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東方救嬢期 〜男の娘の幻想入り〜  作者: ASADE
第一章 幻想郷巡り。……にしたいです。(作者の願望)
47/50

第42話 可愛いは正義。可愛いには勝てない。

 お久しぶりですねみなさん!1ヶ月ぐらい過ぎたけどあけおめでs((((殴

 えぇー……たいへん、申し訳ねぇ……!!

 あの一件から、十数日の時が経った。

 それは本当にあっという間で、ちょくちょくアクシデント(?)もあった。僕自身も、もう支障なく歩ける程度には体を回復をさせていた。まだ激しい運動はできないが、そのうちできるようになると思う。

 と、そんなことを考えながら僕は1人、ベッドの上で窓の外を眺めていた。

 一面に広がる竹林に、時たま吹く微風で揺れる草たちをかすかな楽しみにして。雨はここ数日降っていないため、窓は開いている。そよ風が吹くたびに部屋の中にまで入ってきて、カーテンを揺らし、肩ほどにまでまとめた髪を揺らし、外の匂いをこちらに運んでくる。

 それが、なんとはなしに好きだった。

 ふとした時に視線を外して、あそこに……あの棚の上に視線を送る。

 そこには変わらず、ニリンソウが綺麗に飾られていた。

 ここ最近は、なんでもない瞬間に視線が吸われるようになった。理由は自分でもよくわからない。

 微かに差し込む日の光がニリンソウに反射して、まるでニリンソウが輝いているかのような錯覚を覚える。

 とても……本当にとても、綺麗だと思った。

 ニリンソウ。別名フクベラ。春の山菜の中でもすごい有名な花。白くて綺麗な3輪の花。……そういえば、ニリンソウの花言葉って、なんだっけ。

 ……

 ……あぁ、そうだ。たしか、それは———


「———安らぎ」


 それ、だった気がする。




「お散歩……ねぇ」

「はい。……ダメですかね……?」


 それからさらに数日経ったとある日、僕は永琳さんに……頼み事?をしていた。

 それは、ここら一帯を歩くこと。もといお散歩である。


「ほぼほぼ四六時中ベットの上なのでちょっと体が……」

「……、あー……わかったわ。そろそろ体も回復してきた頃だし。ただ外に出る時は付き添いを連れていくことと、あとこれ書いてちょうだい」


 そう言って、何かの紙を渡される。


「外出届……」


 それには上部に一言、そう書かれていた。


「それにどれくらいの時間外に出るのかとか目的……まぁそれに書かれてる通りに書いてくれればいいわ」

「わかりました。ありがとうございます!」

「テンプレみたいな言葉回しね」

「ちゃんと感謝してますよ!」

「ふふ、わかってるわよ。ペンはあっちにあるから、書き終わったら私か優曇華に渡してちょうだい」


 そういうと永琳さんは僕から視線を外して、僕が来るまで何か書いていたのであろう紙に視線を戻した。

 ……微かに覗けたその紙には、僕の名前が書いてあったような気がした。


「あ、あとついでにあのときずっと違和感したので一応言っておきますけど……僕、男の子ですからね」


 思いの外パパッと描き終わったそれをスッとした感じで永琳さんに渡して、そう言葉を並べてから踵を返し、そのドアノブに手をかけた。


「…………は……??? ちょ、ちょっと待ってそのはなs」


 そんな言葉に無視をして、僕はその部屋を後にした。

 失礼しましたという、一言だけを置き去りにして。



 side out

 時は藍奈が永琳のところへ顔を出す少し前まで遡る。



 side永琳

 ……あの少女は、何者なのだろうか。

 あの戦いの最中幾度となく感じたことを、また、頭の中で反芻させる。

 彼女は、最初から最後まで……そして何もかもがおかしかった。目を覚ました彼女をみて、それを再確認した。

 だって彼女はよくて後遺症、若くは寝たきり。最悪は……なんて、それ程のダメージをその身に受けていたのだから。

 彼女の診断書を眺めながらそんなことを考える。最初見た時は、ひどいなんて軽い言葉を使えるほど見れた状態ではなかった。

 一言で言えば、全身に何かしらの怪我があった。軽いものから、切り傷、火傷、痣、内出血、骨折、内臓損傷……挙げて仕舞えばきりがない。何本の神経を縫合したのかは、20を超えたあたりで数えることをやめていた。

