カジノドライブ
うんこ悪魔のやつは、俺達をギンロウ街に降ろすと、帰って行った。
何しに来たんだあいつ?
リーザが急成長したんで、びびって逃げたのかもな。
幼生ドラゴンを拾ったからなあ。
リーザの女神レベルは、すげぇ上がったはず。
生まれて3日で、俺の1000年分を追い越したかも。
それくらい、ドラゴンと女神は相性がいい。
幼生ドラゴンなんて、初めて見たけど、人間の形してんだな。
リーザよりも小さいし、ぽーっとして、これがドラゴンなの?
こいつも大きくなったら、この町を滅ぼすのかな。
頑張って育ててくれ、後輩。
ここは、ワワンサキで一番の繁華街らしいんだけど。
メシが、まずい。
刺身は、ちょっとだけましだった。
肉より魚って、おみくじのあれは、このことかよ。
宿の風呂も狭い。
なんで人間はこんな町に群れたがるんだ。
リーザと、怪獣相撲をしたら、クリームに怒られた。
相撲はリーザの圧勝だった。
やっぱり、俺のレベル負けてるな。
宿で一泊してから。
俺達は、クリームに連れられて、銀行に来た。
銀行に来るのなんて初めてだ。
今まで、お金なんてちょっとしか持ったことがない。
小さい子供にメシを食わせたがる奴が、居るからな。
クリームみたいに。
明日のパンツさえあれば、なんとかなって来た。
ドラゴンに貰った金貨を150枚だけ持ってきた。
これが、6000万円になった。
1人2000万円だ。
残りの金貨も使えば、学校に行ける。
クレジットカードも、作ってもらった。
俺の名前が入ってる、銅のカードだ。
使う事は無いと思うけど。
もっと沢山お金を預けると、カードの色が金色になる。
さらにもっとだと、プラチナ、だとか言ってる。
リーザは、そういうのに興味あるらしい。
芋虫が蛹になって蝶になっていくのを眺めるようなもんかな?
女神レベルが上がるなら、カードの色を替えるのもいいな。
銀行では、豪華な部屋に通されて、ケーキをもらった。
クリームについて行くと、食べるのに困らなくていいな。
あのシスターのことを、ちょっと思い出すよ。
リーザのメイドは、あのシスターに似てる。
着てる服まで、似てる。
そのせいで、余計にシスターの事を思い出す。
銀行の後で、不動産屋に行った。
住む家を借りるのは、敷金とか保証金とかがめんどくさい。
ここでは、さっき作ったカードがあれば、それだけでいいらしい。
都会も、そういうのは便利だな。
部屋探しは、アンに任せて、俺達は喫茶店でパフェとか食って待った。
「こういうのは、メイドさんに任せるのじゃ」
とか、リーザは言っているけど。
こいつは、単に面倒だったんだと思う。
ドラゴン退治の時は、先陣切って動いてたけど。
自分の興味がないものは、どうでもいいんだ。
そういうの、神や天使と似てる。
女神っぽい、と言えるな。
アンが選んでくれた部屋に引っ越しだ。
といっても、別に運び込むものも無いけどな。
住む家があるなんて、いつぶりだろう。
また、シスターの事を思い出す。
俺が最初に住んだ家は、教会だったな。