第30話 幼稚な独白
やっと投稿できた〜〜!!!
大体3ヶ月ぐらい期間空けちゃった〜〜!
ごめんなさい〜〜!!!!!!
いや、あの、えっとその……本当にすみませんでした!!!
僕はそこに、ものの数分で辿り着くことができていた。迷いの竹林と聞いて少し警戒をしていたが、悪くいうと、名ばかりのものだったらしい。
目前にはとてつもなく大きな建物があった。縦ではなく、横に。紅魔館と同じくらい、若しくはそれ以上にありそうだった。縦も……うん、大きい。(語彙力崩壊)
申し訳なく思いながらも、一応は玄関から靴を脱いで進むことにする。
僕は何をしているのだろうかという思いに駆られながらも、やはりこういうことは大事だと、そう思い直した。
直線の廊下を進んでいく。そんなとき、『ジンチョウゲ』と『ボケ』の花が入れられた花瓶が目に入った。一眼見ただけでも手入れが行き届いているとわかるような、そんな美しさを放っていた。
突如として湧いて出た胸のざわめきを抑えるために、小さく息をつく。なぜ、という疑問が頭をよぎったが、知らないふりをした。
そのまま先に、少しずつ進んでいく。誰も存在しないと思ってしまうほどに、この場所は静かだった。
そうしていくうちに、少し襖が開いている部屋を見つけた。
何も考えないようにしながらそこを覗く。……するとその部屋に、1つの影が伺えた。
そこは、the居間といった感じの家具や飾りが施されていた。この部屋自体は特段変わったことはなさそうだった。……たったの、1つを除いて。
偽物の月光に照らされたそれは、小さく揺らぎ、震えているように見える。
風が吹く。少しの肌寒さを感じながら、目前の、天井から吊るされてあるそれに、思わず固唾を飲んだ。
「……な……ん、で…………これ、が……」
……そこに、あったのは———
———1つの、“藁人形”であった。
それを見てから動けなくなってしまった僕の鼻腔に、微かな『アイビー』の花の香りがくすぐった。
瞬間、背後から突然ただならぬ気配を感じ取り、ほぼ反射的に振り向いた。……次の瞬間。
……僕は、瞠目をした———。
「……なに、これ……?」
思わず口から疑問の言葉が漏れる。なんだ、なんなんだあれは。
混乱。僕の頭の中は正に今、その状態であった。
目前には、開かれた扉。そしてその先……先ほどまで進んでいた道、それが全て、跡形もなくなっているのだ。代わりにあるのは、青く、白い空間。水平線を錯覚してしまいそうなほど、広く思えた。
そこまで認識したそのとき、部屋が、その空間に侵食されるようにしてなくなった。まるで魔法のように、一瞬にして扉も、部屋も、何もかもがこの空間の背景になってしまった。……いや、背景にすらなっていない。
跡形もなく、消えてしまった。逃げ道をたたれたと言ったほうがいいだろうか。
そしてその次の瞬間、一瞬の浮遊感を感じて、咄嗟に霊力で浮遊をした。下に目をやる。底はわからなかった。
思考が止まってしまいそうだった。部屋が呑まれ跡形もなくなるとは、どんな状況なのだろうか。自分で言ってて、本当に本当に訳がわからない。……そんな、一種のパニック状態に、僕は陥っていた。
そんなこんなで動けずにいた……その時。
「……ッ藍奈!!」
「!?」
霊夢さんの声がした。その声には、焦りと苛つきがこもっているように感じた。
咄嗟にその声を辿り、斜め上に霊夢さんの姿を収めた。
「避けて!!」
だが、次の瞬間。目前に、無数の弾幕が現れた。
「な!?……く!」
咄嗟に身を翻して、それを避ける。続けて、避け続ける。
そうしていると、上か下か、右か左かわからなくなっていく。そんな感覚に襲われた。
そんなことに少しでも気を取られていることが悪かったのだろう。針状の、鋭く速い弾幕が頬を掠めた。そこから小さく、鮮血が舞った。
僕の心の中に、焦燥が芽生える。
「ぐぅ……」
どんどんと、傷が増えていく。幸い深いものも、急所に近いものもない。それだけが救いだった。
