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第廿壱話 ご褒美ィ?



 再びやってきたのは聖導大日本天皇王室せいどうだいにっぽんてんのうおうしつ咫多識仁(たたしきひと)天皇猊下陛下の御前である!

 と、張り切ってみたは良いものの。

 実は俺もそんなになんで呼ばれたのか分かっていないと言うのが実情である。

 今回の国家間対抗戦での働きを鑑みて、われわれをお呼びになったと言うのは自明の理……と捉えていいんじゃないかと思うわけですよ。

 まぁ?誉高くもこの王室に呼ばれることが二回目と言う事実にぃ?心躍らせている少年心もあるわけですが(自分の(ナリ)が少女であると言うことを棚に上げ)

 それにしてもいつみても凄い迫力だよなぁ。

 当然のようにマジェスティも控えていることだし、絢爛様もいらっしゃるし。

 護衛だから当然っちゃ当然なんだけどさ。結構忙しい人だと思うのね、俺的にもさ。

 いや、俺じゃなくてもわかることなんだけど、軍務って思いの外忙しいと仮定するわけよ!

 そうしたらこの人いつ休んでんだろうなぁって、思うのですよ。

 百花繚乱家は代々咫多識仁天皇猊下にお支えしている良家の中の良家。華族の中の華族だ。

 そんな人がここまでお支えしているとなると、さすがに真実も知りたくなると言うことよなぁ!

 人間って結構俗っぽいところあるからさぁ、気になってしょうがないってわけでもないんだけど、気にはなるよねぇ?


「ああ、みんな楽にしてくれて良いよ!この天皇が許す!ボクの名の下に一切の理を許そうじゃないか!それが君たちに与えられた最初のご褒美でもあるんだよ?」


「い、いえ。天皇猊下陛下に於かれましても、益々ご健勝の程と、深くお慶び申し上げます」


「そ、そう…………です。一切と、言われても…………難しい、と…………思います」


 二人がこの厚いプレッシャーのなか、なんとか言葉を紡ぎ出すと、咫多識仁天皇猊下はニヤリと口を歪ませ、新しい玩具を見つけたような顔で喜んでいる。

 これが正解だったっぽいかな。

 実は、結構試されている節があったのよな。

 簡単に発言するものならば早計だし、ここで気安くしすぎても多分首を刎ねられていたんじゃないか……と。

 俺も結構思案する方だから、なんとなくわかるんだよね。

 自分でも同じことをしたら、どうするだろう?っていう想定の話。


「絢爛君、君は下がって良いよ……マジェスティのみんなもね!この子達だけでお話したいんだぁ。言っとくけど、これは天皇命令だからね?拒否をすることは許さない」


 そこにはいつもの笑みを浮かべる天皇猊下は居なく、統治者としてのお顔をお見せになった天皇猊下しかいない。

 絢爛様は少し頷かれると、そのまま捌けていった。

 天皇猊下の命令に逆らえるのなんて、この国には存在しないけど、みてみたいもんだよね?そんな命知らずがどうなるかぐらいは一目見たい。

 こんなことを思うのは、やはり異質なものなのかぁ?あ、俺異質な能力を使えることができるんでした!

 一本取られたねぇ、自分に!

 さてさて、思考をここで取りやめるとしても、我々を呼んだ意図が未だ分からずにいるのは馬鹿だからだろうか?

 そんなことないって?そんなことを言ってくれるやつなんか俺には居ない!(断言)

 多分誰も俺の存在のことを必要としないのよ!まぁ、それはそれで気が楽だから良いんだけどねぇ。


「君達を呼んだのは他でもない!ボクのことを慮るばかりか、国家間の争い事に対する抑止力になってくれた!それだけで十分に英雄的働きはしているんだけど、それだけで納得するような連中じゃなくてさぁ〜!うちの連中にも凝り固まった思考の持ち主とかいるわけなんだけどね?それでもこれで抑えている方なんだぁ。それを黙らせたかったのが一つ」


 一つ?その言い方だと何個かあるような感じか?

