表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神リーザちゃんの日記  作者: へるきち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/56

Goddess Bless You

「俺の神話の最終章を決めに来たぜ」


何やら、カッコイイことを言う全裸のセリカ先輩。


真っ黒な悪魔の湯の中で、セリカ先輩は、家出中のことを語ってくれた。

長かったので、コルサちゃんはまったく聞いていなかった。まあ、聞いても、さっぱり分からんかった。聞き流していいんじゃないかな。


「ミーと一緒に、エタナル教の総本山に殴り込んだんだぜ。あのうんこ神父が居るって聞いたからな。あいつ、ワナビー教会の神父だったくせに、どういうわけか、エタナル教に居やがって、学園の理事になってやがった。王家まで巻き込んで好き勝手やってやがった。1万年も経ってるのに、ニンゲンは成長しないな!しかし、ばかだなあのうんこ!エタナル教は、俺達の縄張りなのにな!」


分かったのは、セリカ先輩が1万歳以上ということくらい。正確には1万6歳とかだろうか。正確な年齢は本人にも分からないそうだ。

でも、なんでもいいよ、セリカ先輩が楽しそうだからね。


「本当はなー、ズンダでお前が大軍に囲まれたところで、俺が助けてな、それでおしまいのつもりだったんだ。俺、あの騒ぎをずっと見てたんだぜ?たこ焼き食いながら」


やっぱり、たこ焼き食ってたツインテールは、先輩じゃったか。

先輩のお陰で、わしは、あの場を乗り切れたよ。


「あの国では、ずっと戦争してたろ?バカなニンゲン共が。俺が祈りを捧げてやってなかったら、もう滅んでたかもな、あいつら」


コルサちゃんが、うちまでこれたのも先輩のお陰?


「ワワンサキでは、うんことばかを退治したしな。だから、俺も、もうそろそろおしまいだと思うんだよな」


おしまいって、なにがだよ。


「お前は、ほんとにすごいな!俺は、国を3つも治めた事なんかないぞ?」

「それは、違うのじゃ。みんなの力なのじゃ、わしはただのぽんこつ幼女なのじゃ。セリカ先輩にだって、大きな恩があるのじゃ」

「そうか?俺達、会って7日くらいしか一緒に居なかったぞ?」

「それでも、セリカ先輩抜きでは、今のわしはないのじゃ」


セリカ先輩の体が、ほわほわほわっと輝き出した。


「…やっとおしまいか」

湯舟から立ち上がって月を見上げる先輩を、わしは、そっと抱きしめた。セリカ先輩も、わしを、やさしく抱きしめてくれる。


「俺が、ドラゴン一家の一員だった瞬間は、俺の神話の中で最高にクライマックスだぜ!」


月から、強い光が降り注ぎ、セリカ先輩の体を包む。


光の中で、セリカ先輩が、消えていく。


「じゃあな!またな!」


セリカ先輩は、地上を去った。わしがこの世界に来て初めての満月の夜に。

女神セリカの神話は、どこに行けば読めるんじゃろうか?


わしの神話は、誰が残してくれるのじゃろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