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東方救嬢期 〜男の娘の幻想入り〜  作者: ASADE
第一章 幻想郷巡り。……にしたいです。(作者の願望)
6/49

第3話 僕の名前は———

どうもこんにちは!ASADEです♪

今回でついに主人公の“名前”が明らかに……!?

よければ楽しんでいってください♪

あ、それと後今回から行替えの仕方変えます。

詳しくいうと、会話の後は1行開けて、場面変更の時は2行。

視点変更の時も2行。

ちょっと変えたいけど視点変更ほどでもないときは1行。

変なやつと2行じゃ足りないだなって思う時はいっぱいします。

よろしくお願いしますm(_ _)m

 次の日、僕は昨日の喧騒が嘘のように感じられる、まだ陽が昇りきっていない静まり返った人里から聞こえる小鳥の囀りで目を覚ました。

 まだ誰かが起きているような気配はしない。

 ということは、というよりも外の景色を見ればわかるけれど、結構早い時間に目が覚めたらしい。

 多分、5時とか6時とかそれくらい。

 まぁいつもより起きるのちょっと遅いぐらいなんですけどね。

 それと二度寝はしないんですよね。

 できないだけだけど。

 そんなことを考えながら、布団を畳んでいった。

 小鳥の囀りとこのシンとした静けさが眠っても取れなかった疲労と考えるための集中力を与えてくれる。

 こういうの、なんかいいな〜……

 これからはこう言うのが聞けるようになると思うと楽しみです。

 といっても、今は特に考えることはないんだけどね。

 布団を片付けて、このあと何をするかを考える。

 ……普通に朝食作ろうかな。

 いやでも人様の家?のものを勝手に使っちゃうのは憚られるなぁ……

 かといって何もしないのもなぁ……

 ……まぁ、感謝の意を込めて作っちゃいましょうか。

 人様のものを無断で使うわけだし、怒られたら甘んじて受け入れましょうかね。

 僕が全面的に悪いわけだし。

 斯くして、僕は朝食を作りに行くことを決めました。

 昨日の記憶を頼りに、調理室へ向かう。

 といっても、徒歩30秒ぐらいなんですけどね。

 凄い近いから便利。

 ポンして見えなくしたリュックをまたポンして見えるようにして、その中から、いつも愛用している凄い良く切れる包丁と、いつも愛用している花柄フリージアのエプロンを取り出してササっとつける。

 材料は、一応生でも食べられるものを痛まないようにリュクの中にしまっておいたのでそれを使います。

 この中のものでもしも足りなかったらここのもの少し使わせていただきましょうか。

 後で全力の謝罪+土下座ですね。そうなったら。

 まぁ足りるように調整するんですけどね。

 そんなことを考えながら、野菜とか諸々を洗っていく。

 こんな江戸時代みたいなところにも水道ってあるんだな〜…………

 おかしくないですか?

 え?水道が初めてできたのって明治ぐらいだった気が……

 ……

 うん。気にしないことにしましょう。

 そんなことを考えつつ、洗い終わった野菜をまな板の上に乗せて、調理に取り掛かった。

 


 あれから、約1時間くらい掛けて作り終えて、今はお皿に盛ろうとしている所です。

 あ、因みに結局材料は足りました。

 そこで、後ろから足音がしていることに気がついた。

 小さく息をつきながら、手を止めて、後ろを振り向く。

 そこには少し驚いたような表情と、寝起きのためか少し呆けたような表情を浮かべながらも、サラサラとした髪を隙間風で少し浮かせた上白沢さんがいた。

 あー……えっと……なんでいえばいいんでしょう?

 うーん……取り敢えず……報告とちょっとした謝罪だね。


「えっと、上白沢さん。朝食作ったので、食べますか?後勝手に調理室使っちゃってすみません。」


 寝起きだから勢いのある言葉はダメだよね(語彙力)

