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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

時を止めて幼馴染にイタズラさせてみた

作者: 御嬢桜マコ




 もしも時を止めれたら。


 そんな妄想をしたことは、誰だって一度ではないだろう。単純に物を盗むとか、嫌いなあいつの弱みを握るとか。それだけじゃない。気になるあの子にちょっとした悪戯を......なんて。そんなこともできちゃう。


 どんなことだってできる。なにせ、誰にもバレやしないんだから。本当の意味での完全犯罪だ。


 ーーしかし、いざそんな状況に置かれると、意外と何もできないのが人間という物である。


 どうも。元最強のTS魔法少女。現時止め系高校生、明日野 希望(アスノ ノゾミ)です。


 現代日本にTS転生したかと思ったら、急に化け物との魔法戦争に巻き込まれ、敵の親玉を自慢の時止め魔法で始末したら妖精さんに「もうお前は用済みナリ」とか言われて捨てられちゃったナリ。別に悲しくないナリ。


 ただその妖精さん、単に忘れたのか報酬のつもりなのか、時止め魔法回収し忘れちゃってるんだよね。

 よって、ここに最強の時止め高校生が爆誕してしまったわけなのだが。


「俺、これからどうしよう」


 取り敢えずこうして全裸で駅のど真ん中に立っているわけだけど、やってみるとこれが意外と面白くない。てか寒い。

 

「取り敢えず、ここにいる女全員脱がすか」


 男の夢じゃね? 時止めシチュエーション。

 俺の魔法は時止め中にボコボコ殴って解除と同時にぶっ飛ばす承太郎方式だから、わんちゃん「快楽が襲ってくるぅー」みたいなエロ同人みたいなことできるかもしれん。


「まずはこの人から......」


 ちょっと地雷っぽいけど、顔は割といい。

 どうせ全員脱がすんだし、じゃんじゃんいこう。


「おいしょっ、と」


 ワンピースは脱がしやすくて良いね。

 縁もゆかりも無い人だけど、やっぱりこう下着姿になるとグッとくるものが......。


「おおー!............おぅ?」

  

 け、結構お腹に脂肪がついてらっしゃるな。

 服着てる時にはわかんなかったけど。二の腕とかだるだるだし。あと足が象。


「なんだこれ」


 俺は一体何をやってるんだろう。

 休日の昼間っから、全裸で。


 いや、一番可哀想なのはいきなり脱がされて文句言われてるこの人なんだけどさ。


「戻してあげよ」


 この人は服着てた方が可愛いんだ。うん。


「全員脱がすのはやめにしよう」


 疲れる。よく考えたらおばさんの裸とか別に見たくないし。


 俺はもっと合理的な男......いや、今は女だけど。とにかく、合理的な俺は可愛い子だけ脱がすのだ。


「さて、マンハントといこうか」


 俺は全裸でそう言った。



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



「へくしゅん!」

「どうしたの? 風邪?」

「いや、ちょっとな」


 ちょっと全裸で2時間ほど過ごしてただけ。


「なあ......俺って可愛いかったんだな」

「え、どうしたの急に」

「脱がせようとするたびに思うんだよな。あれ? これより可愛い子の裸、毎日見てない? って」

「なに? また女の子の人形の話? だめだよ。あんまり無駄遣いしちゃ」

「美少女フィギュアは無駄じゃない!」


 それはそれとして。


 どうして俺は、白髪赤眼身長低めの美少女に生まれてしまったのだろう。俺が大多数の女に負けてる要素なんて胸くらいじゃないか。

 んで胸は所詮脂肪の塊だし。大事なのは大きさじゃ無い。形。そして俺は美乳。


「完璧美少女な自分が憎い......」

「もう。馬鹿なこと言ってると学校遅れちゃうよー?」


 呆れた顔で俺を引っ張るのは湊羽 楽雨(ミナトワ ラウ)。幼馴染。魔法少女じゃ無い普通の高校生だけど、バスケがクソ強かったりボクっ娘だったりと少々個性的な一面もある。

 部活の邪魔にならないようにと短く切ったショートヘアーが大変お似合いな美人さんで、身長がクソ高い。多分180くらいある。あと巨乳。


 クラスメイトによると、俺の身長ぐらいの胸囲があるとか。なわけ。


「ラウのそれは所詮脂肪だからな。今は多様性の時代。ダイバーシティーの関係上、俺のような機能美が求められるのだよ?」

「ふーん。ボクの胸がただの脂肪、ね」

「なんだね? 何か言いたげじゃないか」


 俺はジト目でこちらを見るラウを睨み返す。

 この議論に関して、俺は一歩も譲る気はない。


「中学の時、そのただの脂肪を揉ませてほしいってボクに土下座してきた人がいたような......?」

「は、はあ!? 記憶にないんですけど!? 全然全く、これっぽっちも記憶にないんですけど!?」


 修学旅行でテンション上がっちゃった記憶なんてこれっぽっちもないんですけど!!


