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第拾参話 選ばれちゃった

 

 あの五人を倒してしばらくして、俺の平穏な学園生活を送っていた。

 素晴らしきかな平穏!しかしながら、戦いをした後だと、少し物足りなくも感じていた。

 でも俺は平穏という二文字を甘んじて受け入れるのだぁ!

 何故ならば、ブラック企業勤めの時は平穏などとは程遠い、無限残業編を味わっているからである。

 無限残業編だけはやめろぉ!俺はどんな仕事も一切受け付けねぇ!(たまにハイになって、投げられた仕事を全部その日に終わらせたことが何百回とある)

 やっとブラック企業から解放されたんだ、これぐらいのことはしてもいいだろ!

 …………そんな感じで俺は平穏を受け入れつつあった。

 でも、そう上手くはいかないのが人生ですよね?

 上手くいっていくこともあれば、失敗続きということもあり得るのですよ、これが。

 なんか学園対抗戦というものに参加しなければいけないというお達しを受けた。

 俺が始めてない物語が急に来て焦っているんですけど、これをのまなければよくて野垂れ死ぬことになるのだという。

 この学園そんなのばっかだなおい。

 トラップカード発動じゃねぇか!一つ選択肢を間違えたら死ぬ未来が見えて、頭がおかしくなりゅ!ゔぇっ!

 あ、あの五人の処罰だけど、無罪放免にした。俺と戦ったわけだし、結局のところあまり罰を取らせるという考えはなかった。

 俺は事なかれ主義だから、厨二病的に戦闘を楽しみにこそすれど、相手に罰を与えるというのもねぇ?

 だから俺は別に奴らのことを許すのである!まぁ、許すもクソも、あいつらが何かをしたっていう明確な証拠はないわけだし、自分に手痛いしっぺ返しが来るのは避けたいところであるからね。

 とりあえず、このもらった学園対抗大会を承認を示すように拇印を押して担当教諭に渡す。

 これでこれはひとまずオッケー……と。

 まぁ、今すぐに起きるわけじゃないし、別にいいんじゃねぇかな精神でオッケーしたけど、概要について理解していないのが痛恨の一撃なんじゃねーの?

 もしかしてちゃんとプリントを見とけばよかったんじゃね?とかいうツッコミは受け付けないから、俺は俺の道を行く(イケボ)


「はーい!今回は戦闘訓練をしていきますよ〜!」


 あ、次の授業がそういえばあったな。

 やばい、考えすぎて頭回ってなかったわ。

 糖分を当分とってないからね、仕方ないね(クソウマギャグ)

 俺も戦闘訓練に参加していいんですか!wktkしてきた、やばいやばい。

 無表情のはずの表情筋がピクピクしているような気がする………………気のせいか。全然びくともしないわこいつ。

 我表情ながら、豊かでない表現力のようで、なんとも言い難い難しさ(頭痛が痛いに通ずる激ウマギャグ)を感じるっ!

 武器や武具なんかは手足のように使える強化の能力があるというのに、自分の表情をぴくりとも動かせないとは、恐れ入る。

 自分に恐れ入ってどーすんの、俺よ。

 まぁ、差し当たっては表現力というものを身につけなければなるまい。

 自分の量の鏡で表情を動かす練習をしなければならないなぁ。嗚呼、忙しいなぁ。

 だから、頼むからさ。俺に絡んでくるのやめない?みんな。

 いの一番に倒したいからって、そこまで押しかけなくてもいいでしょう?

 ほら、そんなに押すと怪我するよ?大丈夫?転んだ時に風土病になったりしない?気をつけてね、ここら辺の土信用できないから。

 滅多に気を使うことがない分、こんなところでは気の利く俺でした。


「……………………………………(ああ、全くここの風呂はでかいから、マジで足を自由に伸ばせて気持ちのいい、つまり極上というかなんというか)最高だった」


 独り言ちる時ですら、この表現力の無さが露呈します。

 女風呂最高かよ!?

 いや、多分この学園なら男風呂ですら気持ちのいい塩梅だろう。

 しかしながら、他の女子の体を見るに、やっぱり俺の体は貧相というかなんというか、ロリ………………まぁ、しょうがないんだけどさ。あと、傷の一部も目立つよね。

 最近はこの傷の痛みもないんだけど、たまに少しピクピクすることがあるんだよね。

 自分なりに研究してみたけど、やっぱり刃物が一番強い武器なんだなって。

 大会の規則ルール状、武器の使用をしなければいけないというところの文字だけは少しだけ見えていたのだ。

 だから、自分に相応しい武器は何かないかなって考えた時に、刺された時のことを思い出してね、自分の体を視姦してっ!

 ……………………ツッコミがいないと自分の体に欲情する人みたいになってるじゃねぇか!

 いけないいけない。クールになれよ、俺。いっつもクールだった俺はいつも周りから罵倒を受け続けていた。

 あまり意味のある会話じゃなければその場から立ち去るなんてザラだったし、興味もなかったので無視したら罵倒される始末。

 ブラック企業勤めじゃなくても十分に周りから馬鹿にされるような立ち位置だったなぁ。

 上手く周りに伝えられないんだよねぇ、自分の事をさ。(隙があれば自分語りをするのは大人の特権)

 まぁ、そんな感じでも苦労せずにここまで生きてこれたんだから、大丈夫でしょ?大丈夫だよね?きっとそうだよね!

 冷静に考えても、自分が悪いことしかしてないのが悪いよなぁ、うん。

 ま、どうでもいいか!自分のことを話すなんてことは滅多にないはずだし、大丈夫でしょ!なんとかなるなる!

 そして、俺は刃物、というか小刀を武器に指定して、大会に向けての練習をすることにした。

 皮肉にも、自分を殺そうとした刃物を使ってまさか学園対抗大会に出るなんて夢にも思わないだろう?

 しかしながらそれが現実だ。受け入れるしかあるまいよ。











________________________



「やはり、似ているな。あの英雄の誉れ高き戦士に、良く似ている」


 そう口に出した何者かは定かではないが、彼女の身辺を嗅ぎ回っていた。

 パーソナルデータに至るまで何もわからずにいる。捜査は難航しているに等しい。

 しかしながら、そんな瑣末なことはどうでもいいとさえ思っていた。


「よもやあの一番合戦様も使っていたという刃物を使いこなそうとするとは、どれだけ似れば気が済むのだろうか」


「そんなことはどうでも良いのですよ!今はあの人の動向を見守ることにしましょう?だって、そうすれば甘い汁が吸えるかもしれないのですし」


「確かに、君の言う通りそうかもしれない。しかし、もし彼女が降りかかる火の粉であれば、いの一番に排除しなければならない存在として、われらに災禍を起こすやもしれぬのだ。注意することに越したことはないだろうよ」


 厳重に警戒しなければ、彼女が何か行動を起こした時に対処できない、と言うのがこの男の考え方だ。

 しかし、それは正しくはない。

 彼女は自分に危害さえなければ、周りのことなどあまりどうでもよくて、気にすることもないのだ。

 自分にかかってくるものには平等に痛みを持ってそれを制裁すると言うのが彼女の思っている最重要項目だろう。

 夢想しても、何を思っているか、何を感じているかわからないその表情には、人々にはどんな風に映っているのだろうか。

 天災か、それとも希望なのか。

 それを判断するのは僕じゃない。

 それを判断するのはあくまで周りだ。

 周りがそれに気づくのかはまた別の話なのである。



________________________






 すいません、なんだか他の人と共闘しながら戦うことになりました。

 学園対抗大会なんだからと、他人との協力を求められました。

 助けてください。(泣)


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