 すると上白沢さんは寝起きのせいか混乱しているせいか、少し言葉を詰まらせながら、「あ、あぁ。頼めるかな。」と答えた。

 それに付け加えるように、「すまない、少し顔を洗ってくるよ。」と言って、調理室を後にした。

 あー……これは寝起きで混乱させちゃた奴ですね。

 後で改めて謝らないとかなぁ、これは。

 まぁ流石にいきなり朝食できてますよって

いってすんなり受け入れられる方がすごいと思うけどね……。

 あ、“3人”いた。

 僕の知り合いの中でだけどね。

 そんなことを考えながら、さっき作った料理を盛ったお皿を机の上に並べていく。

 並べ終わったタイミングで上白沢さんが戻ってきた。


「改めて、おはようございます。上白沢さん。」

「あぁ、おはよう。」  


 上白沢さんは微笑みを浮かべながらそう言って、僕の向かい側の席にゆっくりと腰を下ろした。

 美人の微笑み……陰キャにはきますね。

 八雲家の方々もだったけど。

 僕のHPゴリゴリ削りにきてるよね。

 そんなことを考えながら、上白沢さんとアイコンタクトを取り、手を合わせて、二人同時に合掌した。

 食べてる時、上白沢さんが美味しいって言ってくれてお世辞でも凄い嬉しかったです。というか絶賛していた気さえしました。

 大袈裟だなって思いながら食べてました。

 後食事中のお喋りも楽しかったです。



 あれから、朝食を食べ終えて、少し寛いだ(緊張とそこはかとない申し訳なさであんまり寛げなかった)後、僕達は例の神社に行こうという話になりました。

 昨日結局行けてなかったからね。

 気にしてないけど。

 まぁ今も上白沢さんは仕事してるんですけどね。

 出発する前に上白沢さんに「すまない、この前やったテストの丸付けが終わっていないことを思えだしたんだが……今日、というより午前中に終わらせないといけないものなんだ。だから申し訳ないが、それが終わってからでも大丈夫か……?」と言われた。

 昨日ので終わらなかったのかって思ったんですけれど、仕事のことなので聞くのは辞めて、普通に了承しました。

 仕事、大事。秘密、大事。他言、ダメ、絶対。

 そんなことを考えながら、段々と活気が戻りつつある人里に目を向ける。

 色々なお店があって、これからお世話になるであろうお店や、昨日行ったお店などがここから窺える。

 なんかそのお店の人がこっちを見てる気がするけど気にしない。

 さらに先を見てみると、八百屋さんらしきお店や、日常品を売っているお店などが目に入る。

 子供達が無邪気に遊んでいる姿もセットで。

 そんな感じで人里を見ていると、後ろから声をかけられた。

 この声的に……


「おはよう。隼くん、光輝くん。どうしたの?また誰かと喧嘩でもしちゃた?」


 悪戯っぽくそういうと、二人は「ううん。してないよ!おねぇちゃんとの約束ちゃんと守ってるもん!」と、声を揃えて言ってきた。

 うん。デジャヴ。

 この子達は昨日喧嘩していた子達で、左の赤色と黒色が混じったような髪色で、スポーツ刈りの子が 朱咲隼(あけざきしゅん)くん、右の茶髪で、マッシュの子が花澤光輝(はなざわこうき)くんだ。

 なんとなくの紹介をしながら、2人と話していると、奥からもう2組の男性と女性の人がやってきた。

 まぁ顔似てるし、多分2人のお父さんお母さんでしょう。

 そんなことを考えていると、いきなり頭を下げられた。

 ……ゑ?


「「「「この度はうちの息子がお世話になりました。」」」」


 …………ゑ?

 ……あ……

 ……え?僕がやったことってそんな大そうなことじゃないよね?

 しかも一瞬何に対してのお礼かわからなかったよ?(それは自分が悪い)

 ここまでされるとは思ってなかったんですけど……逆になんか文句言われると思ってた。

 取り敢えず頭を上げてもらって話を聞いてみると、この子達は、言ってしまえば問題児で、人の話を聞かずに一人で行動して、周りのことを考えずに好き勝手遊び、家族のことを考えず悪態などを日常的についている子達だったようです。

 そのことを昨日本人達自ら謝られて、話を聞いてみると僕のことが出たらしく、僕にお礼を言いに来た、ということらしいです。

 律儀だな〜。

 多分僕もそんなときは同じことするけど。

 う〜ん……そんな大層なことはしてないしなぁ……

 ……うん。ここは本心を言って、申し訳ないけどお帰り頂きましょう。

 お礼なんて、言われる立場でもないしね。


「僕はそんなお礼を言われるようなことはしていませんよ。僕はただ、子供達の話を聞いて、アドバイス紛いのことをしただけです。なので、うちの子に変なこと吹き込まないで!って文句を言われても、お礼を言われる筋合いはありませんよ。だから、気にしないでください。(語彙力)あぁ、それと困った時はいつでも言ってくださいね。できる限りお手伝いしますので。」


