第拾陸話 言い寄るのはやめてぇぇえええ!!
やめやめやめやめやめおちおちおちけつ!!
とにかくウェイト、ステイゴーホーム!
今の君には冷静という言葉は似つかわしくないから、早く冷水を浴びて体の芯ごと落ち着くが良いさ!(ウィットに富んだジョーク)
まじでくるな!くるなくるなくるなくるなぁぁぁぁぁ!
なに、なんで戦闘面ですら怯えたことのない俺が恐怖を体が覚えちゃってるわけぇ?!有り得なくない!?
ああ、やばいやつがペドの人が犯罪の人になっちゃうよぉ!
「華恋ちゃん何も手を出さないから…………私と一緒に同衾しよっ?(アクメ顔)」
はいダウトだしアウトぉ!嘘てんこ盛りみたいな顔してるよ君?!
まじでなんなのこの存在!俺特攻キラーEX付いてんじゃねーの!
お前俺を怯えさせる稀有な存在だよ良かったね!だから離れろ!
ああ、こんなにも神様を恨んだことはない。我幼女の容姿が憎ましいことこの上なき子なんだけどまじで。
はぁ、アホじゃねぇの?こんな淫乱な馬鹿タレとペア組めるかぁぁぁ!!
当然の如く却下されるのは目に見えているんだが。なんなら一回陳情を申し立てたけど却下されたし。
天皇猊下は「面白いから」と親指を立てて見送ってくださった。くそぅ!
めちゃくちゃときめく良い笑顔だったよ……心の中ですら天皇猊下には何も言えません。俺は無力を今以上に感じたことはない……!
「………………………………………………マジ無理」
この俺が言葉でそんなことを口にするのは珍しいことなのだ!それを自覚して、まずは呼吸をするなぁ!
なんで辺りの匂いを吸うような感じでバキューム的な勢いで鼻動かしてるわけぇ!?
これ俺が正常じゃないんかなぁ?!あいつが異常で俺が正常だろぉ!?
周り何も特に気にすることなく通り去っていくんだけど、見て見ぬ振りしてない?なんかおかしくなくなくなくなくなくない?
普通は見逃さないよね、国家権力動いちゃうよねぇ?!あっ、この領地は国家機関なんてものは介入してこねぇんだったワ!オワタ、今回は本当にオワタ\(^o^)/
まずいまずいまずい!童貞…………いや、この場合は処女!(今は)15ちゃい処女、散らしたくはないぞ!考えるんだ俺ぇ!!
こんな場合は三十六計逃げるに如かず!
瞬時に脚力を【強化】して、学園の窓から飛び出して、空中を蹴るまでに至る。
なんかまた俺やっちゃいましたかね?空中を蹴れるということは少し訓練をしたらわかってたことだ。
そう、俺は空中を物体として捉えることで、そんな荒技をすることに成功したのである。これ完全に浪漫技って話する?
こうすることで、なんとか操を守る事に成功する。
まじで俺がこの技開発してなかったらやばかったよ?貞操帯…………ここで手に入るかなぁ。
不可能か可能かで言ったら、不可能でしょうねぇ!何故ならば、ここは隔絶された領土であるからだぁ!
みんな忘れがちかもしれないけどぉ、ここって誰の目にも届かないんだよねっ!みんなって誰だよ、教えてくれよなぁ!
友達なんてできた試しがねぇからよぉ、俺は「みんな」って言葉知らねっ!いらねっ!(ポイっ。自分の心を投げつける音)
「…………………………………………危なかった」
誰に訊かれるわけでもないけど、そう漏らさずにはいられなかったです。
あんな状況を脱したんだもの、やっぱり人間という形をとっているからこその言葉な訳ですよ。たまやーとか、かぎやーとかと一緒、感嘆符みたいなものよ。
人間最高!まじで自分の口はあまり動かないとて、心は平常の様に動いている化け物でも、感嘆符ぐらいは漏らしますよ。
あ、口は硬いよ?(訊かれてない)まじで普段何も喋らないだけはある。
さてさて、ここは校舎の屋上かな。
確か屋上には鍵がかけられてて出入り不可だったはずだけど、なんか校舎の上に立っている人がいるぅ!身投げはしないで、絶対!
目の前でグロ画像とか見たくねぇよ!
「人が来るなんて、珍しい。君…………だれ?」
なんか、急に疑問を投げかけられたんだけど、あんたこそ誰よ?
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秋葉ヶ原宮内少輔愛莉の人生とは、とてもつまらないものの連続であった。
生まれた時から自分が上位の存在であると植え付けられ、勉学や異能訓練に励む日々に面白さを見出せていなかった愛莉。
それが、学園に通うようになってからは少し違っていた…………訳でもなく、日々はただ刻々と過ぎていった。
それもそのはず、彼女の周りからは自分が出世してやろうという、ゴマスリを行うものしか来なかったのである。
悲しいかな、彼女はそういうことを昔から行われてきたため、直に感じることができた。
異能も【増加】という比較的強い異能を持っていたために、周りに敵などいなかったのだ。
「ああ、今日も退屈に日々を送っていくのか。ならばいっそのこと自分で退屈凌ぎを見つければ良いのではないか?」と思ったのだ。
そして、学園での戦闘授業で鴉ヶ雲対馬守寧々が私を下したではないか。
異能は確か【暴走】で、有り余る力を制御できずに困っていたはず。
なのに、この私を下したのだ。
なんという幸運に恵まれたんだろう……!私を倒してあまつさえなんともないというふうに見せていたら、驚愕もして然るべきなのだ。
だから、彼女に思わず聞いてしまった。
自分がされたらあまり良い顔をしない質問を投げてしまった。
自分で言ってからしまったとも思ったが、もう言ったからには後に引けなかった。
すると彼女は答えた。
「恋です」
鯉?鯉がなんの役に立つのだろうと心底悩んだ。しかし、魚の鯉ではないという。恋愛の方の恋だと判明した時には驚かされた。
比較的なパーソナルデータとして、そういう事に滅法弱いと思っていたから、そこでも驚かされたと言って良い。
どんな相手かとも聞こうとしたが、流石にそこまでは無粋過ぎて聞きはできなかった。
どんな相手なのだろう、気になる気になる気になる!
そうして校舎の上で学園内を見渡していたところ、空中を蹴って現れる人物が一人。
彼女は確か時期はずれの転入をしてきて、いきなり決闘を行ったA級戦犯と名高い一番合戦中務大輔華恋だったか。
だから、少し問いかけてしまった。
何かにつけられていて「危なかった」と言った彼女に、彼女の存在を知っているのに。
「人が来るなんて、珍しい。君…………だれ?」
と問いかけたのだ。
なんでだろう、同じ《《匂い》》がする。
こうして、彼女との初のコミュニケーションを交わした愛莉は、どうにかこうしてコミュニケーションをしようと試みる。
「……………………………………………(自分から何かを語るのが苦手だから、基本的に)喋る、(コミュニケーションがそもそも)苦手」
「じゃあ、文通…………しよ?」
「…………………………………………………………(まぁ、誰かと会話するのは苦手だけど、手紙とかだったら別に問題はないし)良いよ」
そうして、初の邂逅をようやく交わした二人なのであった。
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謎の美少女ちゃんと文通をする事になりました。ですが書きたい内容が特に思いつきません。
誰か、俺にコミュニケーション能力をくださいませんか?
なんでもしないけど、特になんもしないけど今決定的に不足しているものなんですよ。
まじで助けてほしいわ(泣)