「ボクは忘れない。ニヤけながら手をグーパーさせてたノゾミの気持ち悪い顔を」

「きっ、気持ち悪い顔はしてないぞ!?」


 名誉毀損だ!

 

「いーや。してたね」


 ラウはわざとらしく鼻の穴を膨らませると、手をワキワキ動かした。


「こーんな顔だったよ。こーんな」

「してないから!」

「『ま、ましゅまろ......』」

「言ってないから! 言ってないけど! それはそれとしてやめてください!」

「ごめんなさいは?」

「ごめんなさい!」

 

 つ、強すぎる。

 黒歴史カードバトルで勝てる気がしない。


「もうそれ禁止カードだろ」

「ボクは一生擦り続けます」


 やめろ。


「ラウだって......!」

「ボクだって、なに?」


 自信満々に聞き返してくるラウ。

 まるで、後ろ暗いことなど一つもないと言わんばかりだ。だがしかし! 人間というのは呼吸をするように黒歴史を産み、夜中に一人大声を出す生き物! 特に学生は尚更! 


 何か......何かないか......?


 ーーいや、ある! それも、とっておきのが!


「おしっこもらしてた!」

「............それ、いつの話?」

「幼稚園!」


 ふはははは! これぞ転生者の強み! 背中とお尻の付け根の境目の辺りにホクロがあることだって知ってるんだもんね!

 

「いや、それボク覚えてないし。ノーダメージでーす」

「なん......だと!?」


 それずるくない? 

 これが駄目なら、他にダメージを与えられそうなのなんて......。


「仕方ない」


 ならば俺は、禁止カードを切ることにした。


「弁当が男子より多い」

「............そんなことないデスケド?」

「握力50キロ」

「48.8キロ! 50キロもない!」

「ほぼ同じやんけ!」

「全然違う! 乙女的には重要なの!」

「握力50キロゴリラのどこが乙女じゃい!」


 言った瞬間に気づく。

 これ言っちゃ駄目なやつだった。


「わかった。ぶち殺す」

「ごめんごめん。ゴリラって禁句だったね。うん。ラウはゴリラじゃないよ。ゴリラって握力400キロはあるらしいからね。ラウはせいぜい0.8ゴリラだよね。なんならゴリラは正式名称ゴリラゴリラだからせいぜいゴリッくらいのーー」


 必死のフォロー虚しく、ラウの大きな掌が目の前を埋め尽くしてーーこめかみの辺りがギリギリと締め付けられる。


「いたいいたいいたいいたい!」


 あ、ちょっと待って。これマジで痛い。

 握力50キロのアイアンクロー、マジで痛い。


「ごめんなさいは?」

「やだ!」


 くそっ! 俺は最強の魔法少女だぞ!?

 一度ならまだしも二度も根を上げて溜まるか!


「毎日早弁! 運動会のタイヤ引きで男子二人引きずってた! 部活の後ちょっと汗臭い! あとなんかベタベタしてる!」

「ーーッッ!?」


 なはははは。きいてるきいてる。


「破壊の化身! 裁縫セットのまち針全破壊マン! 暗黒クッキング! 女子力皆無!」

「............ふぅ」


 お? なんだ? 降参か?

 ならさっさとこの手をーーアアアアアア。


「いたい! ちょっ、痛いです!」

「ごめんなさいは?」

「ううううう......筋肉の悪魔。一生結婚できなそう。てか、女として見られなそうううううあ! 所詮友達止まりいぃいいいたいたいたい! 無理無理無理! もうギブ! ギブ!」

「ごめんなさいは?」

「ごめんなさい!」


 ば、馬鹿な。この俺が負けた......だと?

 名実ともに最強の魔法少女。魔王ですら時止めワンパンして、仲間の魔法少女に「もうあの子1人でいいんじゃない?」とまで言わせた俺が負けた? 特殊能力持ちの怪人にだって負けたことなかったのに!

 

 全身が沸騰するような屈辱の最中ーー唐突に天啓が舞い降りた。


 ーーそうだ。ラウに時間停止魔法を使ってイタズラさせよう。


「せいぜい今のうちに調子に乗っておけ......すぐに痛い目見せちゃるからな」

「ボクはこのまま2ラウンド目を始めても良いけど?」

「............後ほどお願いします」


 ぐぬぬ。月夜の晩ばかりだとは思うなよ。



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 時を止めたら何をする?

 楽して金を稼ぐ。嫌がらせ。えっちなこと。はたまた、全裸で駅のど真ん中に居座る。


 人それぞれ答えは違うだろうが、一つだけ、確かな共通点がある。


 それはーー誰であろうと、ロクなことはしないということだ。


「え、なにこれ......」


 それは、お前でもそうだろう? ラウ!