 語彙力がなさ過ぎて笑った(泣)

 笑ってるのか泣いてるのかどっちなんでしょうね。

 まぁ、そんなことはさておき、後ろの上白沢さんの慈愛に満ちた視線が痛いので、そろそろ行かないとですね。

 待たせるのも申し訳ないしね。


「まぁ、そういうことなので、また機会があれば。さよなら」


 そう言って、上白沢さんのところへ向かった。

 なんか2人のご両親が「あぁ、待ってください!何かお礼を!」って言ってた気がしたけど気のせいですよね。



「いいのか?あのまま戻ってきても。お礼をさせてくれって言ってたぞ?お姉ちゃん?」

「も、もう、恥ずかしいのでやめてくださいよ。上白沢さん。しかも僕、男ですよ!」

「ははは、すまな……い…………ん?……ん?すまない、聞き間違いかもしれないから、もう一度言ってもらってもいいか?」

「え……?まぁ、はい。」


 どうしたんだろう?何かおかしなところあったかな?


「え、えと、『恥ずかしいのでやめてくださいよ。』ってところですか?」

「いや、それのもう一個先だ」

「もう一個先……?『しかも僕、男ですよ』ってところですか?」

「そう!そこだよ!」


 なんか凄い勢いで上白沢さんがそう言ってきた。

 体勢も前のめりになってるし……

 と、というか……


「あ……あ、あにょ、上白沢、さん。その……ち、近い、です、よ?」


 やばいめっちゃ言い淀んだ+噛んだ。

 しかも上目遣いっぽくなってる気がする。

 あう〜……凄い恥ずかしいよぉ……

 自分でもわかるくらいには顔が熱くなってる……

 あぁぅ〜…………

 だってしょうがないじゃん!上白沢さんみたいな凄い美人な人が凄い近くに顔寄せてくるんだよ?(言い訳)

 熱くならない筈ないじゃん!(言い訳)

 恥ずかしくならない筈ないじゃん!(言い訳)






 Q &A(笑)or P &A(謎)コーナー(謎)

A

うん。可愛い(確信)

Q

ちょっと!恥ずかしいから言い訳って書くのやめてください!しかもまだ何も言ってませんよ!?(これ質問じゃないのになんでQがついてるんてますか!?ていうかどっちかっていうとこれP(protesk 意 抗議)&Aなんですけど!)

しかも可愛いこと言った気も可愛いことした気もありません!

それとこのQ &Aコーナー(笑)はなんですか!?

A

可愛いので嫌です。

後可愛いことなら常時してますよ?

ていうかそれ以前に存在自体が可愛い

Q

可愛いことは常時してませんしする気もありませんし存在自体が可愛いってなんですか!

と、というか、ナチュラルにポンポン言ってますけど、か、可愛いって……

ぼ、僕、男ですよ!

全然可愛くなんてないです!

(途中でなんか恥ずかしくなった人の図)

しかもこれ完全にQじゃないですよね?

どっちかっていうとPですよね?(2度目)

A

( ˘ω˘ ) (安らかな眠り)

…………ハ!……まぁ、可愛いので、

OKですo(`ω´ )o

それとそこまで言うならQ?P?ってしときますね

Q?P?

普通にPだけにするかこれ自体をやめてください!

それと顔文字使ってまでそんな恥ずかしいこと言わないでください!

可愛いとも言わないでください!可愛くないので!僕は男です!

しかもOKじゃないです!(何故かものすごく恥ずかしくての顔隠しながらの赤面状態)

A

うん。可愛い

Q?P?

あうあうあうあうあうぅぅぅぅ…………

 もういいです。諦めます(精神力残りHP100\10)

A

あうあう言ってるの可愛い(確信)

 恥ずかしさのあまり顔を手で覆いながらの無視ですね

 可愛い(確信)

Q?P?

可愛いって言い過ぎですよ!

(精神残りHP100\0)


A

テロップ

Q?P?

主人公

状況説明

誰かさん


注:この会話(謎)は無かったことにされます(メタさん)


作者の感想

なぁにこれ?

あ、この後は普通に続きます。(2度目)






 しかもちょっと言い淀んだり噛んじゃったりしてそれも恥ずかしいし……

 あぁうぅ〜…………どうしたらいいんでしょう?