そうして何十秒、何分間か避け続けて、ようやく弾幕が止まった。……今のだけで、それなりの体力が削られてしまった。
そんなことを考えながらも、あの弾幕を打った本人へと自然と視線が向いていって……紅魔館のあの時。初めてフランさんと対面した時に感じた、強い悪寒……否、それ以上のものが、僕の背筋を殴打した。
その正体は、たった1つの強すぎる敵意。それが僕に、僕らに向けられていた。
そこには、2つの人影があった。
その内の1つは、もう一方を守るようにして立ち塞がっていた。
前に出ている方は、僕よりも頭2つ3つほど背が高く、腰よりも少し長い程度の綺麗な銀髪を首より下ぐらいからの三つ編みでまとめていた。
服装は赤色と青色の対照的な色合いで飾り付けはほとんどなく、強いていうならば腰に巻いてある白い帯のようなものがそれにあたるだろう、という感じだ。
頭には青を基調として赤色の十字が入ったナース帽をかぶっている。切れ長な目と鼻の高さなどから、美少女、ではなく美人と言った方が正しい顔立ちもしていた。
そしてもう1人、その女性の後ろにいる方は、(ちょっと悔しいが)やはり僕よりも頭1つ分ほど背が高く、綺麗な粗の1つもない純黒ストレートの髪を腰ほどまでに伸ばしていた。
服装は桃色を基調をしており、装飾はさほどないが、胸のところについた大きなリボンや、色落ちのひとつも見当たらないところ、立ち振る舞いなどから強い気品を感じさせた。
どこかの物語のお姫様でもおかしくないと、そう思わせるほどのものを。
顔立ちは前の方と比べて幼く、緋色に輝く目をしていた。そしてその目は……瞳は。どこか、濁っていた。
僕たちは、そんな方々と対峙をする。
……ただなぜか、手前の人からはあまり、脅威が感じられなかった。確かに敵意は感じる。だが、奥の方と比べたらかき消されるほどのものだ。
ただそのかわりに、何か……求められているような。そんな形容し難いものを送られているような気がした。
そしてもう一つ、感じるものがある気がした。言うなれば……違和感。そう、違和感だ。
まるで服のボタンが互い違いになってしまっているかのような……そんな違和感を、僕は感じていたのだ。
「……永琳」
鈴を転がしたような、そんな声が響く。
「貴女はあちらの少女の相手をしなさい。私は、博麗の巫女をやるわ」
「ハッ!」
そんな力強い返答とほぼ同時に、その女性……永琳と呼ばれた方は、弓を射るような体制をとった。
左足を半歩ほど後ろに下げ、左腕を引き、右腕を伸ばし、覗き込むように首を傾けている。
そして、次の瞬間。その腕が光に包まれた。思わず目を細めてしまうほどの光だった。
それは数秒も経たない内に消え失せ、気がつけば、永琳さんの手には一つの弓が握られていた。1本の光り輝く矢を、引き絞っていた。
圧。
……ここまで強いものを感じたのは、いつぶりだろうか。
霊夢さんと息を合わせる暇もなく、僕は、霊夢さんのいる方向と逆に、全力で移動を開始した。……そして、その刹那。
その矢が放たれた。音速に近いと思ってしまうほどの速さで、こちらに接近をしてくる。……今気づいたが、その矢には、強い妖力が込められていた。気づかなかったことが不思議なほど、強いものだった。
横目で、先ほどまでいた場所に視線を向けた。霊夢さんはいなかった。いつのまにか、矢はそこを過ぎていた。矢の軌道上に妖力の、小さな残り香が漂う。
小さく息が漏れた。そしてその瞬間、息を吐く暇もなく、再度矢が装填される。……だがそれは、先ほどとは一線を画していた。
まず、3本の矢を同時にしぼっていた。そして弓が強い力にメキメキという音を小さく響かせながら向くその矛先は、天へと向いていた。妖力が加えられ続けているのか、その矢の放つ光は、時間が経つにつれて増していっていた。
何をするのか、どうなるのか。全く見当もつかない。
「……悪いけれど、早々に決着をつけさせてもらうわ」
唐突に発せられたその声は、悲哀と失望に塗れていた。上へと傾くその顔は、今の僕では、見られなかった。
「……まだ、始まったばかりでしょう?」
