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第陸話 体育座りで見学するロリを見たら事案

 

 とうとう見学まで申し渡されてしまい、とうとう何もできなくなる俺氏。

 まじで見学ぅ!?

 悲しくなってきますよ、コレは。

 他の生徒の異能の使い方でも見て勉強することにしますか!

 勉強っていうのはね、何気ない日常からでも学べることがあるんですよ、コレが!

 一応動画見ながらでもね、何かを得られているということがあるんです!

 例えばブラック企業の仕事が嫌だなぁって思って一人で帰ったあの夜道。流石に終電すら尽きていて動画を見まくって心を落ち着かせていた日々。

 そう考えると戻りたくも何ともねぇな。クソじゃねぇかよ、ブラック企業!かーっぺッ!(侮辱行為)

 ほんとに何でどういう精神してたらあんなとこに勤められるのか意味わかんないわ!

 ものすごい勢いで自分の行いを棚に上げている気がするが気にしないでおこう。

 気にしたら負けな気がするからサッ!

 おおっと、いけないいけない。

 コレはTSする前からの悪い癖なんだけど、頭の中で色々試行してから自分で喋り出すまでに時間がかかるんですよねぇ。

 そんな風な生き方をしてきたせいか、上司から怒られる時何も言えずに、それもすいませんすらも言えずに一生仕事を割り振られるっていうクソみたいなことされたせいで会話って無駄かなぁって思っちゃってるんだよねぇ〜。

 あ、いっけね。他の人の異能の使い方見とこ。


「炎を纏わせる且つ、火を吹く異能です!」


 おぉ!何の意味あんのそれ。


「使い方は簡単!火を吹きます!………………ハンドボールが焼け焦げになりましたぁ〜!」


 意味ねぇ!


「氷を吐き出す異能です!」


 おぉ!汚ねぇ!そして何の意味あんのそれ。


「使い方は非常にシンプル!氷を吐き出します!………………ハンドボールが固まりつきましたぁ〜!!」


 意味ねぇ!

 何度やらせる気だよコレぇ!

 どうやら異能の勉強をしていたところで、異能の運用の仕方を自分で把握していないとどうにもならないって気がするなぁ。

 この異能使い達を見ていると、色々な意味で不安になってくるな。

 この異能学校の先生すら異能の仕様ってぇの?わかってないってことなんじゃねぇの?

 あれだよ、ハンドボールに使うからわりぃのよ!

 もっとさ、50m走とだったらセットアップしてからさ、後ろ振り向いて火を噴射したら早く走れるっていうかぶっ飛ぶだろうし、この運用方法を教えてもいいけど、最初は困惑するだろうし…………あと、俺だとそれを言うのにすら時間がかかるからどうしよっか?


「はっ!これだから知能の低い異能使いは嫌なんだ!先生、こいつら全員無能ですよ!」


 その反応が一番正しいんじゃないかと思うのは俺だけ?

 俺だけじゃないから、そう言う風なことを言えるんだろうなぁ。

 なんか、この嫌味な男くんどうやら自分の異能の仕様は理解しているっぽいし、何とかなるんじゃねーの?

 この体力測定…………もとい異能測定の最初の、もっとこう学園モノらしいっていうかさ!

 期待しちゃうじゃん?なんかライバルの出現っ!とかだったり、新たな宿敵の登場!怨敵を討ち滅ぼせ〜!とかだったり!

 夢はひろがリングだよねぇ〜!

 あぁ!いかんいかん!この嫌味な男くんの実力を見とかないとね!

 後に学園から去らなきゃいけないなんてことが起きて対処できずにいたら困るだろうし、それに自分が生き残るためには何とかこいつらを倒さないといけないみたいなところあるしね!






________________________



 この時、一番合戦式部大輔華恋は非常に大きな勘違いをしていた。

 彼らの戦闘能力は低く見積もっていても「私より上」と断じてしまっていた。

 否、否である!

 元々この学園は大日本帝国が建国されたその日からあった正当な教育機関ではあったが、長い年月の中でそれは少しずつ失われつつあり、まともに異能を使えるものは存在しなくなってきたことに、一番合戦式部大輔華恋は気づいていなかった!

 一番合戦…………名前多すぎだろ!か、華恋は!とにかく大きな勘違いをまたしでかしていた!

 そして周囲もまた同様に勘違いをしていた!

「こんなにも弱い戦力でどうやって仮想敵国に立ち向かうんだこいつらは」的な視線で見られていたと周りは知覚!華恋は純粋に彼ら彼女らの能力が気になるまなこを向けていたのだが、無口&無表情がそれを許さない!

 周りの人間は酷く怯えていた!

 強化のスキルを使って周りを圧倒し尽くす彼女のことを最終殺戮兵器(リーサル・ウェポン)だと勘違いしていたのである。

 彼女はその勘違いに気づかずにいた…………そしてその勘違いは気づかれることがなく、ずっと続いていくことになる。


「ふっ!どうだ見たか!この学園随一の異能使い、三千院播磨守御門さんぜんいんはりまのかみみかどの実力はぁ!すごいであろう?どうだ、今度ご馳走を作ってやる…………御門様と崇め奉が()いぞ」



「…………(出力が最大になっていないから)弱い。この(ぐらいの実力であれば、ジェット機並みの速度になるのに)………………程度(さえ間違えなければ強力な武器になるのに〜!)?」


 ほらね?

 間違って伝わっちゃったでしょ?

「俺、何伝えたら良いのかわかんねぇよ!どうしよう、フォローとかした方がいいのかな!?」ってなって、コレでこうです。

 はい、とっても面白くなってきました(暗黒微笑)

 ま、今日のところ《《覗き見》》はここまでにしといたげる!

 僕に謁見するその時まで、変わっちゃダメだからね?



________________________






 あれ、なんかやばい。

 フォローしたつもりなんだけど、口から飛び出てきたの罵詈雑言なんだけど大丈夫(だいじょぶ)そ?めちゃくちゃオブラートに包んだ言い方したから大丈夫(だいじょぶ)か!(自己完結)

 めちゃくちゃプルプル震えちゃってるよ、この学園随一の天才さん…………ちょっと可哀(かわい)そ?

 まぁでも、あれぐらいの出力だとなんかあっても倒せないなんてことになるんじゃないかなぁ。

 だから俺の言ったことは正論だねぇ!


「…………期待外れ」


 あら、あらあらあらあらあらあらあらあらあらあら!

 この口は止まることを知らないみたい!

 自動追撃モードやめてもらっても良いですか?(目パチパチ)

 そんなこんなで寮の元へ行く俺なのでした!















「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」


「御門くんさぁ!そっちの方が怖いよぉ?もっと冷静になりなよぉ!」


「まさかあれほど直線的なボールを投げるとは思いませんでしたね。ああも簡単に言ってのけるとは、さすが正五位上と言ったところかな?」


「そうだねぇ!何だかもっと面白いことを聞かせてくれるかもぉ!知れないよねぇ?面白い転入生チャン?」


 一人はメンタルをやられ一時的に凹んでしまっているが、残りの二人は違う。

 見定めるような、そうでないような、分からないような、そんな感じで一番合戦式部大輔華恋のことを見ている。

 闇はいつもいつも、いつの時代も暗躍する。

 それが良いことか悪いことかは別として、暗躍するものはどの時代にもいるのである。

 ところで俺、間違ってこっちの道きちゃったけど、明らかに聞かない方が良かった内容だよね?

 知らね、逃ーげよっと。


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