どらごん戦争(13)Stand Up and Shout
オエド銀行を辞めてから毎日ご飯がおいしい。
連合国では、上に行けば行く程、立場も権力も弱くなる。金持ちが庶民に搾取される国。
銀行のトップになったけど、別に楽しいことはなかったよ。
どらごん組には、楽しいことが沢山ある。
領地の守りを固める壁を作るよりも、露天風呂を優先したりする。
どうかしてるよね。
僕も今、その露天風呂に入っているわけだけどね。
状況は依然進行中なんだ。油断は出来ないんだよ。
戦況と今後の展開を整理しておこう。僕は、数字や金勘定には弱いけど、作戦の立案や実行は実績があるんだ。
銀行員だったのにね。
<目標>
どらごん組を国家として独立させること。
<条件>
周辺三国と不可侵条約を締結する。
もしくは、絶対的な防衛圏を構築する。
<進捗>
☆ターマの国(旧ターマ市)
クリームが落とした後で、傀儡政権を作ったね。
この国は、どらごん組の支配下だよ。
星ひとつってとこだね。
・ズンダ共和国(旧ズンダ王国)
王家を殲滅して、内戦は終了した。
今は、民主革命軍の軍事政権下だね。
民主化の理念はどこに行ったのかな?
・ワワンサキ連合共和国
周辺三国の中では最大だね。
ターマ市が抜けたけど、影響はあまりないね。
首都内で、テロが多発してる。黒幕は私でも掴めていない。
<対策>
ワワンサキ連合には主体が無い。ズンダみたいに王家を倒して終わるような単純さが無い。
王はトップじゃない。雇われ王様だ。仕留めても、代わりはいくらでもいる。
資金源を断てば弱るから、オエド銀行を狙ってるリーザちゃんはいいとこついてるなと思う。
こいつらを、どうこうするのは難しいけど、テロで勝手に弱って行くだろう。しばらくは様子見かな。
ズンダは、ズンダ騎士の残党狩りの名目で、ターマに兵を送り込んでる。
このままじゃ、ズンダとターマが開戦しちゃうよ。
まずは、ズンダを潰すべきじゃないかな。
相手が、暴力でくるなら、話は単純だ。こっちも暴力で迎えればいい。
民主革命軍の黒幕は、ワワンサキだから、やつらへの牽制にもなるよね。
ひとり戦略会議終了、っと。
で、さっきから何を騒いでるんだい?
「お笑いの神でしょ?」
「ぱんつの神ですよね?」
「うちの父は、オフトンの神って言ってました」
リーザが何の女神かって話題かな?
「ハナちゃんは、なんだと思う?」
どうせ答えは出ないんだけどね。各家に伝わる聖書の内容は、ばらばらなんだから。
「食い倒れじゃないの?」
私は、孤児院育ちなので、孤児院の図書室にあった聖書を写本して、自分のものにした。
それには、リーザの事は書いてなかったので、これは私が追記する予定のオリジナル設定だ。
「せいなるそんざいなのよ」
コルサちゃんから「聖なる」なんてワードが出てくるとは驚きだね。
「オモッチ家では、復活の神と伝わっています」
「なんで復活なの?ズンダ的には邪知暴虐の神とかじゃないの?」
「倒れても復活すれば、永遠に戦えますので」
キナコ隊長の解釈は、実にズンダらしいね。
実際、今の彼女はそういう加護を受けているもんね。
「そんなことはどうでもいいのじゃ。次の戦略を決めるのじゃ」
リーザ親分が、話題を変えてきたよ。
目の前で自分を神扱いされて落ち着かないんだね。
「ズンダと戦争です。それしかありません」
「私は、姉さんと同じです」
アンが、いつの間にか合流しているよ。
君は、別の場所で任務があるんじゃないのかい?
そんなに姉さんに会いたかったのかい?
「ズンダを落とすのに賛成だね。手段が戦争とは限らないけどね」
「反対ね。領地の防衛強化が最優先だと思う」
クリームちゃんも、本当はズンダ攻略に賛成なんじゃないかな?
議論が偏らないように、敢えて反対してるんだと思う。
「おまえら!おやぶんをさしおいて、やかましいぞ!」
コルサちゃんが議論をぶった切っちゃった。
でも、親分次第なのは確かだよね。
どらごん組は独裁政権だからね。
「領地の強化は続ける。特に、露天風呂の拡張は最優先なのじゃ」
重要なのは、やっぱりお風呂なんだね。
領地の防衛も重要だけど、キナコ隊が居れば十分かもね。あいつら、獣の群れの中を半裸でうろつける、特級の暴力装置だからね。
そもそも、獣の群れに阻まれて、並の軍隊は近寄れないかも。
「わしらは、首都ワワンサキへ行くのじゃ」
きっと、つぶあんのおしるこが食べたいんだね。
ワワンサキはつぶあんだけど、ターマにはこしあんしかないからね。