少しでも場を繋ごうと、ありきたりな言葉を並べる。
「えぇ、そうね。……でも、貴女じゃ足りないのよ」
「……足りないもの……」
「わかっているでしょう? ……でもいいわ、言ってあげる。貴女に足りないものは2つ。私たちに引けを取らない程度の強さ。そして……“真念”よ」
その女性がそう言った、次の瞬間。光り輝く3本の矢が、中空を駆けた———。
「スペルカード発動。飛墜『千本の矢』」
そんな言葉が、遠くで聞こえた気がした。
昇っていく三本の矢を視界に収めながら僕は、先ほどのあの女性の言葉を反芻していた。
“真念が足りない”
その女性は確かに、そう言った。
その言葉に対して、僕は……驚く程に、愁傷をしていた。
……ハハ……いつになったら、僕は———……。
side永琳
彼女の気配が変わった。理由はわからなかった。ただ1つだけわかることがある。それは、彼女はまだ“子供”だと言うことだった。
矢を放つ。十分に妖力が貯められたその3本の矢は、揺らぐことなく昇っていく。小さなを望みを残しながら、視線だけがその矢の軌道を追った。
……彼女が私を破ってくれる。そんな、一縷の望みを。
出来ないことはわかっている。それをさせようと私自身が手を抜くこともできない。もしもそんなことをすれば、姫様に察知され、私がどうなるかがわからないから。
だから、できないとわかっていたとしても、私は望むことしかできない。……彼女が、私を破ってくれると、望むことしかできない。
そんなことを考えながらも、やはり、そんなこと出来っこないだろうと言う考えが巡る。
矢は最高点に到達すると同時に彼女へとその軌道を変え……そして、彼女を囲うようにして、円状に、数えきれないほどにその数を増やした。
自分でも無傷でいられるかどうかわからない。この攻撃は私がそう思うほどには強力で、私の中で2、3を争うほどに強いものだった。
そんなものをぶつけて、やはり避け切れるはずがないと。改めて、諦めの念が滲んだ。
後の頼みの綱は、博麗の巫女……か。
いや、彼女でも私と姫様を同時に相手取ることは厳しいだろう。
私たちが初めてこの地に降り立ち異変を起こした時は、白黒の魔法使いが博麗の巫女と共闘し、私たちを破ったのだ。
だが、何があったかは知らないが、今この場所にあの白黒の魔法使いの姿はない。
あの子の性格なら、真っ先にやってきそうではあるが……。
……それに、今の姫様は、前までとは“違う”。
そんな意味のないたらればなことを考えて、いつの間にか下がっていた視線を上げた……次の瞬間。
私は思わず、笑みをこぼした。
side藍奈
弾幕が止んだ。
僕はそれを時に避け、時に掠り、時に相殺して。五体満足のままそれを凌ぎ切ることができていた。……だけどまだ僕は、先ほどからずっと感じ続けていた違和感を払拭し切ることができずにいた。
着実にダメージは蓄積されている。だが、急所には当たっていない。心臓近くや頭がは守ることができていた。少しのかすり傷ができてはいるが、その程度。
……違和感の正体……なんだ、なんだなんだなんだなんだなんだ。……何なんだ。
必死に思考が巡らせる。……だけど今の僕にはまるで、それが上の空かのようにしか思えなかった。
理由はたった一つ。……思考よりも、感情が勝ってしまっているから。
避けている時にすらそれは僕にまとわりついて、動きが鈍ってしまったこともあったほどだ。
自分を叱咤しようとしても、止まらない。
自制ができない。
……そんな幼い自分に嫌気がさした。
「……こども」
そんな自分からの筈の言葉が、どこか、遠くに感じた。
無意味に、無意識に、無感情に。遠い昔に思いを馳せた。遠く綺麗な、あの頃の想いに。小汚い今、おもいを馳せた。
あの頃は良かったなんて言えない。ただただ一重に、辛いものだったから。だから、あの頃に戻りたいなんて、到底思えない。……だけど、そうだとしても。
否定だけは、“死んでも”させない。
そんな考えに至った、その刹那。