 僕がそう言うと、上白沢さんは今どんな状態か気づいたのか、顔を赤く染めて、一度咳払いをしてから、また話し始めた。


「あ〜……その、すまなかった。少し取り乱してしまった。」


 その上白沢さんの言葉に、顔の赤さを必死に抑えようとしながら、「だ、大丈夫、です、よ。」と、俯きながら、恥ずかしさを抑えるために小さな声で、そう言った。

 訪れるの沈黙。

 …………………

 ……やばいやばあやばいやばいやばい……

 すっっっっっっっっごい!恥ずかしい……


「……と、取り敢えず、準備もできたようなので、行きましょうか。」

「あ、あぁ。そうだな。行くとするか。」

「道案内、よろしくお願いします。」

「あ、あぁ。わかってる」


 会話がぎこちないし声も小さい……まぁ、流石にあれの後で普通にはできないよね……

 ……できない、よね?(段々とわからなくなった人)

 そんなこんなで、やっと例の場所に行けることになりました。

 多分2日掛かってるよね。

 ……

 ……なんで?


「って、違う違う違う!そっちも大切だけど今はそっちじゃない!」

「そっちじゃないんですか?ならどっちですか?あっちですか?」

「いや、こっちだ。」

「成程ですね。わかりません」

「同じく」

「……ふふ」「……はは」


 ちょっと笑っちゃった。

 なんかシンクロしてて凄いですね。


「と、おふざけはここまでにして……君は、男性、なのか……?」

「はい。そうですよ。どう見てもそうでしょう?」

「いや、どこからどう見てもそうは見えない。というか、君が性別を偽っていると言われた方がしっくり来るな。」 

「そ、そこまでじゃないと思うんですけど……知り合いに中性的だとは数えきれないほど言われましたけど……」

「ソウダナー(自覚なし……か……。)」


 あれ、なんか上白沢さんが自覚なしって思ってる気がする。

 後その言い方と視線やめてください。なんか心のライフが削れちゃうんで。


「まぁ、取り敢えず出発しようか。」

「はい。改めて、道案内よろしくお願いします。上白沢さん。」

「あぁ。まかせてくれ。あと、慧音でいいぞ。さん付けもなくていいし、敬語も使わなくていい。」

「そ、それはちょっと恥ずかしいですg……それなら、お言葉に甘えて慧音さんと呼ばせていただきますね。」

「あぁ。」


 斯くして、慧音さんとの距離が少し縮まった気がしました。(絶対そっちじゃない)

 圧を感じたから縮めさせられたの間違いかな? ……あれ?後ろから何か……。

 結局今さっきのやつで出発時間が9時を回りましたとさ。

 めでたし……くないよね。

 いやでも朝早すぎると森の中もっと暗かったと思うから……ある意味めでたしだったのかもしれませんね。



 僕は今、慧音さんと共に森の中を歩いています。

 はっきり言ってこんな緑溢れる森は初めてなので少し楽しいです。

 木漏れ日とか綺麗だな〜。


「そういえばさっき聞くのを忘れていたが、何故君は男性なのにあの子達にはお姉ちゃんと呼ばれているんだ?」

「えっと……なんかあの子達には最初からお姉ちゃんって呼ばれてて、一応『僕、男の子だよ?』って言ったら、首を傾げながら『お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ?』って言われて、なんかもう何言っても変えなさそうだったのでそのままにしました。」

「そ、そうなのか……なんというか、ご愁傷様?」

「あ、あははは……」


 あれ、デジャヴを感じる。

 ついでに乾いた笑みが漏れました。

 まぁ、これは……仕方ないよね。


「お、見えてきたな。あの階段を登った先が博麗神社だ。ここまでくればもう大丈夫そうだな。」


 指を差しながら慧音さんがそう言った。


「はい。大丈夫です。ここまでの道案内ありがとうございました。」

「あぁ。それじゃあ、私は人里に戻るな。」

「はい。お気おつけて」

「あぁ。」


 そんな会話の後、慧音さんは踵を返して、来た道を戻って行った。

 それを見送った後、僕は階段を登り始めた。

 なんかコケとか生えてて雰囲気出てていいなぁ。

 鳥の囀りも聞こえるし、風で木が揺れる音も聞こえてくるし、なんか赤色と黄色のボール状のものが飛び交ってるのも見えるし、人も浮いてるなぁ……

 ……え?

 まぁ一応、浮けるってことは知っているけれど……あの球はなんですか?

