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私は囀ずる
音なき声で
聞き手などない
音なき歌を
高い高い頂目掛けて
小石をひとつ積み上げるような
頂の形をわずかに変えても
山をわずかも変えることの無い
刺さるとしても残らぬ言葉で
投げ掛けた音は
伸ばした手のひら
紡いだ言葉は
渦巻く叫び
繋がるように
伝わるように
求め、望む
握った手のひら
静寂の中に立ち尽くしながら
微かな呼応を聴いてみたくて
囀ずりながら手を伸ばす
世界の鼓動は絶え間無くて
吹き抜ける風はこの身を裂いて
平等な音は癒しもするが
傷つけることも知っていた
救いたかったわけじゃない
救われたかっただけかもしれない
それでも誰かに届けてみたくて
ここにいるよと知ってほしくて
信じてもいないなにかに向かって
求めるように、抱くように
この手のひらを空へと伸ばし
波打つ空でなにかに触れた
揺らめき、煌めく
冷たいなにかに
空に映した鏡のように
空から伸びたその温もりに