「時間が......止まってる?」


 俺に降り降りた天啓。それは......時間を止めて幼馴染にイタズラをさせること。もちろん、たださせるだけで終わるつもりはない。

 良い感じのタイミングで再び時を動かし、ラウの恥ずかしい瞬間を激写。文字通りの消せない黒歴史を作ってやろうと、そういうことである。


 うーん。我ながら冴えてる。灰色の脳細胞ってやつだぜ。


「ノゾミ? ねえ! ノゾミ!」


 もちろん俺は答えない。

 時が止まったように、呼吸、瞬きをせずに固まり続けるのみである。あ、待って。これ思ったよりきつい。目がシパシパする。あとくしゃみしたい。


「ノゾミ! ノゾミ! ねえ、返事してよ!」


 あ、ちょっ。

 お客様! 揺らさないでくださいお客様!


「ドッキリならもう終わりでいいから! 十分驚いたから! ねえ、ノゾミ!」


 ......ちょっと心に来るな、これ。

 

 でも俺は! ラウがなんか変なことするまで! 時を! 止めるのを! やめない!!


「えっちな漫画ネットで買ってるのお巡りさんに通報するよ?」


 ははっ(苦笑い)。お巡りさんもそんな暇じゃないから。てか何罪だよ。16歳で18禁エロ漫画買った罪なんて存在しないから(早口)。


 ーーでもやめれ(迫真)。


 そんな感じで一通り俺の周りをウロウロしてたラウだが、今度はクラスメイト一人一人を巡って目の前で手を振ったり肩を叩いたり始めた。

 

 俺はその内に息を吸って酸素を補充しておく。そう。俺はダイ◯ンのコードレス掃除機。サイクロン構造?的なやつでモーレツに酸素を取り込むのだ。


「すぅーーゴホッ!? ゴッッハッ!!」


 しまった。気管になんか入った。


「ノゾミ!?」

 

 まずいーー停止解除!


「あれ!? ラウさん、いつの間に立ち上がったんですか!? 今は授業中ですよ!」

「............すみません」


 先生に叱られ、ラウが戻ってくる。

 なぜかその目は、じっと俺の方だけを捉えていた。


「ねえ、ノゾミ」

「............ナンデショウカ。ダメデショ。ジュギョウチュウニ、セキタッチャ」


 よし。完璧。完璧に誤魔化せてる。


「............ふーん」


 やめろ。なんだ、そのいかにも私疑ってますとでも言いたげな「ふーん」は。


「まあいいけど」


 その日はそれ以上追求されることもなく終わった。



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 ーー時よ、止まれ。かっこ俺とラウ以外かっことじ!!


 頭の中でそう呟くと、パリーンと、ガラスの割れるような音と共に時が止まった。


「またあ?」


 またです。ラウさん。

 なんか収穫があるまでやめません。


「どうせこの前のもノゾミなんでしょ?」


 ち、ちげえし!

 そうだけどちげえし!


 てか、ラウはなんでそんなに俺ばっかり疑ってるんだ。前回くしゃみがきっかけで時間停止が解除されたとは言っても、それだけにしては確信を持って俺に当たりをつけてるように見える。


「ボク、知ってるんだからね。ノゾミが魔法少女だってこと」


 ーー?


 ーー!!?!?!!!?


 ーーえ、なんで!?


「あ、今一瞬目動いた」


 動いてない! 断じて動いてない!

 惑わされるな! これはブラフだ!


「トゥモロウ・ホープって明らかにノゾミのことでしょ? 声おんなじだったし、自分のこと『俺』って呼ぶ女の子他に見たことないもん」


 おおおおお! 明日野 希望(トゥモロウ ホープ)!!

 どうせ誰にもバレんだろってテキトーに名前つけたのが仇になった! そりゃラウならわかるわ。オンラインゲームの名前とか全部「ホープ」だし。


 でも都合のいい結界はどうした!? 妖精仕事しろ! ばっちり見られてんじゃねぇか!


「衣装とか凄かったよね。なんかこう、フリフリとかいっぱいついてて......可愛い系? ノゾミ本当はああいうの好きだったりするの?」


 違うから!

 あれは「時計」がモチーフの衣装が魔法で勝手に出力されただけで、ゴスロリなのは俺の意思じゃないから! ああ。くそっ。普段ラウと遊ぶ時とか絶対ズボンでスカートとか制服くらいでしか履かないのに。なんか知らんけどすっげー恥ずかしい。


「似合ってたよ。可愛かった」


 撫でんな!

 くそっ。いつもだったらさっさと振り払ってやってるのに。


 停止解除............は、駄目だ。我慢しなければ。このタイミングは流石にあからさますぎる。ただでさえ前回のくしゃみで疑われているのに。


「あれ? もしかして今、撫で放題?」


 違います。


「動かないなら、このまま撫でちゃおっかなー」


 やめれ。


「ほらほらぁ。どうですかお客さん。ボクの撫でテク、マサムネにも好評なんですよ?」


 その動物にするみたいな撫で方やめろ! 顎の下撫でたり、ほっぺいじったりーーてかマサムネってお前のばあちゃんが飼ってる猫じゃねえか! ふざけんな! そんなんで誰が喜ぶか!


