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1,名前も知らない女子

5月も半分が終わる頃、うちの学校では体育祭の練習が始まった。僕−−−井本優太も練習に参加するはずだったが部活動で怪我をして見学していた。

今日はリレーの練習のようだ。まぁそんなに運動は得意じゃないからいっか。

すぐにリレーは始まった。

すると、隣から声が聞こえた。横を見てみると知らない女子がいた。

一言で言えば人形のような人だった。髪は透き通るような黒髪でとても可愛らしかった。……背がちっちゃかったのもあるが……

すると彼女もこちらを向いた。……タイミング悪く走者が目の前を走り抜けようとしたからか。

「あの……」

マジか、声かけてくるんかい。

「……どうした?」

Theぶっきらぼうだけどいいや。

「どうして見学なんですか?」

……まさか心配されるとは思わなかった。

「部活動で足を怪我したんだ。だから見学してる。」

「だ、大丈夫ですか?」

「頼むから敬語はやめてくれ。……大したことはないんだすぐに治るから。」

「良かった〜」

そう言ってリレーに集中した彼女を見て僕もリレーを見た。

……思っていたより話していたようでリレーはすぐに終わった。

みんながだんだん教室に戻りだしたので僕も戻るか、と思い

立ち上がって帰ろうとしたら、

「待って!」

彼女から呼び止められた。何かやらかしたか?と思い振り返ると、

「名前!名前教えて!」

そう言ってきた。僕は名前を教えたところでもう話さないだろう、そう思い教えることにした。

「井本だ、井本優太。」

そして僕は反射的に、

「君の名前は?」

そう聞いていた。

彼女は何度か目をぱちぱちして、

「和泉小春だよっ!」

僕はしっかりと名前を覚えてこう言った。

「今日はありがとう。退屈に過ごさなくて良かった。これからも話すことがあったらよろしく。」

そして彼女は嬉しそうに笑いながら、

「うんっ、またね。井本っ」

僕は自分が笑顔になっていることに気が付かないまま教室へと帰った。

……このとき僕は彼女と2年近く交流を続けることを知らない。そんな僕と彼女の2年の物語だ…………


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