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東方救嬢期 〜男の娘の幻想入り〜  作者: ASADE
第一章 幻想郷巡り。……にしたいです。(作者の願望)
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第41話 ラッキースケベとセクハラってあんまり違いはないと思う

ずっとずっと、音がしていた。

その音を は知っていて、ずっとずっと、途切れることなく続く、嫌いで、聞きたくなくて、思い出したくなくて、考えたくなくて……忘れたくない、そんな音が。

 side

 気づいた時には暗い場所にいた。何もなく、ただただ暗闇だけが広がるだけの、その場所に。

 ここには見覚えがあった。ありすぎた。

 ここに、何度も来ているから。……来て、しまっているから。

 あぁ……また、またなのか。

  はまた、同じ“夢”を見てしまっているのか。

 この心の底から嫌悪してしまいそうな空間を、心に刻んでしまっている自分に腹が立つ。

 そして、そんなことを思う自分にすら腹が立った。

 ……これ以上に、イタチごっこという言葉が当てはまることも、そうないだろうと思うほどに。

 そんな意味のない考えを巡らせていた、次の瞬間。

 突如として視界の全てが眩い光に包まれた。

 思わず腕でそれを遮り、力一杯に目を瞑る。

 ……始まるのか。

 再確認をするかの如く、心の中でポツリと呟く。

 逃げ出したい。恥も外聞もかなぐり捨てて、このバショから逃げ出してしまいたい。そして、記憶から……想い出から、忘れ去ってしまいたい。

 ……だけど、それだけはいけない。

 そうわかってはいた。だから、残り少ない平常心が、それはさせぬと心に訴えかけてくるのだ。

 ……罪の意識という、恐ろしいほどの凶器を持って。

 それは何秒かの間発光をし続け、瞼の奥からそれが消えたと同時に、 はゆっくりと、その重すぎる瞼をこじ開けた。

 恐ろしく悍ましいほどの恐怖心と、罪悪感を宿しながら。



 気付けばどこかの家の前にいた。

 意思を持って体は動かせず、声も出せない。まして体は立ち上がってすらいなかった。

 体はそんな状態で、固い地面に寝転がっている。

 背丈は小さく、全身から刺すような痛みが走り、身を貫くような冷たい風によって、それが顕著に感じさせられる。

  はそれを感じたと、理解したと同時、感情が揺さぶられ、恐怖で心が震え上がった。

 なんとか、どうにかして言葉でそれを外に出そうとしても、それが言葉になることは、言葉にすることはできなかった。

 その体は気付けば小さく立ち上がり、どこかへと歩を進めようとしていた。

 その光景を見て、そしてその先のことをわかってしまって。

 なおのこと恐怖心が煽られて、心の底から気持ちが悪くなってしまって、身体の全てが拒絶して、心の全部が嫌がって。吐瀉物が口から溢れ出た時より強い、強すぎる不快感を覚えた。

 それは止まることを知らない。

 その歩を止めろと叫びたい。

 その先を見ることが、怖くて怖くてたまらない。

 ……その景色を、体が、思考が、感情が。その何もかも全てが、 の気持ちを煽っているように感じた。

 されどその光景から、目を逸らすことは叶わなかった。

 発散することもできない。……そう、今の には、何もできることがないのだ。

 覚悟を決めろ。

 決めなきゃだめだ。

 逃げちゃいけない。

 逃れちゃいけない。

 それをすることなど、あってはならない。

 だから。


 …………………だから。


 