「すぐにメロメロにしちゃうんだから。絶対声出ちゃうと思うなあ」


 なるほど。

 これで俺に声を出させて、停止を解除させようと、そういう作戦か。







 ーーふはっ! ふははっ!


 甘い。甘すぎる。

 最強の魔法少女であるこの俺が、随分と舐められたものだ。俺は魔法少女。当然、触手やオークなんかのよくいるエロゲ生物とは対戦済みだ。中には時間停止の隙間を縫って、俺に直接攻撃を仕掛けてきた奴もいる。

 殴る蹴るだけじゃない。俺の身体能力の高さを警戒してか、触手の拘束攻撃や、淫魔の搦手など、様々な攻撃を受け、勝利してきた。


 ーー2000倍。


 何とは言わんが、俺は2000倍まで余裕で耐えることができる。流石に某退◯人のように3000倍で責められたらどうなるかはわからないが、上級淫魔四人の儀式魔法であれだったのだ。

 ただの人間であるラウがこの俺に声を上げさせようなどとーー。


「ーーひゃん!?」


 え? 今の誰の声?




 ば、ばかな!!?!?!?


「耳、昔から弱かったよね」


 得意げな顔で見下ろしてくるラウと、真っ赤な顔で耳を抑える俺。


「あっれれー? おかしいぞぉー。ノゾミは動いてるのに、まだみんな固まってーー」


 くっーー停止解除!!



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



「それで? まだ懲りないんだ?」


 馬鹿! やられっぱなしで終われるか!


 とは、口に出すわけにはいかないので。出来るだけ意思を目に込めて睨みつけておく。もう今日はずっとこの顔で固まっている所存である。


「まったく。負けず嫌いなんだから。絶対ギャンブルとかやらない方がいいよ」


 偉そうに上から説教垂れながら、俺のほっぺたをぐにぐにと伸ばすラウ。やめれ。


 きっともう、俺が当初思い描いていたような恥ずかしい行動をとることはないだろう。ラウはこの時間停止の原因は俺だと決めつけてしまっている。どっか別のクラスに行ったりするような様子も全くないし、基本俺のそばにいる。


「もういい加減、種明かししたら? 何が目的か知らないけどさ。ボクも一人で喋るのしんどいし」


 嫌だね!

 このままじゃ俺は、時間停止魔法という最強の魔法を持っていながら、今後一生ラウにマウントを取られ続けることになる。そんなことは俺のプライドが許さない。

 ラウにこの時間停止の犯人が俺だとバレてしまったのなら、ラウが泣いて「戻してください」って言うまで時間を止め続けてやる!


 さあ、ラウ! こうなったら我慢勝負だ。動けない停止世界でいつまで余裕を保てるのか、見せてもらおうじゃないの。


「あ、ボクちょっとトイレ」


 ふはははは!

 そうだろうそうだろう。こうなることを予想して、俺は前の授業とその前の授業の休み時間、ラウの膝の上に座ってどこにも行けないようブロックしておいたのだ!


 さあ、トイレに行きたければ俺にーー。


「それじゃ、行ってきまーす」


 




 ーーあ、そっか。動けないの俺だけか。


「なるほどね」


 時間が止まった教室に俺の声が響く。

 

「ーー停止解除」


 よく考えたら俺もトイレ行きたいわ。



◯ ◯ ◯ ◯ ◯


 

 さあ、仕切り直しだ。


「大丈夫? またトイレ行きたくなったりしない?」


 うるさいです。

 ていうかさっきのアレは俺の意思で停止解除したので実質無効試合というかなんなら俺の判定勝ちなのでそこんとこよろしくお願いします。


「ーーあ!? もしかして、さっきの休み時間妙にベタベタしてきたのって、ボクをトイレに行かせないためだったりする!?」


 ぎくっ。


「あー、なるほどねえ。そういうことだったのか......あはは。なんか変な勘違いしちゃった」


 勘違い? どういうことだ?

 俺の疑問の答えになるようなことは口に出すことなく、ラウは気まずさを誤魔化すように苦笑いすると、わざとらしく大声を出した。


「さーてと! ずっと無視されるのも寂しいし、そろそろノゾミに声出させちゃおっかなー!」


 ラウの手が俺の耳に伸びる。


 ーー来た。


 昨日のようなことがあったのだ。当然、今日はその対策も用意してきている。それもずばりーー部位限定停止。


 やはり俺は天才だ。本来そこまで応用が効かない時間停止の魔法をラウにだけ効かないよう調整したら、今では体の一部な時間だけを止めて感覚を遮断出来るようにすらなった。


 今の俺なら、3000倍だろうと10000倍だろうと余裕で耐えられるんだよ! 当然、魔法は耳にかけることだって出来る。今の俺に死角はない。


 ーーさあこいっ!