頭の中で何かが綴られる。同時、懐から何かが光りだした。……取り出して見てみると、それはスペルカードだった。全く身に覚えのないスペルカードが、僕の懐から光を放っていた。
だがさして、驚きはしない。
……紅魔館の一件から、ずっとこれだったから。知らないうちにこのカードを持っていて、そして、ここぞと言うときにこの存在に気がつく。
フランさんの件だって、先ほどの妹紅さんとの戦いだって。だから少し、慣れてしまったのだろう。
……もしかして、仕組まれてたりでもするのだろうか?などと、そんなアホなことを考え小さく息をつくと、自然と手に力がこもった。
そしてそれと同時に、違和感の正体が、何となく掴めたような気がした。
ご都合展開というやつだと、不意に頭で考えて、思わず失笑をこぼした。
気がつけば、少しの驚きの念がこもった視線がしていた。だがすぐにそれは、鋭いものへと変化する。
「そんなスペルカード1枚程度で、あなたが私を倒せると思う?」
「“いいえ、まったく”。……だけど僕は、これで、あなたに勝つつもりでいますよ」
「へぇ……大した自信ね? さっきまで、防戦一方だったのに」
その声は、少し弾んでいた気がした。
「さっきはさっき、今は今です」
そんな言葉に、割り込むように言葉が並べられる。
「だけど、そんな程度じゃ変わらない。現実なんて、そんなものよ。……あなただって、わかっているんじゃないの?」
思わず、小さく首肯をした。
確かに、変わらない。変わるはずがない。それを僕は、痛いほどに知っている。……痛い程に、かんじている。
でも……もしも本当に、変われるのだとしたら。
……僕は、自分を———許せない。
……そんな、醜く汚い妄言が並んだ。
「それとも……あなたは、物語の主人公でも気取って、さっきまでは本気じゃないとでもほざきたいのかしら?」
「そんなまさか」
その言葉に、僕は鼻で笑い飛ばす。
……でも
「でも、その言葉。……あなたにだけは言われたくないですね」
「……」
「あなた…… 本気なんて、露ほどにも出してないじゃないですか」
ずっと思ってたことを言葉にして、矢継ぎ早にぶつけていく。アニメとかですごいありがちなやつだなぁと、そんなことを思いながら。
……先ほどの攻撃は、確かに危うかった。だが同時に、避けられる確信を持てるものであった。
自然とそうなったのか、故意的になのかは定かではないが……僕に向かってくる弾幕が、周りに散らばるものよりも明らかに薄かった。それに、威力も最初のものに比べて弱かった、弱すぎた。……この事実だけで、もう他は必要ないだろう。
「最初に打ってきたあの矢……あれの方が、断然強く感じました。……いや、違いますね。……さっきまでの攻撃が、明らかに弱すぎる。そういった方が、正しいでしょう。……そうでしょう?」
「そんな1本1本にいちいち力なんてこめていたら、日が暮れてしまうわよ」
声に、鋭さが帯び始める。
「確かにそうですが、僕は弱すぎるといっているんです。もし本当にそうなのだとしたら……もう少し、やりようがあったのでは?」
「……見透かされているというものは、こんなにも腹立たしいものなのね」
割り込むように少し早口で、そしてできるだけ癪に触るような言い回しで言葉を並べ、その言葉に、思わず少し驚いた。
もちろん、想像の何倍も効果があったことに驚いたからだ。演技かもしれないが……まぁ、いいだろう。
何にせよ、次の攻撃は、先ほどよりも格段に強いものになるはずだ。……目的は達したのだ。
……相手が本気で攻撃を打ってこなければ、このスペルカードは、“意味がない”から。
……このスペルカードは、そんな代物だ。
オリジナルスペカ!なんか勢いで作っちゃった!!
主人公くん以外の!初めてだ!多分!!
……あっぶね4分の1年の投稿期間開くとこだった……ギリセフ?
はいバリバリのバリににアウトですよねわってましたすみませんでした!!!
上げられたら上げます。投稿頻度。
閉め方忘れたからこれで!
それではみなさん、サラダバー!!