 と、取り敢えず、発生源この階段の上だと思うから、進路は変えなくて良さそうですね。

 そう考えて、少し階段を登る足を早めた。

 まぁそうは言ってもこの階段凄く長いから時間かかるんですけどね。

 


 階段が後少しで終わるぐらいまで来た時、人の姿が見切れなくなりました。

 奥の方は金髪で黄色の眼をしていて、尚且つ魔女のような格好(箒もあり、というか箒に乗って浮いてる)をしている女性で、髪はロングの、失礼かもしれないけど少し天然パーマの入ったロングヘアーと三つ編みおさげを足したような髪型で、手には八卦炉を小さくしたようなものを持ち、構えていた。

 手前の方は綺麗なストレートの黒髪で、赤色の髪を纏める布みたいなもので首の横の髪を纏めており、茶色の眼をしていて、赤を基調とした巫女服を着こなして、手には幣を持ち、構えていた。

 はい。御二方バチバチ戦闘態勢ですね。

 なんか今は金髪の方が小さい八卦炉を巫女さんへ構えてい流状況ですね。

 僕は巫女さんの同一直接上にいるけれど何故か嫌な予感しかしませんね。


「いくぜ霊夢!私のマスパをくらえ!」


 あ、これは確定演出ですね。

 多分僕の存在に気づいてないし。

 あ〜小さい八卦路に光が集まっていく〜

 ……やばいどうしましょう。

 そう考えるが早いか、金髪の女性が叫んだ。


「スペルカード発動!恋符『マスタースパーク』!」


 それと同時に、小さい八卦路(小さい八卦路って言うのはなんか言いづらいからミニ八卦路でいいや。無性にしっくり来るしね)から、さっきまで集まっていた光が一気に収縮して、次の瞬間にはレーザーのようになり、霊夢と呼ばれた人の方へ一直線に進んで行った。

 まぁ霊夢と呼ばれた方の方に飛んでくるということはこっちに飛んでくるということなんですけどね。

 まぁ、多分霊夢と呼ばれた方が止めてくれr


「魔理沙の十八番が来たわね。ま、いつも通り避けやすけど。」


 そう言うと、霊夢と呼ばれた方は少し体を横にズラしてそのレーサーのようなものを避けた。

 あー……これどうしよう……

 ……いやでもあれよく見たら跳ね返すとか破壊するとかできそうじゃない?

 核っぽいものあるし。

 ……

 はい。できますねこれ。

 それじゃあちょっとやりすか。

 跳ね返しちゃうと魔理沙と言われていた方にあたっちゃうかもしれないし、破壊でいいよね。

 こういうの集中力必要だから大変だからあんまりやりたくないんだけどな〜。

 まぁ、命(多分)かかってるかもしれないからやるけど。

 どうやるのか考えましょうか。

 深呼吸して、核っぽいところに狙いを定めて、どのくらいの力加減でやればいいかわからないけど、拳を振りかぶって、核を破壊できる(多分)ぐらいの力で、拳を放つ。

 これでいいよね。

 タイミングさえ間違わなければ大丈夫だもんね。

 後5秒くらいかな。

 あ、今気づいたけど御二方がこっちに何か叫んでる。

 ええっと、読唇術使いますか……って、そんなことやってる暇ないですねこれ。

 推定後2秒くらいでゴッツンしますね。

 うーん、なんて言ってるか知りたいけど、今この状況じゃぁなぁ……

 まぁ取り敢えず……やりましょうか。

 そうして、僕は振りかぶった拳を遠心力をフルに活用して、出来るだけ威力を調整して、レーザーの核ぽっいところに当てた。

 多分このままの威力ほどではないと思うけど、爆発はすると思うから、それも考慮して、出来るだけ自分に向けて爆発の被害を抑えて、尚且つ周りに対する爆発の被害も最小限に抑える為に、少し工夫してたり。

 まぁもしかしたらもうちょっと強くしてたらガラスみたいにバキバキ割れてたかもしれないんですけどね。

 すると、それは耳を劈くような音と黒煙を立ち上げながら、少しヒビが入ったと同時に、爆発した。

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……やったね!!被害ゼロだよ!!!