 行き着いた先は、何の変哲もないはずの公園だった。

 だけどその不快感は、時が刻まれるごとに強まっていく。

 身体がベンチで寝転がった。ここで眠るつもりなのだ。

 寒い、痛い、怖い、嫌だ。そんな幾度となく反芻したその言葉たちが、さらに、さらにと加速していく。

 何故だかはわからないが、だんだんと視界がぼやぼやとぼやけてきて“しまった”。……そんななことを考えていた、その刹那のことだった。

 一つの車の停車音が、嫌に大きく響き渡った。

 その車に、視線が吸われるようにして注がれる。

 ……もうこの時には既に、抵抗する気力は失われていた。


 だけど、その瞬間のことだった。

 体が……否、“ く”という存在が、存在自体が何かに引っ張られるような感覚を覚えた。

 まさかと。そう思った……否、勘づいてしまった、次の瞬間。

 その時には既に僕の視界は、雲よりも高い位置にあった。

 いつも慣れているはずのこの感覚を、今だけは、心の底から恨めしく思ってしまう。

 せっかくの、このおもいが……この、ハリボテの決意が、無用の長物と化してしまったからだ。

 そこで、意図せず視線を下に向け、その景色を視界の中に収めた。……否、収めてしまった。

 だからそうして、その刹那。

 …………“僕”は、また———

 



 ———絶望した。






 がばっと、勢いよく起き上がる。

 気付けば顔には何かが流れる感触が絶え間なく続き、体全体からはベタベタとした汗によって服が張り付き、気持ち悪さを与えていた。

 浅く、何度も何度も何度も何度も呼吸を繰り返す。

 頭が働かない、心が張り裂けそうだ。

 そんな表現が、今だけはぴたりと当てはまる。そんなことを、ほとんど働いてくれない思考の中で考えた。

 瞬間、とてつもない程の吐き気が一様に襲いかかってきて、手で口を押さえたはいいものの耐えきれず、布団の上に吐き出してしまった。同時、耳鳴り……の代わりを担うかの如く、一つの楽器の音が頭の中で反響した。僕はその音を知っていて……聞きたくなくて、気づかないふりをしたくて、そして、忘れたくて。死に物狂いで、耳の穴を塞いだ。

 それは長く、何十秒と続いている。

 止めないと、という気持ちはあった。ここがあまりどこだかはわからないが、屋内。誰かの所有物であることは確実で、そんなことをすることが、申し訳なかったから。だが、とまらなかった。止められなかった。

 過呼吸に近い息遣いと、さらに音量を増すこの音に、勢いのおさまらないこの吐き気。

 どうしようか……なんて、そんなことすら考えられなくなっていた、その時。

 ふわりと香る何かの匂いが、僕の鼻口をくすぐった。

 少しずつではあるものの、収まってきた吐き気を無理やりに抑え込んで、その匂いの正体を探す。

 すると、左横の小さな棚の上に、一つの花瓶が置かれていることに気がついた。

 ……それは


「……ニリン、ソウ……??」


 鮮やかな色で、華やかに彩られたニリンソウ。その花だった。

 ……そしてその、次の瞬間のことだった。

 何故かはわからない。だが、吐き気を含めた先ほどまで感じていたはずの不快なものたち……その全てが、急速とも言えるほどの速い速度で引いていったのだ。

 気づけば、まるで先ほどまでが嘘かのように呼吸は安定して、思考は平常を取り戻していた。

 何が起こったのかわからない。そんな自身の体調の変化の落差に、思わず驚きを隠せなくなってしまう。

 ……いや、そんなことは後回しでいいか。

 考えても仕方ないことなのだと早々に思考を投げ捨てて、一応何度か深呼吸をしてから、改めて辺りを見渡した。なるべく早く、少しでも現状が知りたかったのだ。

 そこは病室かつ個室のようだった。僕がいるベットの他にそれはなく、だが何かの薬品が所々に置いてあることや、部屋の形、このベッドの形状から病室ならではの独特の雰囲気が漂っていることを感じ取ったのだ。

