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東方救嬢期 〜男の娘の幻想入り〜  作者: ASADE
第一章 幻想郷巡り。……にしたいです。(作者の願望)
40/50

第35話 僕たちの反撃

なんか投稿直前にちょこちょこいじっちゃって特に最後らへん違和感あるかもしれない

許して〜!

 side永琳

 本当は、ずっとわかっていた。姫様が……輝夜が、輝夜ではないことを。

 だけど、輝夜と同じ空間にいて、戦っているうちにわからなくなっていってしまった。

 吹けば消え入りそうなほどの小さな違和感。若しくはそれを覆うほどの大きすぎる違和感。

 それに長い時間当てられて、私はわからなくなってしまったのだ。頭でわかっていたとしても、心でわかっていなきゃ意味がない。

 それに加えて、今私は頭でさえわからなくなっていってしまっていた。

 声も姿も目的も……何もかも、彼女だったから。

 彼女と……私よりも3回りは小さい彼女と戦っている時からずっと、わかっていた。……わかっていた、はずなのに。

 元からこうだったのではないか。

 私がおかしくなってしまったのではないか。

 裏切りという大罪を犯した意味は、無かったのではないか。

 ……そう思うようになってしまっていた。

 そしてそんな私は、また、彼女に助けられてしまった。

 すぐに逃避をしてしまうような、弱い私を彼女が。2度も助けてくれた。

 頭では感謝の念でいっぱいだ。このまま進めていなければ、何も変わらなかっただろうから。

 後退してしまっていた可能性だって、大いにある。

 それに、これで彼女を倒して、助けることができる可能性が芽吹いたのだ。感謝をしないわけがない。……だけど。

 どうしても、どうしようもなく考えてしまう。

 ……本当に今の輝夜は、輝夜ではないのだろうかと。

 何を馬鹿なことを、とは、自分でも思う。

 だけど最初に感じた違和感が、形を変えて私を幾度となく襲い続けていた。そしてその違和感は、最後には最初の形へと変化を遂げる。……堂々巡りという言葉がこれほどハマるものも少ないだろう。

 そんなことを考えても意味はない。そうなのだ、こんなことを考えたところで、私の……私たちのやるべきことは変わらない。

 ただただ、輝夜を退ける。そして、取り戻す。たったそれだけなのだ。だからこれは、この思考は、全くの無意味なのだ。

 ……だけど、それは変わる予感もしていた。この違和感の謎がわかれば、何かが……いわば、全てが全体から崩れるような、大きな予感。そんな気がしていた。

 そう、あの輝夜に対して……の……な、ぞ。

 ……謎?

 ……

 ……あぁ。

 違った。これは、謎なんかじゃない。

 謎なんて、そんな大層な言葉で宣っていたのが馬鹿らしくなるくらいに、その答えは、簡単なものだったのだ。

 今この瞬間、わかったような気がした。

 突拍子もなく唐突に。私が今、何をしようとしているのかを。

 私の目的が、どんなものなのかを。

 その謎の、正体を。

 ……私の目的は、空っぽだ。外装だけは着飾った、質量のない空の箱。たらればの話のほうがよっぽどマシなほどの。

 ……そんなガラクタに、意味はない。

 ならば私は何をすべきか? 何もしていなかった私にできることはなんだ?

 そんなの決まってる。

 今この瞬間、私だけの目的を作る。そしてそれを遂行する。それしかないのだ。

 それじゃあ、それはどんなものだ?