「うーん。やっぱやーめた」


 ーーは?


「だってノゾミ、耳弱すぎなんだもん。すぐ『きゃっ!』とか言って恥ずかしい声出すし」


 出してない!

 出してないし、もう今の俺に耳は効かない! 良いからさっさと触ってこいよ!


「そうだ。よく考えたら、別にラウに話しかけ続ける必要もないもんね......そうだっ!」


 ポン、と手を叩いたラウは、何を思ったのか......俺の膝の上に座ってきた!


「さっきの休み時間、ずっと乗ってきたもんね。ボクもやり返したっていいよね?」

 

 いや、俺とお前じゃ体重がーーって重っ!


 身長が30センチ近く違うからか、ラウの肩甲骨の辺りで視界がいっぱいになってしまう。バスケ部エースのラウの体はやっぱり筋肉質で、太ももとかかなりずっしりしてる。あとケツがでかい。重い。


 くっ、男の体なら余裕で耐えれたのに。てか、小学校くらいまでは俺の方がでかかったのに! 男みたいな身長の伸び方しやがって。


「うーん、なんか落ち着かないなあ」


 痛い痛い痛い。

 ラウが体勢を変えようとするたびに足がギリギリと押しつぶされ、声が出ないよう必死に抑える。


 膝の辺りに体重をかけたり、かと思ったら深くまで腰掛けて背中を押しつけてきたり。重いのもそうだけど、密着してるから暑いし、呼吸も苦しくなってきた。今の俺は音が出ないことを優先して静かに呼吸しているから、結構辛い。


「そうだ」


 何かを思いついたかのように呟くラウ。

 そのまま立ち上がると......何故か、俺と向き合った状態で座り直した。


「あ、これ良いかも」


 まじで? そんなことある? 誰もみてないとはいえ、恋人しかやらなそうな体制だぞ?


 ま、まあ俺たち幼馴染だし? この程度で動揺するわけないんですけど?


「よっと」


 あばば。胸が。胸がすっごい当たってる。


 俺に抱きつくように腕を回して、スマホをいじり始めたラウ。俺たちの身長差でそんなことされると、俺の顔にラウの胸がちょうどあたる形になってしまう。


「ーーふむぎゅ」

「あれ? 今なんか言った?」


 押しつぶされるぅー。

 なにこれ。めっちゃ柔らかい。あとなんかいい匂いする。そしてこの安心感。


 脳が溶けるぅー。


 もしかしてここ、温泉的な何かなのでは? パワースポットのようなアレを感じる。


 ーーちょっと息苦しいけど。


「ノゾミさー、本当に覚えてないの?」

「んー?」

「ショッピングモールで変なタイツの集団に襲われた時、助けてくれたじゃん」


 うーん。知らんな。

 どうせ妖精のやつが記憶を消すと思ってたから、助けたやつの顔なんていちいち覚えてない。


「ボク、嬉しかったんだけどなー。昔いじめられてたのを助けてくれた時のこと思い出した」


 あったっけ? そんなこと。

 ......そういえば小学校くらいの時、そんなこともあったような気もする。でも正直、うちの小学校のボス女子は特定の誰かをいじめるってよりその時々の気まぐれでテキトーにハブるって感じだったから、俺が話しかけるまでもなく何日かしたらみんな飽きてたと思うんだよな。


「『ボク』って言ってるのだって、ノゾミに憧れたから始めたんだよ?」


 えー。

 それ、初耳なんですけど。


「............ねえ、ノゾミ。あの時、一人じゃなかったよね」


 少しの沈黙の後、ラウは呟いた。


「金髪の子とか、ピンクの服の子とか......ボクの知らない人と一緒に戦ってた」


 金髪......エンドウかな? ピンクの服ってのはおそらくマイルだろう。二人とも魔法少女で、頼もしい仲間たちだ。


「他にもいるの?」


 全部で6人。もちろん、俺が一番強い(ここテストに出る)。


 誰の魔法が強いかというのはよく議論になったけど、明らかに俺の時間停止がダンチだ。

 あいつらはそれでも歯向かってきたけど、そもそも俺がその気になればこの世界の人間全員家族が裸族な状態にーー。


「ふむぎゅ」


 きついきつい!

 息できないって! 暑い! 苦しい!