 ……そういえば永遠亭は幻想郷唯一の病院だと、霊夢さんがそう言っていたっけ。無意識のうちに理解をしていたのであろう。多分それも、この考えに至った要因の一つだ。

 まぁ何はともあれ、ここがどこなのかはわかった。何も考えがまとまらないが……取り敢えず、迷惑をかけてしまったことだけは、確かなようだ。

 どう落とし前をつければいいんだろうか……と、そんな考えを巡らせていたその時。

 ガチャリという音が響き渡り、その木製のドアが開かれた。


「……」


 入ってきたその人……霊夢さんは、僕を見るとともに、その動きの一切を停止させた。驚きに満ちた表情をしながら、その綺麗な純黒の瞳を縮めさせている。

 そして、その表情はだんだんと歪んでいって……


「ッ!」


 バッと、そんな効果音がつきそうなほど勢いよく振り返り、僕に対して背を向けた。飛散した数滴の水滴が見えて、微かに震える肩を見て、僅かに荒れた息遣いに気がついて。

 僕は、霊夢さんがこんなことをした理由を知った。

 ……こんな時僕は、なんて声をかけたら良いのだろうか。

 そう自分に問いを投げたところで、その答えが返ってくる……基、返せるはずもなく。

 ただただ呆然と、霊夢さんの言葉か、状況の展開を持ち惚けるだけとなった。

 その時、一瞬、霊夢さんが小さくこちらに視線を向けた。僅かに覗けた瞳の中には、底のない安堵と、微かな怒りが反射していた。

 そしてすぐに視線を戻し、ドアノブに手をかける。

 その後ろ姿から、僕は、霊夢さんの心を汲み取ることができなかった。


「……その棚の2段目に、綺麗な病院服が入ってるわ。……気持ち悪かったら、着替えなさい」


 そう言い残して、霊夢さんは部屋を後にした。


「……ありがとうございます」


 聞こえないと知っていながらも、解っていながらも。

 僕は、そう言わずにはいられなかった。

 扉が締め切られたと同時に、扉の奥から慌ただしいドタドタとした足音が聞こえた。


「……本当に、心配させちゃったんだ」


 自然と溢れたその言葉を、自分自身が飲み込むのに時間を必要とした。

 視線を扉から少し外して、横目で掛け布団の上を見やる。

 ……若しくは、これを見て気持ち悪くなったか。などと考えて、あの優しい霊夢さんのことだと、そう思い直した。

 何故か起きた時よりもはっきりとしない頭で、これからのことを思考しようと試みる。

 ……だけど今の頭では、当然のように、そんなことすら考えることができなかった。

 後ろ側へ倒れこみそれに完全に身を委ね、視界を腕で大きく覆う。微かな光が腕の隙間から漏れ見えて、何故か少しだけ、クラっとした。

 一つ大きく息をつき、ゆっくりと、ゆっくりとその思考を回していった。

 

「……あ、着替え……」


 するとすぐに先ほどの霊夢さんの言葉が思い起こされた。

 確かに見てみると、僕が今身に付けているこの病院服は汗と先ほどまでの吐瀉物で視界に収めることすら憚られるほどに汚れてしまっていた。

 流石に誇示表現が過ぎたが、気持ち的にはそのくらいである。それに意識し始めたら、どうしようもなく気持ち悪い感覚が、全身からビシバシと伝わり始めてきた。

 ゆっくりと状態を起こして、布団から足を、体を出して地に足をつける。

 そして力を入れて勢いよく立ち上がった。……と、そのところで、体にうまく力を入れられないことに気がついた。

 立ち上がった反動で、大きく前に倒れ込んでしまう。なんとか腕で支えはして、頭をつくことはなかった。

 ……流石に疲弊しすぎじゃない……??

 なんてことを意図せず頭の中で浮かばせて、密かに体力作りを始めようと心の隅で決意した。

 というかそんなことを考えてる場合じゃないよ今。ほんとに力入んないようどうしよう……。

 気合いで頑張りましょうね。


「う、ん……しょっと……!!」


 四つん這いの状態でそれに近づき、支えにしてゆっくりと立ち上がる。その時の足は、まるで生まれたての子鹿のように震えていた。

 謎に出た声が裏返ってしまったことを除けばなんの問題もない。というより誰も聞いてないからマジモーマンタイ。

 少しの間その状態のままいると安定してきて、震えは穏やかなものとなっていた。

 手を離してちょこっとふらついてしまったものの、そのまま立つことができたのでこちらもモーマンタイであふ。

 ……噛んだ。

 そんなこんなで僕が下を脱ぎ、最後のボタンに手をかけて……そう、正真正銘名全裸になろうとしたその時。一つのノックの音が響いた。

 

