ではなく、ダンジョンに直接湧いた「自然発生」の遺物のようだ。


柄を握り、引き抜く。

少し錆が浮いた、古びた刀身。

媒体は小振りなナイフ。

効果は召喚魔法――『ゴブリンを2体召喚する』。


一般的にはハズレ遺物。

だが、自分にとっては限りなく「大当たり」だ!


――ゴブリン。

別のダンジョンで黒馬の雷魔法で3匹まとめて殺した魔物。

ダンジョンに入ったばかりの第一階位(一般成人男性)なら、一対一で負ける事はまず無いとされる最弱の存在。

身体能力は「第零階位(ダンジョン未侵入の子供)」とほぼ同等とされる、雑魚魔物の筆頭だ。


俺はゴブリンのナイフを握り直し、効果を念じる。

光と共に、俺の周囲に2体の影が現れた。


背丈こそ子供サイズで変わっていない。

だが、その体つきは栄養失調のような本来の姿とは程遠い。筋肉のついた頑強な肉体。

そして手には、本体のような錆びたナイフではなく、鈍色に輝く鋭利なナイフが握られていた。


階位の上昇によって強化された「ゴブリン」。

新たな戦力が、加わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