 いやまぁそうなるようにしたんですけどね。

 周りも少し黒煙が立ち込めるくらいだし、大丈夫だよね。

 何秒か放置してたら勝手に晴れるでしょ。

 よかった〜

 ……あ、ヤバ、煙吸い込んじゃった。


「こほ、こほ、」


 やばい咳し始めた。

 全然、『よかった〜』じゃなかったね。

 ちょっと待てないから灰吹き飛ばしましょうそうしましょう。

 そう言うわけでポンして見えなくしたリュックからなんとなくで持ってきたうちわを取り出して、できる限りさっきの人達に煙が行かないように仰いで、煙を飛ばしていく。

 本当になんとなくだったけど、持ってきててよかったね!

 いやまぁもしもうちわがなかったとしても他の方法で吹き飛ばすんですけどね。

 というかそっちの方が簡単で早いんですけどね。

 そんなことを考えながらボーっと仰いでいると、次第に霧が晴れていき、さっきの人達が見え始めた。

 お二人共、こちらに敵意マシマシですね。めちゃくちゃ睨んできてますね。

 なんででしょう?

 ……なんででしょう?(すっとぼけ)

 そんなことを考えている内に、完全に霧が晴れた。

 さっきの人たちに視線を向けてみると、霧が晴れるまではこちらをこれでもかと言うほどでもないくらい睨みつけていたけれど、今は何故かポカンとしていた。

 その視線は、僕の手に集められている。

 ……あぁ、そう言うことですか。

 まぁさっきまで持ってなかったものを持ってたら驚きますよね。

 え?そっちもだけどそっちじゃない?

 ちょっと何言ってるかわからないですね。

 そんなことを思いながら、何を話すか考えていると、霊夢と呼ばれた(もうこれ言うの面倒くさいから霊夢さんでいいや。苗字知らないしね。)人が、一瞬反応を見せたかと思うと、直ぐさま臨戦体制に入り、こちらにまたもや疑いの念と敵意を孕ませた視線を向けながら、静かに、されど力強く言葉を紡ぎ出した。


「あなた……何者?魔理沙のマスパを受けても無傷なんて……というかあなた、受けた受けてない以前に……壊したわね?あれを。」


 もうさっきのルーミアさんにした説明長かったから省略していいよね。


「僕は幻想入りする寸前で何故か穴に落ちた者です。」

「「???」」


 あ、すごいお二人とも困惑していらっしゃる。

 まぁ、幻想入りする“寸前で”だからね。仕方ないね。

 幻想入りする“時”はありそうだけど、“寸前で”だからね。多分いつもは無いんでしょうね。寸前は。

 まぁ寸前がすごい頻度であったらそれはそれでってなるけどね……。


「えっと……それじゃあ、あんたが紫の言っていた外来人ということでいいのかしら?」


 霊夢さんは戦闘体制を少し崩して、そう問いかけてきた。


「はい。多分そうだと思います。あと、さっきの質問?に答えますと、確かに僕はあのレーザー状のものを壊しました。殴って。」

「「殴って?」」

「はい。殴って。」

「「……」」

「……?」

「……取り敢えず、お前が規格外ってことだけはわかったぜ。」

「?なんであれで規格外になるんですか?あれぐらい普通にできますよね?」


 魔理沙さんの言葉に、僕は少し首を傾げながらそう返す。

 あれぐらいなら普通だよね?


「……あれが普通と思ってる時点で規格外だぜ……。」


 ……え?……え?……

 ……ゑ?

 あれ……やらかしましたか?僕。

 え?だって周りの人あれぐらいふつうにやってたし……でもお二方の反応を見る限り……

 ……あ、僕終わりましたね。

 ヤバいやつって思われましたね。

 ……どうしましょう……。

 まぁ、事実だしいっか。(←120%くらいよくないよ?)


「まぁ、兎にも角にもあんたが紫言っていた奴なら、私 と  魔理沙が色々と教えなくちゃいけないのよね……面倒くさい……」


 なんか、『と』を強調してた気が……まぁ気にしないでいいや。

 そういうと、魔理沙さんは元気に、霊夢さんはふっと息をついてから、後ろの神社に入るよう促してきた。(そのとき魔理沙さんに霊夢さんから突っ込みが飛んでました。)

 流石にどうかと思ったけれど、ここでそんなこと言ったらまた霊夢さんと魔理沙さんに無駄な労力を与えてしまうかもしれないので、何も言わずに霊夢さんと魔理沙さんの後ろをついていく。

 あ、ちゃんと「お邪魔します」って言いましたよ。

 これ言わないとダメですよね。日本人ですし。

 それと入る前にお賽銭入れましたよ。

 霊夢さんがなんか目をキラキラさせていた気がしますけれど、気のせいですよね!

