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只人の『召喚魔法』運用法  作者: 上昇線


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13

ゴーレムもデビルも、白いスケルトンの軍団に飲み込まれて混戦となった。

俺はすぐに指輪の召喚魔法を発動させる。

現れたのは、5体の黒いスケルトン。

黒い薔薇の彫刻が施された防具に身を包む兵士達だ。

長剣と盾を持ち、背には弓矢も装備している。

その動きは、敵のスケルトンとは一線を画すほど滑らかだった。

5体の黒兵士は、白いスケルトンの海にぽっかりと空いた「安全地帯」を維持してくれている。


黒馬は、どのタイミングで火槍が飛んできても相殺出来るように待機させている。

膠着状態。


先ほどの一撃でデビルが死んでくれていればそれでいいが、恐らく死んではいないだろう。


追い詰められているのは自分――いや違う、有利なのはこちらだ。


黒石の巨人は敵ゴーレムの攻撃をまともに喰らってしまっていたが、間もなく倒し切るだろう。

その後はその膂力に任せて、背後からスケルトンを掃討してくれれば良い。

666秒という時間制限はあるが、十分足りるはずだ。


――仕掛けて来るなら、お前からだ。


黒兵士に向けて、火槍が飛来する。

兵士は手持ちの盾でそれを防いだ。

同時に、黒馬が動く。飛んできた方向へ、全力の雷撃。

溜めに溜めた雷撃は、一筋の閃光となって放たれた。

これが全力。

第三階位相当の召喚生物が放つ、後先を考えない破壊の一撃だ。


砕け散った骨が散乱する中、スローモーションのように時間が圧縮された感覚に陥る。


雷撃を喰らい、地面に倒れ伏すゴアデビル。

確実に仕留めた。

――だが、こいつは……別個体だ。


ハッとした瞬間に、俺は黒馬を「回収」した。

一か八かの二択。

直後、足元で爆発が弾ける。

再び俺は吹き飛ばされた。


地面に転がり、すぐに立ち上がる事ができない。

しかし、俺は痛みを無視して即座に黒馬を再召喚する。

全身が痛い。骨も折れているだろう。

だが、あの瞬間、隠れていたデビルが狙ったのは「俺」ではなく「黒馬」だった。


無闇矢鱈な爆発音が響く。

倒れながら視線を向けると、黒馬がデビルの火槍を雷撃で相殺していた。


時間の問題だ。


黒石の巨人は敵ゴーレムを倒しきり、スケルトン掃討に合流している。

黒兵士は一人も欠ける事なく、大量のスケルトンを捌き切っている。

白い戦場にぽっかりと空いた空間で、満身創痍で倒れ込んでいる俺。

この状況こそが、俺の勝ちだ。


その後、さらに激しくなった火槍の嵐。だがその全てを黒馬が相殺し、スケルトンの数が減ってきた隙を突いて、黒兵士の弓がゴアデビルを射抜いた。


まだ活動時間内だった黒兵士達に、時間いっぱいまで辺りに散らばった魔石の回収を命じる。


黒馬にもたれかかりながら、出口へ歩く。

扉は自然と開いた。


扉の向こう側で、黒兵士たちの活動時間が過ぎ、光となって消えていく。


デラボネアからの遺物がなければ、確実に死んでいた。

次に会う事があれば、しっかりと礼を言いたい。


揉みくちゃになった鞍と背嚢は確保出来た。

少し、横になって眠りたい。

俺は背嚢を枕に、黒馬を見張りとして眠ることにした。


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