「藍奈起きてるか?開けるぞ?」

「え?ちょちょっと待ってくだ———」


 言い切る前に、その扉が開かれる。僕は突然のことすぎてそれを見つめることしかできなかった。

 開かれた扉から顔を出したその人……魔理沙さんは、僕を見たと同時にその動きをぴたりと止めた。


「? ……どうかしたn……」


 ひょこりと顔を出した永琳さんが、同じように動きを止めた。静止画と言われても疑い奴がないほどに、2人は綺麗に止まっていたり

 沈黙が流れる。今の僕は再三いうように、ほぼ全裸の状態だ。下は着てないし、上も両肩から服が外れている。

 そういえば下着って病院服だと脱ぐんだったっけ

 ナぁァァ……なんてことを思いつつ、恥ずかしさからか顔が赤くなっていくのを感じながら、腕を無意識のうちに胸の前でクロスさせて、やっとの思いで言葉をついた。


「……い……い、まは……ダメ、です……」


 もう手遅れなのに、何僕は何を言っているのだろうか。

 申し訳なさや恥ずかしさ、その他諸々の感情で、思考がどんどんと乱れていく。

 顔が熱かった。醜態という言葉が、これ以上に当てはまることがないようにすら感じてしまっていた。

 数秒の沈黙。だが、とてつもなく感じてしまうような沈黙。それが訪れた……多分、数秒後、勢いよく扉がバタンと閉められた。次いで、焦ったような声が響く。


「すsすスすまん!てっきりもう着替え終えてるもんだと思ってたんだ!!すまん!本当にすまん!!あれだ、故意じゃないんだ!わざとじゃなく事故!事故なんだ!!」

「……それ、尚更怪しくなってない?」

「えっ?えっ、えっとえっとええと、えっとその……す、すまん!!!」


 魔理沙さんがそう言い終わると同時に、駆け出したような音が響いた。タッタッタッタと、その足音はすごい速度で遠ざかっていく。


「ちょっと魔理沙!そんなに走ると危ないわよ!……って!室内で箒はやめて!花瓶とか落ちちゃうでしょ!!……ごめんなさいね藍奈。また後で伺うわ」

「……ハ、ハイ」


 なんとか返事を返すと、永琳さんは同じようにして魔理沙さんを追いかけに行った。

 放心する。何も考えられず、ぺたりとなってた足の上に、交わる腕が溢れ着いた。次いで、まだ熱を増し続ける顔を、誰もいないのにも関わらず両の手で覆い隠した。早く熱が引いてくれと、ほんとほんとにねがう