 そしてそんな状態だったことを知っていたから、だからこそ驚いた。彼女が、1週間足らずで目を覚ましたことに。それに加えて目を覚ましてすぐ動いていたのだ。そう思わない方がおかしいと言えるだろう。

 痛みを感じないと言われた方がまだしっくり来るレベルである。

 彼女の身体がどうなっているかまったくもってわからない。あの戦闘中の動きはなんだったのか、そしてあの回復能力はなんなのか。……そして、“アレ”はなんなのか。

 ……ここまで来ると、もうこれは“妖怪のソレ”としか思えなくなってしまうほどである。

 彼女に関して、殆どわからないと言ってもいいだろう。実験をするにしても一応の許可がなければ流石に倫理的に問題となってしまう。

 ……まぁ、今そんなことを考えても仕方ないか。

 そう思い直して作業に戻ろうとしたその時、小さく扉が叩かれた。

 それに私は言葉を返して、その人に入ってもらう。そこにいたのは、今さっきまで考えていた少女であった。


「どうかしたの?」


 その紙から視線を外して、彼女の目を見て言葉を並べる。

 自然と出てきたこの笑顔が、自分の本心であればいいなんてことを、突拍子もなく願った。


「えぇっと……実は運動、もといお散歩がしたくて……」

「お散歩、ねぇ……」

「はい。……ダメですかね?」


 今体の状態は……一応の譲歩を経て良好と言っていいほどに回復している。

 ただ、その“回復している”という部分がおかしい以上、正直なところ彼女を無闇に外に出したくはなかった。

 ……だけど。


(……可愛い)


 そう、可愛いのである。

 彼女は今、上目遣いかつ胸の辺りで手を合わせながら、自信のない声色で私にそう言ってきている。

 可愛い以外の何者でもないのだ。だから、どうしても断ることに抵抗を覚えてしまう。


「ほぼほぼ四六時中ベットの上なのでちょっと体が……」

「……、あー……わかったわ。そろそろ体も回復してきた頃だし」


 ダメだ。やはり、可愛いには勝てない。

 私の言葉で、彼女は先ほどとは一点暗い表情からまるで花が咲いたかの如く明るく眩しい笑顔を浮かべた。

 いうところの、庇護欲を掻き立てられる可愛さである。


「ただ外に出る時は付き添いを連れていくことと、あとこれ書いてちょうだい」

「外出届け……」

「それにどれくらいの時間外に出るのかとか目的……まぁそれに書かれてる通りに書いてくれればいいわ」

「わかりました。ありがとうございます!」

「テンプレみたいな言葉回しね」

「ちゃんと感謝してますよ!」

「ふふ、わかってるわよ。ペンはあっちにあるから、書き終わったら私か優曇華に渡してちょうだい」


 そういうと彼女は私から視線を外し、スラスラとそれを書き始めた。

 それを横目で確認した後、私はあの紙を目の前にある紙の束に差し込んでから余りに余る仕事に取り掛かった。更に言うが、仕事はいくらでもある。いくらやってもなくならないほどには。まぁ終わったところから次が来るのだ。次と違って、終わりが来るはずがない。

