和泉のこと
僕は和泉の家に行くことになった(強引)のだが……僕は女子の家に行くのは初めてなので緊張する……
……とまあそんな感じで1時間くらいインターホンの前にいるんだけどね……
さっき親子から変な目で見られたのはもういっそのことなかったことにしておこう!
「よよよよし、お、押すとするか」
と、(さっきも言った)言って押した。
『はーい』
「井本だ」
「オッケー、開いてるから入って」
そう言われたので僕はなるべく早く家の中に避難した。
「あーー……そこらへん座っといて」
「磯崎は?」
あいつ今日は帰ってすぐに行くと言っていたのだが……
「なんか疲れたからいきたくないってー」
「よし、明日はグーでいこう」
明日が学校で良かった
「さてと、勉強始めるか」
「あ、ちょい待ち、もうすぐできるから」
…、なにが?
「へい、おまち!」
「寿司屋か」
目の前にはマフィンが並べられていた。
「井本って甘党でしょ?」
……なんで知ってるんだろう
「ポテトが言ってた」
「おい和也」
和也というのは和泉と同じクラスの男子のことだ。僕と小学校が同じなので知っている。
ちなみにポテトというのは和也のあだ名で小学校の頃ずっと坊主だったことからそう呼ばれているらしい。
……まぁ甘いのは好きだからたべよっと
「いただきます」
僕は一口プレーン味のマフィンを食べた。
正直めちゃめちゃ美味しかった。お店のやつよりも美味しい気がした。
「めっちゃ美味しい」
「良かった〜」
僕はそのまま3個食べた
少し気になったことがあった。
「なぁ和泉、家に一人しかいないのか?」
ずっと気になっていた。お菓子を作っていても誰も来る気配がなかったしそもそも玄関に靴が殆どなかった。(おそらく和泉のやつしかなかった)
「うちは親が両方死んだんだ」
「っ……!ごめん」
「いや、別に大丈夫だよ、もうだいぶだいぶ前のことだし」
そうは言いつつも和泉は……ものすごく悲しそうな…そして悔しそうな顔をしていた。