「ふぁうあうにゃぁぁぁあぁ…………ぁぁ……あうにゃうにゅう……しゃぅゎ……」


 口を吐き出る言葉たちは、なんの全くの意味もなさない。

 考えるだけ無駄だと、もう起こってしまったことだと頭ではわかってはいるものの、やはりというべきが、ミリミリも気持ちが追いついてくれなかった。

 ゆっくりと深呼吸をする。感情ではなく、思考を宥めることに注力する。

 するとなぜかすぐに落ち着くことができて、頭の中に、小さな考えだけが浮かんできた。

 これがラッキースケベってやつなのかな。それかセクハラ。

 ……なんて、本当に訳のわからないことが。


 それから程なく、僕はさっきの二の舞みたいなことが起こらないうちにできるだけ早く着替え終えて、近くに置いてあった椅子に腰を掛けていた。

 流石に新品……かどうかはわからないが綺麗な病院服で、嘔吐物で塗れた布団に入ろうとは思えなかった。

 そんなことを考えていた、その時だった。ノックの音が1つした。それは、この部屋の中に常置する静寂を、いとも簡単に切り崩した。

 僕はそれに応答をして、その人に中に入ってもらう。僕が扉を開けたいなんて気持ちもあったが、今の状態では、そんなことできるはずなかった。

 声を聞いてなんとなくはわかっていたが、入ってきた人はやはり永琳さんだった。


「さっきはごめんなさいね」


 入ってくるとともに、手を顔らへんで合わせながら、申し訳なさそうな顔をしてそう言ってきた。


「、全、ゼ、ン……ダイジョウブデスヨ」


 言われると同時にあの時のことを鮮明に思い出して顔が蒸気するのを感じた。そのせいか言葉が詰まって、ぎこちなさすぎる返事を返してしまう。


「魔理沙も悪気はなかったのよ。……私も含めて」

「はい、まぁ、それは、魔理沙さんの反応を見たらわかりますが……」


 それはそれ、これはこれというやつである。恥ずかしいもんは恥ずかしい。


「それもそうよね」

「……あれ? 今心読みました?」

「あら、なんのことかしら」

「いやだって……」

「クチニデテタノヨ」

「なぜカタコトに!?」


 短い沈黙が訪れる。その間僕は永琳さんと見つめあって……そして、同時に吹き出した。

 ひとしきり笑い終えると、永琳さんはまた口を開いた。

 

「さて……と。布団も変え終わったし、私はそろそろお暇させてもらうわ」

「え?……あ、ってえ?いつの間に??」


 言われて改めて視線をやると、さっきとは打って変わり本当に布団が綺麗な状態になっていた。

 そこはかとなくキラキラして見えるレベルで。


「ありがとうございます。……それとすみません、そんな汚しちゃって……」

「いいわよそんなこと気にしなくて。仮にもあなたは病人なんだから。……それに、恩人には丁重に、ね?」

「!? ……は、はい」

「? どうかしたの?」

「あ、いやえっと、その……な、なんでもないです」

「なによ、何か言いたいことがあったら言ってくれていいのよ?」

「えぇっとぉ……」


 永琳さんが、少しだけ距離を詰めてくる。それにその表情から、僕が言うまで帰らないと言う気概を感じ取った。

 言いたくない。いや、正確に言えば言うこと自体が恥ずかしい。……いやでも、これ以上時間を食わせるわけには……

 僕の思考はどんどんと速く、ヒートアップしていった。……そして最後には、僕は口を割ってしまっていた。

 簡潔に言うおう!考えるのを諦めたのである!!


「気持ち悪かったら申し訳ないんですけど……さっきの永琳さん、あの、な、なんていうか、えっと……すごく……かわ、いい?き、れい?だ、った、ので…………」


 ……重い、重すぎる沈黙が訪れる。

 先ほどとは違うベクトルの恥ずかしさと申し訳なさで、永琳さんのことを視界に収めることすらできなくなってしまって、俯いてしまう。

 視線の先には自分の正された両足と、拳を形成している両手があって、その手には少しの汗が滲んでいた。

 時間が経つにつれて、少しずつ少しずつ、視界が霞んでいく。

 ……しょうがないでしょ!!美人さんのいたずらっ子みたいな表情にウィンクと……なんて言うんだろ?えーっと……ナイショのポーズの攻撃を同時に受けたんだから!!

 そんなもので僕がダメージを受けないはずがない。

 ……それでダメージ受けただけで結果がこれか…………

 ……涙がちょちょぎれるくらいには恥ずかしい……。

 いっそのこと今ここで意識を落としたい……!!!


「……すみません今の忘れてくdひゃあ!?!?」


 僕がなんとかかんとかして永琳さんの目を見て、その言葉を言おうとしたその時、突然永琳さんに抱きつかれ、頭を撫でられた。


「え、えぇ永いんしゃん!あぁあにょ、すすすごく恥ずかしいん、でふ、けど……!!」


 呂律が全くと言っていいほど回らないのは、さっきまで起きた出来事全部を通した結果なのだと思う。

 ……というかそんなこと今はどうでもいいんだよ!

 この状況……どうしたらいいの……???