 ま、まさか。いやいやいやそんなわけないよね!階級が上がっただけでもえらい良いことなのに、ランクアップには早すぎますって!

 流石に冗談だよな?そんなことないよな?余計な柵が増えるとかじゃないよな?

 まって、この思考こそが敬虔たる我々の排するべき存在じゃね?!

 つまり俺は、廃されるべき存在だった……?

 廃されても良いけど、こんなところで……せっかく女に生まれ変わったわけだし、まだ散るには惜しいよねぇ!

 釈明の余地がないぐらい、心の中は下衆(ゲス)いこと考えている俗物なのに、表に一切出ないのもそれはまたそれで使いにくい体だなオイ!

 釈明の言葉すらも述べれず素っ首刎ねられっゾ!

 それは誠にいかん!遺憾の意を示します!アッカーン!それだと不敬罪で死ぬぅ!!

 どっちに転ぼうとも死は確実じゃねぇかぁ!認められるかぁ!

 認めても良いんだけどね(スン)いや、素に戻るなよ!急に素に戻るとびっくりするだろうが!自分にびっくりしてどうすんだ、俺。


「そしてもう一つが君たちの階級の昇進!おめでと〜パチパチパチ!華恋ちゃんと、寧々ちゃんと、愛莉ちゃん……だよね?寧々ちゃんと愛莉ちゃんへの家への説明はしとくから、安心してくれて良いよ!良かったねぇ!」


 ふぁー。

 また階級上がることになっちゃったぁ〜!

 これ、異例中の異例では?

 そんなことを思うわけですよ。えっと、利権を誰が持っているか……ではなく、最初から優秀なものがそれを持っているとは限らないように、俺にそんな運用方法などわかるわけもなく……。

 言い訳をしても絶対に頂きそうだから、ありがたく頂いておきますか。

 この二人もめちゃくちゃびっくりしていることだし。

 ここで素直に受け入れなければ、咫多識仁天皇猊下はそんなことはしないと思うが、周りが許しちゃくれない。

 ここは一つ。


「……………………………………………………有り難く」


 と言うのが一番でしょう!

 これこそが最適解!これこそが機能美!……はちょっと違うような気もするけど、要するにこれが正解だぁ!(暴論)

 全て事実にして仕舞えばなんの文句もないじゃろう?ええんじゃろう?ここがええんじゃろう?よく見えるじゃろう?(唐突な成金は童貞の特権)←そんなわけねぇよなぁ!?

 しかも、ど、ドドドド童貞ちゃうわっ!別にぃ、聖剣エクスカリバー抜かなかっただけですしぃ〜?!俺の鞘から剣が出たくないよぉ!って言ってただけなんですけどぉ!?

 …………錯乱しました。

 勝手に思考の中で錯乱してちゃ世話ないね!みんなも思考に夢中になってこうなってしまうことがあると思うけど、辞めようね!

 側から見たらただのやべー奴だからぁ!誤解の目で見られるからぁ!

 そこは俺の意図しないところだよぁっはーん、うっふーぅん!


「だから、そうだねぇ。華恋ちゃん……君には内大臣をプレゼントしようかな!喜んでもらえたかなぁ?」


 はへ?

 ほへ?

 はひ?

 ふへ?

 ほ?

 今日の日を絶対に忘れない自信しかないんですけどどうしましょう。

 どうやって転んでも、自分に転機しか訪れないような気がするトラップを仕掛けられた気がするんですが、なんかの気のせいですか?

 もしかして、この大日本帝国の仏魔殿に連れて行かれようとしています?

 もしかしなくとも、政治に関わらせる気満々ですか?

 ちょっと学生の身分を強調してそんなことしなくても良いですかね?

 もしかしたら人生最大の危機なような気がするんですが、考えても見てくださいよ天皇猊下、俺みたいな無能を(まつりごと)に関わらせても碌なことになりませんって。

 熟考しましょうそうしましょう!だからそのなんと言うか期待のこもった眼差しでこっち見て泣いで助けろよ、そこの二人ィ!!!


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