「............ねえ。ボクは今、何番目?」


 締め付ける腕がさらに強くなる。

 何番目って......文脈的に「友達の中で」とかそんな感じだろうか。正直、魔法少女仲間はどちらかというと部活仲間的なカテゴリに入るから幼馴染枠のラウとは別枠で考えているのだが。


 ラウがそんなことを気にするタイプだったとは。なんかちょっと意外だな。


「ボクはノゾミのこと、なんでも知ってると思ってたんだけどな」


 馬鹿か。いかに幼馴染とはいえ、知らないことだってあるだろうに。例えば、エロ同人の購入履歴とか......あれ? これ、知られてるんだったっけ。いやまあ、親のクレカで買ったってことは知らないだろう。流石に。

 俺だって、ラウとは小さい頃からずっと一緒だったけど、全てを知ってるとは思ってない。お尻のほくろは知ってるけどね。


「......はぁ」


 わからないようにため息をつく。

 仕方ない。今日はもう気分じゃないし、一時休戦だ。


「ーー停止解除」


 時が動き出す。

 俺たちすごい体勢だけど、幸いなことに今は放課後。教室には誰もいない。


「お前はトクベツだよ」


 ちょうどよく......はないけど、少し高い位置にあるラウの頭を撫でる。昔はよくこうしていたけど、最近はずっと高い位置にあったからひどく懐かしい感覚だ。

 なんかちょっと恥ずかしかったので、ぐしゃぐしゃにかき混ぜておいた。


 これだけ言えば伝わるだろう。


「ほら。なんでそんなとこ乗ってるか知らんけど、さっさと退いてくれ。足が痺れそうだ」

「......ノゾミがやったんでしょ」

「ナンノコトダカ」


 まあでも、俺も知らないラウの嫉妬深い一面を知ることが出来たのは収穫だった。停止世界というのは人の心も体も裸にしてしまう不思議な魅力があるのかもしれない。

 この調子で体の方も裸になってくれたら面白いんだけどなあ。


「くふふっ」


 やべえ。想像したらめっちゃ面白い。

 是非とも見てみたいものである。



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 その日のラウは朝から妙にソワソワしていて落ち着きがなかった。

 ふと視線を感じて振り返ると目があって、勢いよく逸らされたり。話していてもぎこちないし、所々でこちらを伺うような視線も感じる。


 ラウの態度は少し気になるが、俺のやることに変わりはない。


 ーー時間停止。


 しかし、今日は妙にラウが静かだ。


 いつもだったら呆れた様子を隠さないのに、今日に限っては真剣な顔で止まったフリをする俺から目を離さない。


 ......あの、なんか言って欲しいんですけど。てか、こいつはジッとどこを見てんだ?

 

 ーー唇?


 向かい合って座ったまま、拳ひとつ分にじり寄ってくる。なんだか、妙な雰囲気な気がした。

 何故か顔を真っ赤に沸騰させたラウが口を開く。


「ノゾミってさ......ボクのこと好きなの?」


 


 ーーは?


 もちろん好きだけど......この場合、そういう意味じゃないよな? 恋愛的な意味でって話だよな? え、なんで? そんな話、どっから出てきたんだ?


「昨日ボクのこと『特別』だって」


 いや。特別って、唯一の幼馴染的な意味で言ったんだけど。恋愛中な意味はないと思うんだけど。


 どうしよう。停止解除して誤解を解くべきだろうか。けど、この頓珍漢なこと言ってるラウをもう少し見ていたい気持ちもある。


「そう考えると、今までノゾミがやってきたこのイタズラの辻褄も合うんだ」


 なるほど?


「今までのこと全部、時間を止めたり、ボクの膝に座ったり、無視したり、ボクの気を引くためにやってたんだよね?」

「ーーんっ」


 なわけねーだろ!

 小学生男子か、俺は。

 

「それに、昨日聞いてみたんだ。幼馴染が突然イタズラしてきたり、無視したりするようにになったんです。なのにお前だけは特別だって言われてしまいました。これはどういうことですか?って」


 誰にだよ!


「そしたらみんな、その幼馴染はボクのこと好きなんだって言うから」

 

 みんな? みんなってなに?

 もしかして、部活仲間全員の前でそんな馬鹿な質問してないよな? 明日から俺どういう顔してバスケ部の連中と会えばいいんだよ。

 

「なんかよくわからないけど、カテゴリーマスター?の人もそう言ってたんだよ」


 知◯袋かよ! 

 信じるな! まずなんでそこで相談した!? あそこ以上に恋愛相談に向いてないとこないだろ! 住人全員が人の不幸で飯を食ってる連中だぞ!?

 

「ボクのことが好きなら、きちんと、わかる形で伝えて欲しいんだ。だからさ、お願い」


 ラウの顔は、りんごみたいに赤くなっていた。


「初めての時は普通に、時間停止してない状態でしたいんだ」


 え? なにを?

 ももも、もしかしてセッ......。


「あ、もちろんボクのファーストキスだよ?」


 ーーですよね!? 


 俺はもちろんわかってたけど!? 変な勘違いしてませんけど!?






 ............てか、ちょっと待て!


 この話の流れ、もしかしてラウって俺のこと好きなの? だってこれ、少なくともキスしても良いって思ってるってことだよな?