 そんなことを考えながら手を動かし続けていると、ほぼほぼ空っぽの頭の中に、一つの疑問が浮かんできた。

 いや、疑問は少し言い過ぎな気が……不思議なこと、という方が正しい気がする。少し意味が違う気もするが。

 ……まぁ、そんなことはどうでもいいだろう。兎にも角にもそれは、藍奈の髪についてだ。

 気付けば藍奈は髪を結んでいた。それも、ぱっと見では結んでいることすらわからないほど巧妙に隠しながら。

 あんなに長く綺麗で、されどどこか影を落としたような儚さを持つ髪なのに。

 勿体無いと、どうしてもそう思ってしまうのはしょうがないことなのだと思う。だって、私がそんな想いを抱くのは今の今まで輝夜のものだけであったから。

 自分勝手であるとは重々に承知しているが……もう少し、あの髪を見ていたかったものである。

 そう思うと同時に、頭の隅で、あの光景を再起した。

 ふと気がつけば彼女はそれを書き終えたようで、音も立てずスッという効果音がつきそうな感じで、それでいて丁寧にその紙を私に渡してきていた。

 私は何故かその動きに視線が吸われ、置かれた紙へと移ろいだ。その目まぐるしいとも感じる視線は、自然と一つの項目へと注がれる。

 それについて言葉にしようとしたその時。前を向けば、既にそこにはいなかった。彼女は音もなく、そのドアノブに手をかけていた。

 だが彼女は扉を開けてから、頭だけをこちらに向けて言葉を並べた。


「あ、あとついでにあのときずっと違和感したので一応言っておきますけど……」


 小さく……そして、翳りに塗れたその微笑みを、その口元に貼り付けながら。……“何か”から逃げるように、その目を小さく震わせながら。

 彼女は小さく、こう言った。

 

「僕、男の子ですからね」


 ……時が、止まった。

 思考が、ありえないほどの速度で回る。ありえないと、思考がそんな言葉を連ねる。そして、驚くほどに浅慮な思考が浮かびは消えた。


「…………は……???」


 かろうじて出たその言葉は、意味をなさない驚動の言葉。

 だが無意味ではなかった。それのおかげで、やっと口が動かせるようになった。


「ちょ、ちょっと待ってそのはなs」


 だが遅かった。彼女は既に微かなそよ風と僅かなもの寂しさを取り残し、この部屋を後にしていた。何か言っていたような気もするが、今の私には届かない。

 そんな状況に、私は数秒の間身動きが取れなくなってしまう。伸ばした腕は不完全で、指先すらも開き切ってはいなかった。そしてそんなことになってる間にも、私の思考は回り続けている。

 まず一番大きく浮かんでいるのは、『どうして』。

 そんな単純で、最も難しい疑問だった。

 ……だって彼女には……いや、彼には———。


 そうして。……私は、一つの結論に辿り着き、確信した。

 結論を出すに早すぎると、頭ではそうわかっているはずなのに。それを見つけて仕舞ってからはもうそれ以外には考えられなくなってしまっていた。

 だけどこれも、憶測の域をできることはない。だって彼は元々外の世界の住人だという話なのだから。

 だから……だからこそ判断しかねていた。

 だけど。先ほどのことで、それは本物の確信へと姿を変えた。

 あの“チグハグ”で、理解不能な体から。

 先ほどのあの、彼女が並べた言葉から。

 ……魅黒藍奈。彼は……彼という、存在は———


「———“人間じゃない”」


 その、たった一つの結論に。


 私は1人、書き渋っていた彼の“種族”の項目を、真っ白な空白へと戻したのだった。

 

 後ついでに一応性別も書き換えておいた。最近こういう系は厳しいから。

 正直こわい。


どうも皆さんこんにちは!なんか気づいたら投稿期間が2ヶ月くらい開いてたASADEです!

2025年に入ってから初投稿ですね!あけおめことよろです!

HAHAHA!いやぁ時が経つのは早いものですね!

……

いやほんとがちすんませんした

自分でもここまで遅なるって思ってなかったんですごめんなさい

えーそんなことはさておき、この先の展開あんま思いついてないんでまた遅なると思いますがご了承くださいマジでほんとにお願いしますガチで

……と、そんなところで書きたいことど忘れしたので今回はここまで!

みなさん、2025年も『東方救嬢期』をよろしくお願いしますね!!

というわけでそれでは皆さん、サラダバー!

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