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間違いなくVtuber四天王は俺の高校にいる!  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第四章 兎と絆

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第52話 メイド店長

「兎神さん、六道先輩とお知り合いなんですか?」


 教室に戻ると綺鳴にそう問われた。

 六道先輩=ヒセキ店長と知っているのか、探ってるような感じだ。


「……実は今な、麗歌の依頼で六道先輩もといヒセキ店長の相談に乗ってるんだ。ファンのリアルな声ってのが知りたいらしい」


 軽く内容をボカシて伝える。

 別に俺が六道先輩とヒセキ店長の関係を知っていることは隠す必要ないだろう。


「あ~、そういうことですか。ライブにファンの声を取り入れたいんですね」


「そうそう。そういうこと」


 ちょろすぎて心配になるな、コイツ。



 --- 



 それからというもの、水曜日も木曜日も黒服の襲撃に遭った。

 アイツらちょっと隙を見せると六道先輩に接触しようとしやがる。もっとも全員華麗に撃退してやったがな。別格に強い奴が来るとか言ってたけど、今のところそこまでの強敵は来てない。


 そんなこんなで今日は金曜日。今日は午後にあるイベントがある。

 それは……俺のバイトだ。


「どうっすかな~……」


 マンションまで送った後でバイト先に行くか? いや、それだと出勤時間に間に合わない。


「なに悩んでるんだい?」


 今は朝食時。

 高そうな丸テーブルの向かい側には六道先輩がいる。


「あ、そっか! ボクの家だから、もしかして……溜まってる感じ?」


「なにが言いたいんですか?」


「一人エッチできてない感じ?」


「アンタはなにを言ってるんだ」


 やれやれ、と俺は牛乳を口に含む。

 この人の猥談にも慣れてきてしまったな。


「別に気を使わなくていいから、バンバンやっていいよ~。ボクもすばるんが居てもお構いなしにやってるし~」


「ぶはっ!」


 口に入れた牛乳を吐いてしまった。

 ホントなに言ってるんだこの人!?


「え? 意外? 女の子でもやる子は居るよ? 一人エッチ」


「いや、そりゃ居るだろうけど……」


「まぁ男の子に比べて頻度は低いし、やってない子もいっぱい居るけど。ボクの予想だとハクアはやってるね! ぽよよとレイレイは半々かな~。かるちゃまとれっちんはやってない気がする」


「だーっ! やめてくれ! 聞きたくない!!」


「女の子に理想を抱き過ぎると火傷するぜ、青少年」


「俺が考えていたのはそういう話じゃなくてですね! 今日のバイトをどうしようっかなって考えてたんです!」


「そういやすばるんバイトしてんだっけ?」


「ええ。メイド喫茶で調理やってます。やっぱり休むしかないかな~……でも当日で休みの連絡入れるのは迷惑過ぎる……あ~! もっと早くに休みの連絡入れておくべきだった!」


「休まなくていいっしょ」


「いや、休まないとバイト中六道先輩が無防備に……」


「だいじょぶだいじょぶ! つまり、キミのバイト中にボクがキミの近くに居ればいいんでしょ? なら簡単じゃんか!」


「え……?」


 六道先輩は意気揚々とある提案をした。



 --- 



 そして来たる放課後。

 俺はメイド喫茶に居た。

 今日、メイド喫茶は今までにない盛り上がりを見せている。なぜかって?


「いらっしゃいませご主人様~♪ お風呂にする? ご飯にする? そ、れ、と、も! ウィスキーいっとく!?」


 ――六道晴楽が接客しているからだ。


 物陰からホールの様子を見る。


「ご主人様~、ボク今日初出勤で、呪文言うのまだ恥ずかしいんです~。なので一緒に言ってくれますか?」


 メイド喫茶にまだ羞恥心がある客にはこうやって自分も初心者だということをアピールし、緊張をほぐす。


「あ! そのストラップ! “でかキモ”ですよね!? ボクも見てるんですよ、そのアニメ!」


 客の荷物の中から話題を見つけ、そこから話を広げていく。


 凄い。初心者なのにすでに接客完璧。他のどのメイドさんより活躍している。


「ちょっとすばっち!」


 後ろから勾坂先輩の怒号が飛んできた。


「なんで晴楽を呼んだの! おかげで今日の私の指名率激サガだよっ!」


「すみません。俺も連れてきたくはなかったのですが……」


 こんな会話があった。


『ボクもメイド喫茶で働くよ! メイド服、一度着てみたかったしね』


『はぁ!? マジで言ってます!?』


『マジのマジ! まっかせてよ! 配信で磨いた接客技術、存分に見せてしんぜよう!』


『配信と接客は別物ですよ。痛い目見ても知りませんからね』


 とまぁ、俺の心配は杞憂だったな。 

 無双してやがる。


「コラそこ! なにサボってるの!」


 六道先輩がプンプン顔で俺と勾坂先輩に言ってきた。


「勾坂さん、手が空いてるなら料理を運んできてくれませんこと?」


「うっ……生意気な後輩め」


「とこでさメイメイ」


 メイメイとは勾坂先輩のことだ(下の名前がメイ)。

 六道先輩は勾坂先輩と肩を組み、小声で、


「……メイメイが恋しちゃってる店長さんはどこにいんの?」


「……今日は休みだよ! ていうか、ここでその話はやめてって! 他の人に聞こえたらどうするの!」


 聞こえてますよ。つーか勾坂先輩が店長にぞっこんなのはみんな知ってるって。


「戻るか」


 この調子なら心配なさそう。バイト中のメイドさんを拉致ったら大事になるだろうし、六道グループの介入もないだろう。


 今日、メイド喫茶〈MoonRabbit〉は今月最大の売上だったという。


 ちなみに次の日からライセちゃん(六道先輩のメイド名)の指名がめちゃくちゃ入ったとか何とか。スタッフたちは『すみません、彼女は臨時スタッフなんです』と何度も謝る羽目になったらしい。

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