 思考を巡らせる。どうにかして今すぐにでも抜け出さないと、僕のメンタルがパーフェクトブレイクされてしまう。

 なんか段々と力強まってる気がするし……


「あのぉ……!ホントに……永琳、さん……!!僕、恥ずかししゃで……!どうにか、にゃっちゃいそう、でふからぁ……!!!」


 なんとか言葉を捻り出してやっとの思いでそう捲し立てると、永琳さんはハッとしたようにぴくりと体を震わせて、ようやっと離れてくれた。


「あぁあごめんなさい、藍奈……!!可愛すぎて思わず……!」

「はぁ、はぁ、はぁ、…………思わずで、こんなことまで……しないでくださいよ、もう……」


 思わず頬を膨らませて、そんなことを言ってしまう。

 心の底から安心した。これ以上あの状態のままいられていたら、僕がどうなっていたかわからない。

 今ほんの少し思い出そうとしても頭がそれを拒絶くらいにはギリギリだった。何がかはわからないが。

 体全体が熱を帯びて、若干汗も流れてる気がする。

 なぜこんなにも僕のメンタルを削りたがるのだろうかこの方は……いや、そんなつもり一切合切ないのだろうけれど。

 ……………………

 ……でも、ちょっとだけ……名残惜しい気もするような……

 ……って!そんなことないから!そんなこと全然ないから!頭撫でられるのが気持ちよかったなんてそんなこと……は、ちょっとあるけど……って、僕は誰にこれを言っているの……??

 こういうのが恥の上塗りっていうんだよね!!!!

 …………

 あぁぁああ頭が回らないよおぉぉぉ………。

 なんでこんなテンプレのようなことを言ってしまったのだろうか……まぁまぁまぁまぁとりあえずね!てんてんてん多用すると見づらくなっちゃうからこのぐらいにしとかなきゃね!(??)

 ……僕、情緒どうしちゃったんだろう……?

 というかあれ?今思ったけどこの考えまとめて全部自分で恥の上塗りしてるだけなのでは?

 ……スゥ……

 ……うん。なんでもいいやもう(思考ry


「元はと言えば僕のせいのような気がしなくもないですけど……流石にやりすぎじゃないでしょうか……??」

「……藍奈……怒ってる……?」

「怒ってはいませんよ。怒っては」

「“は”ってことは……」

「そんな大したことじゃないです。ただちょっとこれからの関わりを考えようかと思ってるだけでs」

「ごめんなさい」

「キャラ崩壊レベルで謝るの早いのやめてもらえませんか??」


 扱いに困っちゃうよ全く(by作者)

 なんてことを話してるうちに、僕はなんとか平静を取り戻していった。

 小さく息を吸い、次いで息を吐く。

 そんなことをしていると、永琳さんが声を上げた。


「ふぅ……ふふ、それじゃあ、私は今度こそお暇させてもらうわね」

「はい。なんか引き留めちゃったみたいになってすみません」

「全然そんなことないわよ。次は暗くなってからまた来るわね」

「はい。待ってますね♪」

「(ほんと可愛いわねこの子……)それじゃあね、藍奈」


 そういうと永琳さんは、踵を返してこの部屋を後に……しなかった。

 体が完全に外に出たであろうというところで、その動きはぴたりと止まる。


「そうだ。1つ、言い忘れていたことがあったわ」


 そういうと永琳さんは、体はそのままに、顔だけを横にして視線を向けてきた。

 そうして、その言葉を……その台詞を。僕という存在に、投げかけてきたのだった。


「その髪、とっても似合っているわよ」



 そして。

 ……気がつけば僕は、ひとりになっていた。


ん?なになに?前半と後半で温度差が激しすぎて風邪ひきそう、だって?

そんなの私が1番思っちょるわ()

と言うわけでみなさんどうもこんにちは!今年最後のASADEです!

一年が早すぎる……!! だめだ、ホントになんも終わってない……!!!!

大掃除とかそこら辺ですら終わってない……!!

まぁそんなことはどうでもよくて……みなさん、今年1年間ありがとうございました!今年の一年数えられるくらいしか投稿できてないけど……。

あぁぁ何を言えばいいかわからない!!とりあえず!今年一年ありがとうございました!!!そして来年もよろしくお願いします!!!!

……来年こそもうちょっと投稿できたらいいなぁ。

ということです今回はここまで。来年またお会いしましょう!

それではみなさん、サラダバー!!

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