 ちょ、ちょっと色々考えさせて欲しいんだけど。


「............ノゾミ」


 そんなことを言っている間にも、ラウの顔は近づいてきて。

 時間が、時間が欲しい! 考える時間が!



 ーーその時、世界が凍る。



 馬鹿な!?

 俺は時間を止めてないはず! 一体誰が?


「お取り込み中に失礼するミュ」


 そ、その今にも殴りたくなる腹の立つ声は!


「妖精!」

「時間停止の魔法、返してもらいにきたミョ」

「は、はあ!? 今!? 状況見ろよ! 今明らかにそれどころじゃないだろ!」


 いや。それよりも前に聞かなければならないことがある!


「お前、その語尾はどうした!? 前はナリナリ言ってただろうが! イメチェンか?」

「翻訳機のアップデートをしたミョ。こっちの方が、ミーの故郷の方言に近いミョ」


 よくわからんが、こいつの故郷がど田舎なのはわかった。


「それより魔法ミョ。さっさと返すミョ」

「やだ!!」

「やじゃないミョ」


 ぬいぐるみのような大きさと名状し難い気持ち悪い外見で近寄ってきて、俺の額に触れる。


「なんで今!?」

「昨日回収忘れに気づいたミョ。今頃職場は大騒ぎミョ。これだからお硬いお役所は。魔法ひとつ辺境惑星に忘れたところで何も起こりゃしないってのに。ここまでくる費用も馬鹿にならないミョ」

「くっ! ならば俺は争うぞ! 拳で!」


 言いつつ、妖精に蹴りかかる。

 せっかく手に入れた時間停止、簡単に返すつもりはない!


「仕方ないミョ。ここにミーが自費で手に入れた『今後一生足の小指をぶつけなくなる魔法』があるミョ。これで手を打つミョ」

「アホか! 全然釣り合ってないだろ!」


 ちょっと欲しいけど!

 じゅ、五万くらいなら!


「えー。故郷では時間停止よりよっぽど人気な魔法ミョ。これの何が不満ミョ」

「馬鹿! 時間停止だぞ! 時間停止! 何と引き換えにしても返したくないね! 俺はお前らのいう通りにバケモノを倒してやったんだ! こんくらいもらったってバチは当たらないだろうが!」

「うーん。そこを突かれるのはちょっと痛いミョ」


 よし! このまま合法的に借りパクするぞ!


「うーん。フリーマーケットで買ったキスで異性を満足させることができる魔法は駄目ミュよね?」

「当たり前だ! そんなん............待て。詳しく」


 キスをするだけで女の子をイカせられるなんて、全男の夢じゃねえか!


「あ、興味あるミュ? ならこれと交換ミュ」

「待て! まだ交換するとは......」

「はい。これで交換完了ミュ」

「はやっ!?」

「ほな。ミーはここで失礼するミュ」

「あ! おい待て!」


 てかよく考えたら、異性をイカせられるって、今俺女だから必然的に相手男じゃん! 詐欺だ! これは詐欺だ!


「うおおおお! 許すまじ!」

「ノゾミ?」


 あ、そうだった。

 そういや取り込み中だった。


「魔法を解いてくれたってことは、そういうことだよね?」


 そうなる!?


「いや、これにはわけがーーふみゅ」


 唇に柔らかい感触。

 俺の体に覆い被さるようにしてラウがキスをしてきたのだった。展開が早い!

 

 幼馴染として、一緒に育ってきたラウ。初めは姪のように思ってた。

 そこから妹のように、身長が負けてからは、異性を感じることも少しだけあったけど......。


 部活で戦ってる時のラウはそこらの男よりよっぽどカッコよかったし、試合に勝った時の笑顔はめちゃくちゃ可愛かった。


 くっ、勿体無いことをした。

 

 魔法がなくてもこんなに気持ちいいんだ。魔法があれば、きっとラウを......え、ちょっと待って? いきなり舌入れるの?  現役ちゃお読者の方なんだからマウスツーマウスで満足しといたら?


 なんか俺、これ以上続けられると体が変になりそうなんですけど。


「どうやらその魔法、同性相手にキスをした時に気持ちよくなれる魔法だったミュね。これだからフリマの魔法は信用ならないミュ」


 よ、妖精!?

 帰ったんじゃなかったのか!?

 

「まあでも、ちょうどよかったミュ。上級悪魔の快楽にも屈しないのはおかしいミュ。ユーは不感症ってやつだったミュ。直してやったミーに感謝するミュ」


 いや、俺は気持ちよくする側だから! こんな魔法、あっても困るだけだから!

