第拾弐話 ◯ンパン◯ンの気持ち
はい、やってまいりました第三運動場!
あれからめちゃくちゃに悩みまくったんですけどねぇ、一番効くのは相手に何もさせてあげないことだと思ったんっすよ。
相手に何もさせないまま倒せれば、なんか無敗の女ぁ!みたいな感じでいいと思わね?!思うっしょ?思うよね!
浪漫重視でいきたいと思います!
ここで負けてあげるのは何だか違うなって、思ったんよね。ならば、完膚なきまでに叩き潰してあげたほうがむしろ優しいっていうかぁ〜?(オタクに優しくないギャル)むしろ良いまである、的なぁ〜?
そんなノリで敵を終始圧倒する悪役的な感じで行こう!が脳内一人だけ会議で可決された決定事項なのである!確定情報ってやつよ!
さぁ、早く現れないかなぁ。楽しみだなぁ。早く現れてくれないと、頭角を表した悪役ごっこみたいなのができないじゃん!
早く来い〜、早く来い〜。
本当は当てるのにミスった5人よ早く来い〜!
これ当たり屋となんか差異あんの?こんなことして誇らしくないの?誇らしくないだろうねぇ!
ま、そんなことは今更気にしませんよ、この俺は!
…………悪というのは、自分の行いに責任なんて持っちゃダメなんだぜぇ(遠い目)ワイルドだろぉ?(芸人風)
ワイルドになりすぎると変になってしまうからな。ちょっぴしワイルドぐらいがちょうどいいんじゃなかろうか。
ちょっぴしワイルドってよくわかんないけど、一番ワイルドなのは今ここで戦闘が……いえ決闘が起きようとしているのが一番ワイルドなまであるけど。
…………………………おっ、噂をすれば来たね。間違えて手袋を投げちゃった5人組。
なんか胃を抑えてめちゃくちゃ顔青ざめてるけど、俺なんかやっちゃいました?(なろう主人公)
何もやっちゃってませんか、そうですか。
「………………………………………………始める」
こういうのは端的かつ大胆に宣言するんですよ!決して自分が喋るのが苦手とかいうわけじゃなく、決して自分から言うのがあんまり得意じゃないわけでもなく。
そう、決闘を申し込んだ側が宣言するのは自明の理な訳です。
そんなこんなで始めるとしましょうかぁ!戦闘ってやつをよぉ!
今なら、どんな敵でも倒せる気がするぜぇ!
間違えて手袋をぶつけたこの人たちには悪いけど、バネにさせてもらうよぉ。悪く思わないでねっ!(キャピキャピギャル系)
「くっ!こうなったら、倒れるがいい!我一族の繁栄のためになぁ!」
一族の繁栄のため?何言ってんのこの人。
うーん、一番最初に目立つやつを倒しておくのが得策か。
頭を失ったら体の動きは鈍り始める虫と一緒で、目立つ頭は倒しとかないとね。
相手が異能を使う前に顎に軽く触れる様に、決して力を込めすぎない様に殴りつけて、脳震盪を起こさせる。
そうすることによって「何が起きたのかわからねぇ!」「何なんだこれはぁ!?」と驚愕の嵐になるのですよ。
はい、one down〜。
そしてびびって異能を使おうとするやつ、次はお前だよーん。
誰かが焦って異能を暴発させるだろうと言うことはすでに予測済み。一番目立った奴が矢面に立つのは社会のルール的にも普遍だろう。
そうして焦って暴発して何かしらを使うであろうと言うことは見切っていた。
ちょっと焦ってすぐに避けたとかないから!ほ、本当だよ?まじで焦ってねーから!(ちょっと田舎のヤンキーっぽくね?)
はい、次は人間の急所である場所、鼻ですね。それをへし折ります。そいつのなけなしのプライドごとね。
鼻から出血多量でビクンビクンしながら打っ倒れる。two down
辺りに動揺が走る。
それもそのはず。高速でその工程を行ったことにより、何が起きたのかわからないからね。
動揺するのも無理もないって感じだよ。
悪いけど、手加減するつもりはサラサラありませーん!流石に吐いた唾は飲み込めんからねぇ。
次は後衛職っぽい奴、何かしら遠距離攻撃方法を持っている奴だね。
「な、何が起きたんだ!」
「ありえねぇ、ありえねぇぞ!なんで倒されるんだよ!」
「ひっ!も、もう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああああ!」
阿鼻叫喚…………き、気持ちええ\(^o^)/
こんなにもフラストレーションを解き放てるなんて思っても見なかった!