 ……それは———戻す。

 この、たった一言に尽きる。

 これが1番しっくりきた。今までの違和感は、最初から間違っていた故に行き着くことができなかった、唯一の目的。

 最初から間違っていた故に起きた、覆い隠された歪みの感覚。

 私には、これだけは断言することができる。それは……輝夜は、操られてなんかいなかったということ。

 輝夜はずっと、輝夜のままだったのだ。

 だってそうでなければ、博麗の巫女を生かす意味がない。

 だってそうでなければ、私をあんなふうに手玉に取ることはできないだろうから。……それができるのは、姫様本人だけだから。

 あぁ……やっとだ。やっとわかった。やっと、理解をすることができた。

 やっと輝夜のことを、理解することができた。

 幸福感が、胸いっぱいに広がる。……だがまだ、それに浸る時ではない。

 私はそう思い直して、頭を振った。

 再確認をしよう。

 私の答え(目的)は、彼女と共闘をし、輝夜を戻す。

 たったそれだけの、簡単なことだ。

 ……私は、これでようやく戦える。

 これからがやっと、本当の意味での戦いだ。



 side藍奈


「必ず私は、迦具夜を“戻す”」


 唐突にそんな言葉が聞こえて、永琳さんの方へと視線が吸われた。

 ……するとそこにいた彼女は、先ほどとは一線を画す、決意を固めたような顔をして、前を見据えていた。

 まるで目的だけを見据えているように、力強い視線を迦具夜さんに送っていた。


「1つ、わかったことがあるの」


 前置きなしで、唐突にそんなことを言われる。


「わかったこと……ですか」

「えぇ。……迦具夜は何者かに操られているんじゃなくて、何者かに使われている」

「……なるほど、だから……」


 至る所に散らばっていた点が、一気につながっていくような感覚がした。

 使われている……それは即ち、目的だけを指定され、その他は全てその者に委ねられている状態のことを指す。

 文字通り、なりふり構っていないということだ。


「なぜそんなことに……」

「……私が聞きたいわよ」


 小さく、歯を食いしばる音がした。

 これ以上考えれば戦闘に支障をきたすかもしれないし……考えるのは今じゃない、か。


「一応確認ですけど……それは、思考自体を変えられたということではないんですよね?」

「えぇ、憶測だけどね。……ただ、忘れさせられた……いいえ、“戻されたこと”はあると思うわ」

「……それは?」

「もうここに、脅威は……月の使者が来ることはないということよ。地上に降りてくることはあっても、少なくとも輝夜を連れては行かないわ」


 ……なんとなくだけど、それも霊夢さんたちのおかげなんだろうな。すごいなぁ……。

 まぁ兎にも角にも、この先それの警戒はあまりしなくてもいい、ということか。


「迦具夜は今、怯えているわ。……月に帰るということに対して、ね」

「そうは見えないですけどね……」

「まぁ私は、迦具夜といた時間が長いから。そういうの、わかるのよ」


 ……いいな、そういうの。

 その言葉を聞いてふと、そう思った。

 そして、そんな思いが想いへと移ろい、僕の体を一瞬覆う。

 憧れ、渇望、僻み、切望、妬み。そんな感情が、一度に襲ってきたような感覚がした。

 そのせいで、思考が全てこっちに持っていかれそうになる。

 ……だがダメだ、浸っては。思考を変えろ。

 自分の気持ちなんてどうでもいい。今はただ、この人たちが笑うことができるようにさえなれば。……それだけで、十分だろう。

 だから、抑えろ。……なんとしてでも、外には出すな。

 僕は自分を鼓舞するために、そして決意を固めるために。小さく、言葉を並べた。

 

「絶対に救けましょう……いいえ、戻しましょう。姫様が……迦具夜さんが、安心できるように。怯えることが、ないように」

「時間もない。……速攻で、決めるわよ」

「……話は、終わったよね」


 律儀に待ってくれていた迦具夜さんから、そんな言葉が並べられる。


「えぇ……ここまで余裕綽々に待っていてくれてありがとう? 迦具夜」

「礼なんて要らないわ。これは所謂、お約束ってやつなのだから」

「……まぁ、確かにそうですね」

「それに何より……その方が、楽しそうでしょう?」

「……言ってくれますね。自分が、負かされるかもしれないのに」

「……ふふ、ふふふふ……そんなことができたら、いいわね?」


 ……さぁ、始めよう。

 力でねじ伏せられた僕と、心を弄ばれた永琳さんの、僕たちの反撃を。

 姫様を、救済する物語を。



 ———残り時間 後 1分———


こういう制限時間付きで話数ごとに少しずつ減っていくやつ好き。

ということでどうも皆さんこんにちは!なんかわかんないけど最近バカキツイASADEです!

外にいると眠くなるし家にいても眠くなるし何もしたくなくなる、なんてことザラですからね。

そう言えば知ってましたか? 今の時期外で眠くなるってやばいらしいですよ? 

いやまぁどんな時期でもやばいんですけど。

多分いつもよりは早く次の話投稿できると思います。

多分。

そんな感じで今回はここら辺で。言いたかったこと忘れちゃった。

それでは皆さん、サラダバー!

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