第拾玖話 開けてびっくり玉手箱
そんなことを考えていても仕方がないと、論じるのは無駄なことに気がついた俺であるが、他にもこう言った仕掛けがあることに歯痒さを覚えているのは事実としてある。
しかしながら、そんなことを嘆いても誰かが助けてくれるとか、そう言ったご都合展開はないため、前に進んでいくしかないのが現状であることは誰の目から見ても明らかであった。
無駄に論じるよりも行動……行動派である俺にかかればこんなの朝飯も昼飯も前だと言うことをお見せしようではないか。
そこから、この迷路階層の攻略に当たっていく。
中には凶暴な仕掛けも多数存在していたことを振り返っていこうと思う。
①本当にめんどくさいことながら、この部屋では自身の異能が使えない空間があったのだが、それはまじでめんどくさかった。自身の攻撃力が封じられたと言うことでもめんどくさいのに、なぜこのような縛りプレイを強要されなければならなかったのか……コレガワカラナイ。まぁ、自身の圧倒的な身体能力を駆使して、中にいるモンスター的何かをナイフで打破したが、あんまりやろうとは思わんな。
②ここに収容されている奴と順々に戦っていき、勝てた方が1ポイント。負けた方がマイナス1ポイント支払い、最終的に勝ち点が多かった方が勝利となる部屋。これは簡単で分かりやすい部類だったな。何せ攻略するには目の前の敵をどうにかすればいいだけの話だから、最もイージーだと言っていいだろう。特に何かを語ろうと言うほどでもない。簡単すぎて欠伸が出たぐらいだ。臍で茶でも沸かせる。
③動き続けていなければならない部屋……これは簡単と難しいを両立できていて、面白い部屋だった。動かなければ鏃に毒が塗りこんである矢がこちら目掛けて飛んでくる。動き回るにしても、ステップを踏むだけではこちらへの攻撃が止むことはない。一見するとクソトラップだが、丁度良い運動……体を動かす機会があって非常に良かった。仕掛け自体も面白いし、毒が塗りこんであると言うところに目を瞑れば大したことのない部屋だな
④ここはクイズの部屋。なんだか一般常識が問われるところであったので、俺はここで大幅にタイムをロスしたと言ってもいい。間違えるごとに一時間止まるように指示される。丸罰での問題だったので、二択ではあったのだが、中卒の俺にとっては最も厳しい戦いになっただろう。普通に体動かしてた方が楽だし、脳みそを使わない分かりやすい方が俺は好きだ
と、このように色々な部屋が存在していたが、俺は元気です。
最後に紹介した④のところだけ、とても退屈な時間を過ごすことになったのだが、それは言わないお約束だろう。
めんどくさいとかの、そう言った次元の話ではなく……単純に分からないと言うことが苦痛でしかなかった。
分からないものを理解しようとするのは、いつの時代も大切なことなのかもしれないが、俺は大日本帝国軍の戦闘員として……あの部屋は看過できないため、この施設は入念に潰さなければならないと判断したァ!(勉強アンチ)
そのため、全て終わったらあの部屋だけまじで粉微塵してやろうと思います。
俺を止めることはできない。俺を止められるとしたら、それは天皇猊下陛下だけなのだよぉ!
…………部屋が見えたし、この階層の部屋の非難は置いておいて、進むとしますか。次は楽な部屋が来てくれると嬉しいんだけどなぁ。
楽な部屋なら俺が一方的に助かるんだけど、どうですかね〜?無理そうですか?無理なんですか?無理じゃないって言うんだよっ!
扉を開けると、そこに広がるのは……………………………………龍の魂の雄叫び。ここから出せと言わんばかりに、大いに吠えていた。鎖を繋がれて、犬みたいにされていた。
…………おいおい、まさか龍公国にまでもこの組織の毒牙が及んでるって言うのかよ。しかも、家の庭で飼われてるわんちゃんじゃないんだからさ、鎖を繋いでやるなよぉ!?
動物愛護団体に目をつけられたらやばいんだぞ!?お前、あの凄惨な事件を知らねぇのか!
動物を雑に扱う奴に対しての、奴らの講じる手は、スプラッター映画もびっくりのボコスカカーニバル…………まじで雑に扱ったやつの首から下はミキサーにでもかけられたかのような酷い傷跡。首も目からお花が刺さっていて、綺麗に生花の鉢になっていた。
こいつらがまともな人間じゃないとはわかっているが、どこに何が潜んでいるのか分からない状況で、これはまずいだろ!過激派が動いたらどうするんだ馬鹿面ァ!
あー、別の意味で震えてきやがった……なんだか鎖も解けてるし、俺の方に向かって鼻息を吹いているってことは、やる気満々だろうし……もう戦闘は避けられないと言うことだなぁ。
龍公国に住んでいる公国民には悪いが、こっちも命狙われてんだ。
龍が神聖なものであると言う…………宗教の自由は何人たりとも否定することのできないものだろう。我々だって、天皇猊下陛下が座す皇国であり、日の出る国の神で在らせられる天皇猊下陛下のことを崇拝している。
とどのつまり、これは宗教戦争ではないが、自身の崇拝しているものが違う人間が龍に手出しをしても文句を言うなって事だ。
後で龍公国の姫に土下座だってして良い。
だから、この一戦………………死ぬ気で行かないと勝てないかもしれないから、願掛けって事で、俺この龍に負けたら龍公国の姫に求婚しまーす。