動くサンドバッグって君たちのことですか?
でも、君たちも悪いんだよ?俺の机にあんなことしといてさぁ!(少しずれて投げてしまったが、問題はない)
もし本当に机をズタボロにしていなければ、戦闘を避けて通ったはず。
しかしそんな素振りも見せなかった…………つまりはこいつらが犯人なんじゃね?(迷探偵)
なら、心置きなくやっても《《特に問題ないよなぁ》》?
そうされるだけの覚悟は持ってただろうし。
一人敵前逃亡しようとしてるけど。
ま、逃がしはしませんよぉ(ニッコリ)
おら、お前がボロ雑巾になるんだよぉ!!!
後頭部を一発トンっと殴る。そう、映画やドラマ……アニメなんかでよくあるあれだ。トンっとすると気絶する奴。
それを逃げようとした、逃げるな卑怯者ぉ!ってな感じで剣を投げつける某炭の人の如くやっていきます。
「な………………なんだ、これ」
「夢でも見てるんじゃねぇか………………?」
残念、現実です。
今実際に起きていることだよ。
ほぅら、目ん玉かっぽじってよぉく見なさいな。仲間の倒れている姿を。
そして四人目にはお空まで飛んでいただく。
服を掴むと、空中にぶん投げて自由落下してもろて。
はぁい、受け止めてほしい?ほしいよね?ほしいだろう?だが無意味だぁ!貴様らが戦う意志を見せなければこの星を破壊し尽くすだけだぁ!(某ブロッコリーさん)
「あ、あああああああああり、ありえ、ありえないありえないありえないぃぃぃぃぃ!!!」
ふふふ、びびっとるねぇ。
そりゃ仲間をこんな形で倒したらビビるもんもびびっとるよねぇ。
最後は単純に鳩尾をぶん殴ってゲームセット。
お片付けおしまい!
この世の腐敗を倒すって気持ちぃね!
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「入って早々に問題行動ですか、彼女は」
とある部屋にて、一番合戦中務大輔華恋の試合を見ていた者は口を開く。
そして黙っている者たちは彼女の実力を危険なものだと断定していた。
それもそのはず。
学業面でも戦闘面でも特筆して秀でてはいなかったものの、優秀な方だったものたちが完封されてしまっていたのだから、危険という位置付けをするのも当然のことだろう。
しかし、彼女が悪だとも決して思ってはいなかった。
決闘制度に基づいた試合をした結果ああ言う結果になったのだから。
下馬評では彼女が勝つだろうという意見も少なからず存在していたが、5対1であの結果とは、想像だにしていなかったのである。
そんなことに頭を悩ませながら、とあるものは口を開く。
「まだ探ってみるべきではないでしょうか……?彼女の力を図るためには、あの大会に出てもらうほかありませぬ。早めの決断を下すのも結構ですが、方々に何と説明をしていいやらわかりませんからなぁ」
「確かに、君の言う意見も一理ある。しかし、いいのか?あの大会の出場枠はいつも良いものたちを集めた選りすぐりのモノ…………それを簡単に彼女で決定というのも………………」
「それこそ、彼女の力が今証明したではありませんか?」
一同は黙るほかない。
確かにあれだけの優秀な成績を見せられては言うに言えないからだ。
普段は誰が誰をなどと考える暇もなく脳死で選んではいたが、それでも彼女はその脳死をするまでもなく、視覚的に強いであろうと断じられるぐらいには強い。
そんな彼女に大会に出てもらったら、こちらの格も上がる…………そういう風に捉えているものも現れ始めるではないか。
そうしてなかなか決まらない会議の中で、彼女は知らず知らずのうちにとある大会の選抜メンバーに選ばれるのである。
本人が預かり知らぬところで、また彼女は自分の存在を刻みつけた。
それが果たして彼女にとっていいものであるかどうかは別の話である
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