 まぁ、日本人じゃなくてもいうと思うけどね。

 角を曲がったところにはいくつかの襖があり、そのどれかに入るのかと思ったが、それには目もくれず、角をもう一つ曲がり、一番最初の襖を霊夢さんが少し乱暴に開けて、中に入っていった。

 僕もそれに続く。

 中にはちゃぶ台やタンス、座布団など、最低限生活をする為に必要な道具が一通り揃っていた。

 霊夢さんと魔理沙さんがちゃぶ台の近くに置いてある座布団の上に座ったので、僕は少し躊躇いながらも、反対側の二つ置いてある座布団の片方に座った。

 ……凄い見られてるなぁ……紫さんに……。

 なんで紫さんここに出てこないでスキマの中で効いてるんだろう?

 紫さんが座る為にあるんじゃないの?この隣の座布団。

 そんなことを考えていると、霊夢さんが口を開いた。


「それじゃあ、ここ……幻想郷について話すわね。魔理沙が」

「私かよ!?」

「そうよ。あんただけ何もしないなんて不公平でしょ?」

「霊夢も何もして無いじゃねぇか!」

「私はこの部屋まで道案内したわよ?」

「それだけじゃねぇか!」


 ……あれ?いつの間にか言い合いになってる……。

 ……まぁ、当人達がどこか楽しそうだからいいよね。

 ……なら僕はこの隙にちょっと紫さんに話しかけましょうかね。(←何で?)


「……紫さん」


 そう呟くと同時に、霊夢さんと魔理沙さんが言い合いを辞め、こちらに顔を向けた。

 お二人は、少し驚きを孕ませながらも、警戒心に顔を歪ませていた。

 ……何で?

 そう考えるが早いか、例のモノが開く音が右斜め後ろから聞こえてきた。

 僕はゆっくりと後ろを振り向きながら、紫さんに問いを投げる。


「紫さん。なんでずっと見てるだけなんですか?」

「……特に理由はないわ。なんとなくよ。」


 そう言う紫さんは、少し申し訳なさそうにしていた。


「それと、ごめんなさい。こちらの不手際で、あなたを死一歩手前の所へ説明もなしに放り投げてしまったわ。」

「いえいえ、気にするほどのことでも……ないとは言い切れないですが、気にしないでください。」

「……それで、いいの?私に、何か言うこととか、無いの?」

「……はい。ありませんよ。失敗なら誰にだってありますし、それを責めると言うことは、成長の兆しを潰しているのと同義です。だから、もしも紫さんが今回のことで罪悪感を抱いているのなら、今回のような失敗をもう2度としないように、今回の失敗を踏まえて、成長する為に努力して下さい。僕も死んでもいないし怪我もしていないですからね。もう一度言いますが、もしも罪悪感を感じているのなら、それを、努力という形で償って下さい。って、自惚れすぎ、ですかね?」


 ちょっと言ってて途中から恥ずかしくなりました。


「! ……いいえ、そんなことないわ。許してくれて、ありがとうね。」

「…………2人だけの世界ってやつね〜」

「…………だなぁ〜」


 ……やっぱり陰キャの僕には美人の笑顔は来ますね。

 なんか霊夢さんがボソッと何か呟いてた気がするけれど気にしない。

 警戒心も解いてくれたようだしね。

 そんなことを考えながら、話の軌道を戻した。


「ごめんなさい、話が逸れてしまって。さて、それじゃあ気お取り直してここについての話をしましょうか。」

「はい。お願いします。」

「ほら魔理沙、説明」

「いつまでそれを引きずるんだ霊夢は……。」


 楽しい人たちだなぁ

 ……僕も、この輪に加わる時が来るのだろうか。


「はぁ……しょうがないわね。魔理沙は。私から説明するわ。」

「私悪くなくないか!?」


 僕も悪くないと思います。

 言える立場ではないけどね。


「ここは幻想郷。人間と妖怪が共存する、最後の楽園。……っていうのは紫から聞いてると思うから、他のことを説明するわね。」


 あ、わかってたんですね。凄い。

 慣れってやつなんですかね?


