25
焼けた爆発牛の肉を齧る。
口に含むと脂が溢れ出し普通に美味い牛肉だ。
塩気は切実に欲しいが食べられないことはない。
調味料の類を一切持ってこなかったのが悔やまれる。
味付けなしは微妙だが塩胡椒さえあれば絶品だろう。
もしかしたら3日後にはこの食事すら贅沢に思えるかもしれない。
冗談にしたくない懸念が頭をよぎり俺は首を振って思考を追いやる。
とりあえず腹一杯詰め込みその間にゴブリンが回収した大量の魔石を全て吸収した。
第三階位相当の魔石も含め残さず取り込む。
腹ごしらえを終え俺はゴブリンに次の命令を下す。
「青龍」達の遺品回収だ。
集められた装備の大半は俺と相性が悪くただの重りになると判断し吸収させてもらった。
魔石と遺物を吸収し昇格までの蓄積は体感で7割といった所。
やはり遺物の吸収効率が良い。
戦闘で破損・紛失した物も多かったが手元に残すと決めた遺物は二つ。
【媒体:指輪】
効果:森林狼の召喚
【媒体:アンクレット】
効果:泥人形の召喚
この二つは俺が使うことにした。
これら以外に火の出る刀や血で汚れた大型のラウンドシールドなどもあったが全て吸収済みだ。
ダンジョン内での野営は「本気」で攻略するパーティーなら常識だ。
通常は交代で見張りを立てたりするが、何らかの遺物で召喚獣を使用するのは常識だ。
決して裏切らず疲れを知らない魔法生物ほど長時間監視に適した存在はいない。
森林狼は第二階位の魔物だ。
鼻が利き耳も良い。
見張り役としてこれ以上ない適任だろう。
他にも魔法系の遺物を期待したがめぼしい物は見当たらなかった。
俺は緑の草花が装飾された指輪を嵌め足首に銀色のアンクレットを装着する。
現在の手持ち戦力を整理しよう。
春花 アキ
第三階位(昇格までの器は約7割満たされている)
【第一階位】
・ゴブリン二体(錆びた小振りのナイフ)
【第二階位】
・森林狼(草花の指輪)
・黒兵士のスケルトン5体(黒い指輪)
・黒馬(スロット装備)
・泥人形(銀のアンクレット)
【第三階位】
・黒石の巨人(黒い腕輪)
・ゴアデビル(大きな杖)
【スロット特性】
・黒馬の召喚獣
・騎乗時に補正がかかる
・反射神経に補正がかかる
以上が俺の現在の全てである。
黒石の巨人や黒兵士に関しては、自分の体感である。
正式名称は知らない。