 あ、でもこれすごい。まるで全身の感覚が研ぎ澄まされたみたいで、肌が擦れ合うのすらもどかしい。


 ーーもっと近づきたい気持ちと、強い刺激を嫌がる本能で頭がぐちゃぐちゃになって、切なくて、思わず股を擦れ合わせてしまう。


「ラウ、もっと......」

「ノゾミ......すごく可愛い............」

  

 親に乳をねだる子猫のように、必死にラウの唇を求め続ける。

 だってこれ、こんなんやばい。頭が真っ白になる。もっと、もっと強い刺激が欲しい。


「ねえ。ボクのこと、好き?」

「好き。好きだからーー」

「友達としてじゃなくて、恋人として?」

「好きだってば!」


 もう! もどかしいな!


「よかった。ボクも同じ。ノゾミのことが好き」


 今の儀式になんの意味があったのかは知らないが、再びくっついた唇の隙間からラウの舌が侵入してくる。そう。これ。これを待ってたんだ。


 もう全部どうでもいいよ。

 早く俺を、気持ちよくしてくれ。


「あれー? おかしいミュ。あのノゾミがこんなに変わるなんて......もしかして、違法術式?」


 妖精、まだいたのか。

 まあ、どうでもいいか。どえせラウには見えないんだし。


「............うん。ミーはしーらない」


 妖精が逃げていく。

 でももう、全部どうでもいい。今はただ、もっと頭を真っ白にしたい。


「ノゾミ。もうボクだけのものだよ」

「ーーうん」



◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 あの妖精、今度あったら絶対に殺してやる。


「お二人さん、今日もお暑いですなあ」


 クラスメイトから冷やかされる。イライラする。


「......ノゾミ、ちょっと歩きづらい」

「わかってる! 黙ってろ!」


 イライラして、使う言葉も荒くなってしまう。

 こんな人前でベタベタして、三ヶ月くらいで別れそうなバカなカップルのやることだ。手を恋人繋ぎで繋ぐどころか、全身でラウに縋り付いて、恥ずかしいったらありゃしない。


 離さないと。離さないとだってわかってるのに。


「うー」

「どうしたの? もう限界?」

「うるさい! 今話しかけるな!」

「もう。そんなこと言うなら先行くよ」

「ーーやだ!」


 ラウと触れてないと、不安で頭がおかしくなりそうになるのだ。

 先に行くなんてーーもしかしてこいつ、俺が邪魔だから明日から一人で登校するつもりか!?


 あ、駄目だ。


「ラウ! 早く! 早く!」

「我慢できるんじゃなかったの?」


 呆れた顔をするラウをトイレに引っ張り込む。

 中には人がいたけど......駄目だ。個室に入るまで待てない。


 俺はラウの袖を引っ張った。


「トイレでするの、嫌なんだけど」

「うるさい! お前が今度から一人で登校するとか言うからこうなったんだろ!」

「いや、言ってないよ。そんなこと」


 ああーもう! もどかしい!

 俺はラウの服を引っ張って強引に屈ませた。


 ーーそのまま、貪るようにキスをする。


「ちょっと、ノゾミ。落ち着いて」

「......はぁはぁ」 


 駄目だ。まだ足りない。

 もっと。もっと欲しい。


「ラウ! ラウ!」


 頭がおかしい。

 まるで快楽の中毒者だ。


「大丈夫だって。ボクはずっとラウの恋人でいるから。さっきのは、本当にちょっと先に行って荷物を置こうとしただけだよ」

「本当か?」


 言葉だけで舞い上がってしまう。

 なんの意味もない約束だってわかってるのに、頬が吊り上がるのが制御できない。

 

「お前、責任とれよ。ラウ」

「......! うん」

 

 なんでちょっと嬉しそうなんだよ。

 

「キスしてる時のノゾミ、本当に可愛い。もっともっと、ボクに可愛いところ見せてね」


 そんな言葉に、顔が熱くなる。 

 ラウの恥ずかしいところを見ようと思って魔法を使ったのに。それが、どうしてこんなことに。











先日、新社会人らしき方が年配のおじさんに「初心を忘れちゃ駄目だよ。その気持ちは今だけのものだから」と言われてるのを見ました。

なんとなく、いいな。と思いました。


なので今回は、なるべく初心に戻って書きました。

創作における私の初心は「なんでボクっ娘ヒロインってサブ枠なの?」という深い憤りと、「評価・感想が欲しい!」という強い承認欲求です。


評価・感想ください(初心)。

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― 新着の感想 ―
[一言]  魔法少女にも青春を、だったかな?の続きが気になって夜しか眠れない日々でした。  1年ぶりくらいに先生の作品を読めてとても嬉しかとです。続編でも、新作でも気長に待たせていただきます
[一言] ひょっとして勝ち気なts美少女(或いは女装男)が高身長高湿度強フィジカル男勝り巨乳女に狙いを定められてるのが好きなんですか?私も好きです。 過去作の『お嬢様学校』のときは言われてみればぽっと…
[一言] 本当に素敵な作品でした。 ずっと次の作品はいつかと楽しみにしていましたが、更新来たのを見て大喜びで飛び付きました。 前の作品からもう一年近く経ってたようで驚きました。時の流れはあっという間で…
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