「……なら、スペルカードルールについては説明は受けた?」

「?いいえ、それはまだですね。」

「そう。ならこれね。」


 そう言うと、霊夢さんはお茶を一口飲み、フッと息を吐いてから続けた。


「スペルカードルールは主に決闘などに用いられるルールで、肉弾戦じゃなくて弾幕というもので美しさを競い合うという内容のルール。」


 一度そう区切って「これが弾幕ね。」と言いながら霊夢さんは片方の掌に先程の赤いボールの形状の光る球を出した。

 すごいなぁと思いながら見ていると、いきなりその弾幕というものが消えて、次にカードのようなものを懐から取り出しながら、話を続けた。(語彙力)


「それとこれは殺し合いなどには用いらせない為に、殺傷能力は極めて低いわ。まぁこのルール自体人が妖怪と対等に渡り合えるように“つくった”ものだしね。殺傷能力が高いものだったら身体能力が人間より高い妖怪たちが有利になっちゃうし、このルールをつくった意味がなくなっちゃう。それで、勝利する方法なんだけど、事前に指定した枚数のスペルカードを全部避け切ると勝ちになるわ。それで、敗北の基準なんだけど、指定された枚数のスペルカードを全て避けられたら負けになるわ。弾幕に当たってピチュってもね。それと、スペルカードって言うのはこれで、まぁ、簡単に言うと契約書みたいなものね。」

「……霊夢さんは優しいんですね。」

「?どうしていきなり?」

「だって、このルールは霊夢さん“達”が“創った”ものなんですよね?」

「! ……どうして、そう思ったのかしら?」


 霊夢さんはお茶を飲むのをやめて、先ほどまでよりも真剣な顔になる。


「だって、もしも元から創られていたルールだとしたら、『創った』ではなく『創られた』と言う筈ですよね?でも、霊夢さんはそこを『創った』と言った。言葉の綾かもしれませんが、他の誰かが創ったものならば、普通なら創られたと言うと思います。それと多分、このルールには紫さんも協力してますよね?概ね……このルールを幻想郷中の方々に知らせる、また僕みたいに外から連れて来た、何かしらの条件を満たした方にのみ先に紫さんの口から説明する、と言った感じでしょうか。」


 僕は最後の言葉を言い終えた後、ふっと息を吐いて、「まぁ、最後の方は憶測だったんですけどね。」と、付け加えた。


「……」

「……えぇ、その通りよ。」


 紫さんはそう言うと、小さな微笑みを浮かべた。


「やっぱりあなたは面白いわね。あれだけでそれだけのことがわかるなんて……ふふ、やっぱり連れてきて正解だったわね♪」


 そう言うと、紫さんは楽しそうに笑った。


「……はぁ、あんたは色んな意味で規格外ね。」


 少し呆気に取られたような、呆れたような顔をしながら、霊夢さんがそう言った。

 それから少しの間雑談に花を咲かせたけれど、紫さんの「そろそろ自己紹介したら?」と言う発言に僕はハッとした。

 そうだった。まだ自己紹介してなかった。


「お互いまだ自己紹介して無いでしょう?」


 紫さんがそう続ける。


「してないわね。」

「僕は紫さんにすらして無いですね。」


 まぁする前に落ちただけなんですけどね。

 気にしてないけど。

 そんなこんなで、僕らは自己紹介を始めた。


「私の名前は博麗霊夢。この博麗神社の巫女で、博麗大結界の維持もしてるけど、妖怪退治の専門よ。」


 ……その博麗大結界っていうのを知らないからあれだけど、とにかく凄い人っていうことはわかりました。

 ……僕がそんな人と関わっていいのかなぁ……

 ……あ、今更でしたね。(紫さん大妖怪だった。)


「私は霧雨魔理沙。霊夢と同じ妖怪退治の専門家で、普通の魔法使いだぜ。」


 魔法使いに普通も何もないと思うんですけど……。

 まぁ、本人がそういうのならそうなんでしょう。

 僕は少し頭の中で情報を整理してから、一度小さく息をついて、自己紹介を始めた。

 ……“偽りのお面”を、深く、深く。被りながら。


「僕の名前は———魅黒藍奈みくろあいな。紫さんのお誘いで、幻想入りした者です。」


 その瞬間。少しだけ、微風が鳴った。

この小説を読んで楽しんで頂けていたのなら幸いです♪

今までは書き騙していたものを投稿していたんですが、もうそろそろで書き溜めが尽きてしまいます。

どうか見捨てないでください(懇願)

よければ次回も楽しんで下さい♪

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